表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境ギルドの解体部へようこそ【連載版】  作者: I/O
第一章 辺境の村の解体部へようこそ
16/36

15話 ハミルトン家

 

「錬金術師様ですか。私はこの村の村長をやっておりますアーノルドと言います。何もない村ですがゆっくりしていってください。今はフリーでいらっしゃるのですか?」


 村長が挨拶する。アーノルドって名前だったのか。

 いつも『村長』で問題なかったからなぁ。


「ご丁寧にどうも。今はフリーやなくてハミルトン家にお世話になっとります。」


 ハミルトン家?聞かない名前だな。

 村長の眉がピクっと動いたところを見ると知っているのか、村長。


「そうですか。立ち話もなんですからあちらで少しお話できませんか?」

 村長はスピネルに促す


「ええですよ。じゃあバラシまた後でなー」

 村長とスピネルは休憩テントの方へ向かっていった



 にわかに森の方が騒がしくなった。冒険者が出てきたかな?

「ミセリ、冒険者が出てきたみたいだから迎えに行ってくるわ」

「あ、あたしもいく!」


 荷馬車に乗り込み手綱を繰る

 冒険者が森の外まで獲物を引っ張ってきたら手が空いてる人が荷馬車で迎えに行って、獲物と冒険者を乗せて出張所まで戻る手筈だ。


 荷馬車は村の共用のものを借りてある。

 非常時の負傷者の搬送や非戦闘員の避難にも使う。


「ねえバラシ、ハミルトン家って知ってた?」

 馬車に揺られながらミセリが訪ねる

「いや、聞いたことないな。よっぽど小さい貴族か、変な所に住んでいる貴族か。」


 研究者というものは多かれ少なかれマッドだ。

 そんな研究者を受け入れるのだから変わり者の貴族である可能性は結構高いと思う。


「でも村長は聞いたことあるような雰囲気だったな」

「村長が知ってるなら大丈夫かしらね。あたし達には関係ないし」


 そうだな……と返事しながら馬車を進める。

 聞いたことない貴族、その貴族に繋がりがある冒険者とスピネル、場違いな獣人。

 怪しさだけで言ったら抜群に怪しい。

 問題は怪しい人リストに村長が入りそうな点だろうか。

 何か邪な目的があるようには感じないがモヤモヤする。


 モヤモヤしている内に森の入り口に到着。村の狩人達が待っていた。

「ミセリちゃんにバラシ、お迎えありがとさん!」


 足元には1.5mぐらいの小ぶりなアングリーボアとファンガスラビットが数匹横たわっている。


「狩猟祭第1号の獲物ですよ。おめでとうございます!早速乗せましょう」

 ミセリは上機嫌だ。俺も馬車を降り、全員でアングリーボアを荷台に乗せ、

 狩人たちも荷台に上がったのを確認して出張所に向けて馬車をUターンさせる。



「いやーさすが地元ですね。仕事が早い。」

 御者台から狩人たちに声をかける


「だろう?ちょっと小ぶりだが地元のメンツに賭けてよそ者に先を越されるわけにはいかないからな!」「数日前から仕込み入れてた甲斐があったってもんだ。」


 狩人たちは得意げに笑う

 なんでも数日前からアングリーボアが好むキノコや傷んだ野菜などを森の浅いところにばら撒いておいて、その周辺に移動してきていたアングリーボアを仕留めたという事らしい。さすが狩人。



 戻ったら解体部の出番だな。

 準備運動にちょうどいい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ