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辺境ギルドの解体部へようこそ【連載版】  作者: I/O
第一章 辺境の村の解体部へようこそ
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13話 狩猟祭(開会)

 ひと通り受付は済んだようだ。


 獣人の二人組以外にも猪狩りにはオーバースペックな武器を持ち込んでいる冒険者が一組ほどあった。

 黒い皮鎧に身を包んだ大柄なお兄さん(おっさん)3人組。主武器はロングソード、両手斧、クロスボウだ。一見どこにでもありそうな武器なのだが、重量が見た目の倍ぐらいある。勇者以外にもこんな代物を扱える人間がいたのは驚きだ。

 全員の名前は覚えていないが、リーダーの長剣使いの名前はガイアだった。


 それ以外は駆け出しに毛が生えた程度の冒険者達。

 本来はそれぐらいの冒険者が集まるようなイベントなのだ。



「バラシー、あたしも見せたほうがいい?」


 最後の冒険者はアルルだ。今は村長宅で世話になっているので狩猟祭にも自主的に参加するようだ。


「いや、いい。今回アルルにはこいつを預けようと思ってな。」


 1本の鉈を取り出し鞘から抜くと紅く艶めかしい刀身が現れる。

 ワイバーンの逆鱗マチェットだ。


「すごくきれいだね。それが自慢の逆鱗剣?」


「ま、まぁそうだ。アホみたいに切れるから取り扱いには気をつけてくれ。

 万が一強い魔物が現れてもこいつなら戦えるはずだ。」


 逆鱗剣ってなんだ。どこぞのヒーローの必殺技か?


「1本しかないから絶対になくすなよ? 絶対だぞ?」


「大丈夫だよー美少女勇者アルルにおまかせ!」

 美少女って自分で言っちゃうんだ。あ、ポーズもあるんだ。

 アルルはワイバーンの逆鱗マチェットをインベントリ(収納スキル)に入れる。


「どう? 今のかわいくなかった? リリーちゃんと練習したんだよ?」

 リリーちゃんは村長の娘さんだ。

 そしてお前は狩猟祭の手伝いもせずに何をしていたのか。


「いやまぁ、実際美少女だしかわいかったよ。」

 ちょっと痛々しいが。


「ほめられちゃった……」

 うなじに手を当て頬を染めて俯くアルル。褒めろと言ったのはお前なのになぜ照れる。

 そういうところもかわいいけどな。



――――――



「それではサハテイ村の狩猟祭を始めたいと思いますが、先だって注意事項だけ確認させてください。」


 村長の挨拶だ。


「まず配られた鳴り笛ですが、危なくなったらすぐに吹いてください。鳴り笛の音が聞こえたら手が空いてる人は応援に行ってあげてください。子供たちは鳴り笛が聞こえたらすぐに避難するように。」


 狩猟祭の参加者はギルド証を提示し受付を済ませた後に鳴り笛を渡される。

 この鳴り笛は危険が迫った時に吹き、周囲に危険を知らせるとともに助けを求めるためにある。長い笛で危険を、短い笛3回で危険が去った事を知らせるルールだ。

 子供たちは大人が多いこのタイミングで森に慣れるため、浅い場所で採取を行う予定になっている。


「メインターゲットはアングリーボアです。予算の都合上買取額はあまり出せませんが、その分食料を上乗せしてお渡しする予定なので期待してください。」


 周りから拍手が上がる。

 食料に期待して来てくれてる冒険者もそこそこいるようだ。


「また、軽食は格安で提供しますので、気軽に利用してください。」


 こちらは村人の協力で屋台を出している。

 アングリーボアの串焼きやモツ煮のスープがオススメだ。



「以上です。それでは狩猟祭の開会を宣言します。みなさん、ご安全に!」


「「ご安全に!」」


 一同が唱和して狩猟祭が始まった。



「ねーねーバラシ、『ご安全に』ってなあに?」

 冒険者達が賑やかに森に向かう中、気になったのかアルルが質問に来た。


『ご安全に』ってのは仕事中に怪我や事故が起きやすい職種、あるいは旅人の間での挨拶のようなもので、お互い無事に過ごしましょうねという気持ちが込められている。

 俺はこの言葉が好きで積極的に使っている。


「へーそういう意味だったのね。ひとつ賢くなったわ。」


「じゃあアルルもご安全にね」

「うん。バラシもご安全に!」


 お互い手を振って別れる。


「いやいやいやいや、相変わらず隅におけんお人やねぇ」


 背後からコロコロと鈴が転がるような女の声が投げかけられる

 振り返ると膝丈の白いローブに紫のマントを羽織った赤毛の少女が立っていた。


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