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異世界の大冒険!(省)


 俺はこの機械文明が発達した世界に召喚されてしまった。


 召喚された時は身体中を調べられて、散々な目にあったけど……

 俺の中の賢者の石(劣化品)と俺の能力を見出し、俺自身を強化できる事がわかった。





「がーー!! 死ぬ、死ぬ!! ちょっとでかいのが入り込んでるって!!」


 この世界で初めて会った白衣の可愛い女の子が恍惚とした表情で俺を見守っていた。


「……大丈夫。理論上可能。……これでスーパーパワーアップできる!」


 俺は普通の人だったら死ぬほどの痛みに耐える身体と精神がある。

 こんな苦しみは聖女に与えられた苦痛よりも全然楽勝だ。


「あばばば……俺……は……復讐するんだ……あの……クズ英雄どもに……」


「……はいはい。とりあえずこの世界を救ってからよろしく」






 この機械世界……地球での俺の大冒険が始まった。


 俺は白衣の女の子……リスコと、旅の途中で出会った女剣士シズエと共の世界中を巡った。


 町長の罠にハマり、ゴブリンみたいな化け物の巣に閉じ込められた時の絶望感。

 大きな建物を超える怪物との死闘。

 強大な組織との抗争。

 学園対抗異能力戦。

 ミサイル阻止計画。


 ……召喚した組織の裏切り、そして……この世界のヒーローと呼ばれている者達との最終決戦。





 俺は旅の間でも片時も英雄達の事を忘れなかった。

 ついでにレティの事もだ。

 あいつも絶対ぶち殺してやる。



 リスコが俺の横に立つ。

 その立ち姿は相変わらず美しい。銀色のショートヘアが今日も艶々だ。

 小動物みたいな動きで愛らしくて守ってあげたくなる。

 お胸は残念だが、美しい肌はまるでプラチナミスリルのようだ。



 もう反対側にシズエが立つ。

 俺たちと同年代で剣の達人だ。

 この世界特有の力【異能】の使い手である。

 背が俺と同じくらい高くて、黒いポニーテールをフリフリさせている。

 その胸は凶器だ。つい視線がそこに向いてしまうほどの一品。

 そして流れるような美尻も目が離せない。



 二人が俺の腕を取る。

 胸を押し付ける。


 ……俺はもう女性に騙されないと固く誓った。


 でもこいつらは死闘を一緒にくぐり抜けた戦友だ!!!


 俺はこいつらにだったら殺されてもいい!! 

 あ、復讐終わってからね。



「ちょっとリスコ……ノワールに近すぎじゃない? わ、私は頑張ったから、じ、自分にご褒美してるだけなのよ! ノワール! 勘違いしないでね!!」



 リスコがほくそ笑む。


「けっ、乳デカ脳筋が……僕は最初期からノワールと一緒だからいいの……お風呂だって一緒に入った事あるんだもん!!」


「わ、私だっておっぱいガン見されてるぞ!! この貧乳が!!」



 俺のために争わないでくれ……!!



「……本当にいいんだな? もうこの世界に戻ってこれないかもしれないんだぞ? あっちの世界の英雄は化け物だ。今の俺でも勝てるかどうか……」


 リスコが俺の手を強く握りしめた。


「……ノワールがいるところが僕の居場所。ノワールの敵は僕の敵。だから愚問よ」


 シズエは胸を強く押し付けた。


「あ、あんた達だけじゃ心配なのよ!! べ、別にノワールのためじゃないんだからね!! わ、私が勝手に付いていきたいだけなの!!」



 俺は胸が熱くなった。

 こんなにも人の愛情を受けたことがない。いや、父さんと母さんにもらった愛情は覚えている……

 でも……今はいない。


 二人の仇は絶対取る!!




 俺は二人の頭を優しく撫でてあげた。


「ありがとな……俺はお前らが大好きだよ……」


「ふぇ!?」


「ひゃ!?」



 俺はゲートを生成した。

 大きな門が俺たちの前に広がる。


 そして俺たちの周りには軽く数万を超える異形の屍と、ふざけた衣装を着たヒーロー達が転がっていた。




「さあ、くそったれな世界をぶち壊しに行くぞ!!」




 ――復讐の始まりだ!!







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