2 友人
母の日記?も気になるんだけど、父はあの内容を知っているのかな?寝室の本棚に置いてあったら見ちゃう可能性あるのに堂々と置いてあるってことは、日記じゃなくて小説なんだろうなぁ。小説だとしたら、先が気になっちゃうような面白い書き方だから、母に文才がちょっとだけある事を初めて知った。
続きを読むにしても、事実を確かめるにも、まだまだ読み足りない。
あの日記?を読んですぐ後の週末に友達の誕プレを探しに東急ハンズへ行ったら、チャンスを引き当てたかのように、母の友人の都さんに遭遇した。
「お久しぶりです、都さん。皐の次女の伽羅です。」
「伽羅ちゃん?おぉ!久しぶり~ やーん大人になって社会人らしくなったねぇ。こんな所で会うなんてびっくり~、ここっていっぱい欲しいものがあって迷うから、周りが見えてなくて気付かずごめんねぇ」
「ですよねぇ~ プレゼント探ししてましたが、ほんと悩みます。」
「んん?彼へのプレゼントとか?」
そうか!都さんは母とは中学からの友達だから、過去を知ってるかも?
「いやぁ、実はそうなんですけどぉ、恋愛系の相談って両親にするの照れるというか、言いたくないっていうか、ちょい悩んでるんです…」
「そーなの?久しぶりだし、伽羅ちゃんも時間あったらお茶でもしながらその悩み聞いちゃったりしたいかも?」
やった!母の友達の中でも私が小さな頃からを知ってる、明るくフランクな都さんなら食いついてくれると思った。
「それで、悩みって?どんな事?皐ちゃんには内緒にしたほうがいいんだよね?」
「はい、内緒でお願いします。」
「了解!聞いた事は漏らさないから安心して。」
「彼から、前に付き合った人っているの?って聞かれて、何人もいないから、そんな人いないし。って答えても信じてくれなくて。お母さんに元カレの事を聞かれたらどう答えたらいい?なんて相談できないですぅ。」
「皐ちゃんに元カレの話かぁ…」ちょっと考えてあまり良い顔をしていないような?
「随分前に友達みんなの飲み会で、元カレ話で盛り上がった時に、皐ちゃんは言わない!ここでみんなに言えないような人だから… って嫌な顔をしたの。私は東京の大学に行ってここを離れていたから、その頃の皐ちゃんの交友関係は知らないし、結婚する前の飲み会だったし… その相談なら私に任せて~」
まじかぁ… 元カレ話を嫌がるって、あの日記?と符合してるじゃん…