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9 馴れ初め

 嬉しそうに帰宅した両親。お土産もバカなの?ってくらいに数種類買ってきた。


「外出も買い物も我慢してたから、嬉しくっていっぱい買っちゃった。」

「にしても多くない?」

「お土産って甘い物が多いから、しょっぱい系も必要でしょ。なのでぇ、お漬物と乾き物も追加したったさ!これで交互にいけちゃうからエンドレスで食べれちゃうのさ~」

「コロナ禍の運動不足で太ったから食べ過ぎないようにしたいから、あんまりお菓子とか買ってこないでって言ったのはお母さんじゃん。」

「そうだっけ? お土産は別腹さ~」

「別腹の使い方おかしいし・・・」

「お父さんと二人でお出掛けなんてすっごく久しぶりだったから、楽しんできてもいいじゃん。」

「はいはい、そーねー、楽しかったのねー」めっちゃ棒読み。

「お留守番ありがとーねー」棒読みで返された。


 お土産をテーブルに広げてつまみながら、ふと質問をしてしまった。

「デートって結婚してからもしてた?」

「んー、お姉ちゃんが生まれる前はしてたよ。」

「じゃ、今日は本当に久しぶりだったんだ。」

「今日行ったとこね、駐車場から建物まで階段だったから、お父さんが手を引っ張ってくれたの。手を繋いで歩いたのなんていつぶり?って考えたわ。」

「多分、新婚当時ぶりだよ。」父が照れながら答えた。

「あーー、ごちそうさまー」また棒読みで言ってしまった。


 父は居場所に困ったのか、照れているのか、ソファーの方へ移動してテレビを見始めてしまった。


「お父さんって、なにかと控えめだよね。」

「そお?でも、怒るとすっごく怖いから。滅多に怒らないからギャップがありすぎて驚くから。」

「お姉ちゃんから聞いた事ある。」

「えっそーなの?聞いちゃったんだ・・・」

「ガン切れのお母さんより怖かったって。」

「あの時は、雷神か?って感じのどどーーんと大きな雷を一発落として、その場を鎮めてさぁ~とお姉ちゃんを助けて空に戻っていっちゃったって感じよ。」

「うーん、想像できないわ・・・」

「お父さんはどっちかっていうと肉食男子よ。」

「古っ!」

「だって、送り狼されたのがきっかけで付き合うことになったんだから。」

「おくりオオカミ?」

「あーーわかんないか、ちゃんと護衛しながら送っていくよ。と言いながら、隙を見せたら食べちゃうってやつ。」


・・・


「それ、娘にばらしていい事?」

「ふふっ もう30年以上前の事だからいいんじゃない?」


さらっと二人の馴れ初めを聞いてしまった。

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