神話胎動の序曲
神、それは全知全能の存在
神、それは超越せし者
誰もが皆そのものに祈り、崇め、奉る
だが、考えてほしい
もしも、その神に自分がなれたら
その時果たして何を成し遂げられるか
それは皆の中にこそ答えはある
、、、「なんですか、これ?」
誰もいない映画館のような場所で1人の少女が静かにツッコむ
「まぁ、最初の講習みたいなものね」
どこからか声が聞こえると、背景は崩れていく
「えっ、誰ですか??」
「もう、ロキ様!このビデオは最後まで見せるように言われてたでしょ!?ほんとにもう…」
「うっさいわねぇ、そんな細かいことはいいのよ!」
「よくありませんよ、本当に、、、これでお叱りを受けるのは私なんですよ!?」
背景が崩れきると、ひどく悪趣味な部屋と共に魔女のような全身紫色の女性と、しがないサラリーマンのような執事服の男性が現れた
「うわっ!びっくりしたぁ!えっ、すみませんがどなたですか?」
「ほんっと、細かいわね!」
「細かいくらいのことを何度言っても聞かないのは誰なんですか??今回もどうせ呼ぶだけ呼んで、ほったらかしなんでしょ??」
「だーかーら!!今回で最後って何度も言ってるでしょ!!」
「何回目の最後なんですかね??」
「あぁ、もう!このビリビリ野郎は本当に腹立つわねぇ!」
困惑する少女を尻目ににヒートアップしていく2人
彼らにとっては日常茶飯事であるが、少女にしてみれば初めて見る男女がひたすらに言い合う姿を見ること自体が初めてであった
「すーみーまーせーん!!!」
叫ぶ少女の声と共に訪れる静寂
「えっ、、、あっ、あのー、ここどこですか?あとどなたですか?」
「「あっ忘れてた」」
不憫な少女の受難は始まったばかりのようである