ゲロゲロ
森の小道を小走りで進む。さっき全力で走ったが体力は元々の体よりは若干上がっていたが結局はすぐ疲れてしまったので結局は小走りで行く事にした。流石は下の下、切なくなるよ。これでも日本にいた頃の体よりかは体力があるのに。
小道に荷物と何か動物の死体が乱雑に落ちている。荷物を慌てて置いて森の方に逃げたみたいだ。
血の匂いも少し感じる、慎重に森の方に入っていくとギャーギャー初めて聞く獣の様な鳴き声が聞こえてくる。更に近づくと血の匂いが濃くなりハッキリとした不気味な声の他人の叫び声も聞こえてくる。
「ジェルの詠唱が終わるまで全力で守るぞ、カイン」
「おう」
緑の鬼が3匹と少し大きい青い鬼が1匹、後はおじさんが2人とお姉さんが1人。おじさん達はそれぞれ大きな怪我をしている様に見える。後ろの女の子はなにやら何かが描かれている紙を広げそれに杖をさしておそらく詠唱をしていて魔法を準備している。
日本にいた頃から含め初めて目の前で見る暴力。
前のおじさん2人が大きな盾を持ちモンスター四匹の攻撃を耐えている。後ろのお姉さんの杖の宝石が強か輝く。
お姉さんが何かを唱えたと思うと放たれた火の玉が3つ大きな青い鬼目掛けて飛んでいく。着弾した途端炸裂音と爆風が上がる。
ふぅ、あのお姉さん凄いね。これでもう大丈夫なのかな……。
土煙が収まり視界が戻る。
そこには右腕を失った青い鬼が立っていた。青い鬼が叫ぶ。その声は本能的に死を意識する咆哮。さっき食べたサンドイッチを戻す。
私が吐いた音と匂いのせいで緑の鬼達に気がつかれる。あのお姉さんが放った魔法は青い鬼の腕を吹き飛ばす威力だったみたいだけど青い鬼にとってはその程度だったみたいだ。私だったら腕が吹き飛んだら戦意喪失、その場で諦めると思うけどコイツは怒るタイプらしい。残った左腕を盾を構えているおじさん達目掛けて力一杯振り払う。
盾で塞いだもののあっけなく飛ばされていく。
私の存在はモンスターにバレている。このまま逃げても恐らく捕まって殺されてしまう、戦うしかない。ガチャガチャを引きたいけどトイタイプの方はやはり戦闘中という事で引けない、カードは使い終わっている。
手元にあるのは攻撃系3枚、防御系1枚、回復系3枚、でもやるしかない。あのお姉さんの魔法のランクは分からないけど結構凄い気がしたけど私の手持ちは、火、風、ひかりのランク1がそれぞれ1枚。イメージするのは風の刃、薄く速く緑の鬼3匹の首目掛けてカードを使う。
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