勇者?
『は……ハァア!? 』
再び驚嘆する翔太。
『ショッター、いや、勇者ショッタ様。貴方と出逢って早半年。ショッタ様とあんな事やこんな事して貴方の大事な所まで拝見した所、私の目には狂いが無かったようでーす! 』
『イヤイヤ野球観戦とカフェで野球雑談しただけだろ!? 後やたらイヤらしい言い回しすんな! 』
テンションが上昇するステラは饒舌に発言を進める。
『それにしても勇者ショッタ様ったらスカウトの調べするために私から告白を受けた時や会話してる時はデレッデレでウブな表情で最高でしたヨよ!! 』
『ちょっ、待てよ!! じゃあオレに告白したのって……! 』
『スカウトする為の手調べですよー! ショッタ様をどの様にすればスカウトできるか、隙さえあればショッタ様の生活の様子や行動を見てましてこの手が1番効くと判断しましたー! 』
満面の笑みを溢しながら問題発言を連発するステラに翔太は激怒した。
『ふざけんなあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! よくもオレのDTメンタルを弄びやがったなぁああああああああああああ!!!!!』
まるで大熱を患ったかのような赤面で発狂する翔太と対照的に、大物を釣り上げたかのような表情をするステラはなりふり構わず話を進める。
『という訳でこの国の為に宜しくお願いします勇者ショッタ様ー』
『勝手に話を進めんな!! てゆーかオレはいつ、どこで何があってこのタイミングで召喚されたんだ!? 』
確かに、翔太が目覚めてからのステラとのやり取りで非常に肝心な部分が抜け落ちていた。それは『彼が召喚される直前、何があったか。』である。するとステラは景気の良い表情から一転、両眼の瞳孔が右へ流れ、口角が上がりきったまま白歯を現す程の締まりを無くした唇を浮かべた薄ら笑みへと笑顔の種類を変化させた。
『Oh━━━━、それはですね―――――――――――――』
話しづらい内容なのか、会話の語尾が長引かせている。その時であった。
『失礼します。 ステラお嬢様。 』
突如、玉座のに座るステラの真横で光り輝く粒子が集結し、やがて黒いスーツを着用し、若干伸びた襟足やアホ毛をセットでまとめ上げだ小柄な男の子が出現した。
『Oh! ○○!! 』
『無事、勇者様は転生されましたか? 』
『ウンウンされたされた! では勇者荒波! 早速お外へご案内致しますネ!! 』
『あっ、ちょっまだ会話が!! 』
荒波が慌てて止めようとする言葉を聞かず、目にも止まらぬ早さで玉座から立ち上がった瞬間にステラは金銀混合の粒子となりこの場を去った。
『では勇者様もこちらへ━━━━━━━━ 』