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異界警察学校の下位小隊  作者: 梅花 零度
6/10

魔法とは

 僕と九頭竜先輩は教室を出る。


 九頭竜先輩は開始と言うと、同時に両陣営は素早く動く。先ず動いたのは、世界先輩。先輩は大きくバックステップと同時にデバイスの大きなセンスが出て来る。そのまま強風が教室を駆け巡る。それに乗って吊橋がデバイスのナイフを10本操り特攻をかける。


 それに対して鈴はデバイスのガンドでバリアを展開している。バリアと吊橋が激突すると、火花が飛び散る。鈴は直ぐに床に手を付けると、洋剣の形をした棒を生成する。そしてくーちゃん先輩に渡す。デバイスを展開したくーちゃん先輩に対し、吊橋君はバリアを一点集中で攻撃を繰り出す。そこへくーちゃん先輩が剣を掲げる。光が剣に集まる。



「翔太、避けなさい。」


 世界先輩は吊橋君に注意をする。言われたように攻撃を止め、世界先輩が突風で避けさせる。


「ちぇ。攻撃出来る奴倒せばいけると思ったのに。じゃあ、対象を変えるよ。」


「!!!」




 轟音と共に光の本流が迸る。しかし、くー先輩の広範囲攻撃を何とか世界先輩も突風を起こして逃げる。完全には避けきれなかったのか、デバイスの扇子が少し焦げる。しかし、直ぐに回復する。

 勿論MPを消費して。ダメージを受けても直ぐに治すことは出来る。大きい怪我の場合は自動で修復できるが、小さい怪我はMPを消費して治すか治さないかを選択出来る。しかし、デバイスは直ぐに修復した方がいい。何故なら魔法が使えなくなる可能性が高いから。







 ドンパチ教室の中でバトルを行われているが、今教室内は特殊な空間になっている。VR空間と生体リンクを利用した、バトルシステムで、実際のバトルと同じ事が出来る。そもそも携帯型のデバイスが生体電気が流れるのを読み取り、デバイスが各々の形へと昇華し魔法を使用する事が出来る。


 通常はデバイスの中の電気が脳の伝達信号を読み取り、魔力へ変換されるのが通常だ。

しかし、現在この教室の中は、その読み取った電力を魔法に変換する前に一度教室内にあるパソコンに電波を送る。その電波を元に魔法を展開し、実際のバトルと同じような事が出来る。


 メリットは、携帯の充電がある限り魔法を使い続けられる事。また、教室に供給されている電力はほぼ無限なので、訓練はしたい放題である。だから魔法の強弱は、その人の才能と、如何に生体電気をデバイスに送ることが出来るかが、鍵になる。人は体を動かすのにも神経に生体電気を使用している事から分かる通り、反射神経が優れている者ほど、素早く魔法を使用できるという事だ。



ようはいかに相手のMPかつHPを削るかという事に限る。




 今回の模擬戦で分かった事は、くー先輩と鈴が組めば攻防一体の戦術が使える。

世界先輩と吊橋が組めば、変幻自在の攻撃を使用することが出来る。



「よーし、そこまでだ。」

「「「「えー」」」


 ここで決着がつく前に九頭竜先輩が切り上げる。



「よし、では皆外に。今度は俺と棟院のバトルだ。」

「え?僕?」

「当たり前だろう。」




 そういって教室の四人を外に追い出して、俺を中に入れる。本当に強引な人だなあ。




「では合図はわたくしめ吊橋がさせていただきます。それでははじめ!」



 吊橋の合図で僕はとにかく右横に走る。九頭竜先輩は動かず、余裕そうに佇んでいる。



「ほら新人来いよ。」

「・・・・・・・・・」



先輩のデバイスはタロット。それも緑色だ。髪は黄色いが全身緑のその風貌はまさに狩人。



()()()()()()()()()()()()()()()



僕は先輩に近づいて銃を撃つ。それを危なげなく避ける先輩。先輩に接近しての近接格闘銃術。ガンカタと呼ばれる戦闘方法で先輩に攻撃を加える。が、全て捌かれてしまう。




「強い!」

「当たり前だ。俺のデバイスは近接が苦手だ。それを補えるように訓練はしている。」





その状況を見ている四人の反応は二つに分かれた。




「棟院君押してるね!くーちゃん!」

「・・・・・・鈴ちゃん。これはちょっと意外な展開だよ。」

「ふふふ、駄男が。お嬢様に近づく男がこの程度とは。」

「おっほっほ。棟院とは何者なのかしら?」



皆各々違う感想を持つ。鈴と吊橋は棟院が九頭竜に体恤で遊ばれたり、党員がなんとか追いすがろうとしているように見えた。


しかし。


九頭竜と親しい世界と空子は()()()()()()()()()()



そして10分が経った時、棟院が倒される。



「はあ、はあ、強い!」

「はあ、ふう。お前何者だよ。」




 四人が入ってくると、各々九頭竜を誉める。体恤のみで棟院を倒してしまうのは、とても強い証拠だ。体恤も立派な力なのだ。



「棟院君も惜しかったね。」

「九頭竜先輩に近接格闘術を挑んだのが失敗だったのかな?」


 鈴の慰めに対して僕は九頭竜先輩に対する感想を述べた。ここまで格闘術が強いとは思わなかった。




「「「・・・・・・・・・・。」」」




空先輩と世界先輩、九頭竜先輩がじっと見て来る。




「おっほっほ、棟院と言ったかしら。聞くけどどうやって無効化したのかしら?」

「九頭竜のトラップが一つも発動しなかったじゃない!」

「おい、空子、先輩を呼び捨てかよ。まあ、いい。クイックドローだな?」




 自身満々に答える九頭竜先輩に頷く。元々登山の用語なのだが、この場合は銃を素早く引き抜き、的を銃撃する技術をいう。良く西部劇で見るあれだ。




「え、つまり、素早く銃を引き抜き、素早く的を撃ったって事?でもそれがどう、トラップを回避したの?」





 疑問に思った空子先輩は首を傾げる。人差し指を口に添えるのは無意識なのだろうか。日焼けした先輩が可愛い動作ってちょっとギャップがある。




「いや、何かしらの方法でトラップの位置を正確に把握し、右手の銃で俺を攻撃。左の銃でトラップを無効化にしていた。」

「ほーほほほ、ちなみにその何かしらの方法というのは何かしら?」



 九頭竜先輩はさあな?といい、こちらを見る。まあ、教えないが。って黙っていると、皆がじーっとこちらを見て来る。皆に言っても信じて貰えない。父と母に教えて貰っているというのは。さて、適当に返しておくか。




「勘かな」

「へー。」



 九頭竜先輩は納得はしていないが、一応引き下がってくれたようだ。良かった。




「良し。じゃあ、今日のデータをこのパソコンにまとめ、今度の選抜戦に有効活用しよう。」

「選抜戦?」



 僕と鈴、翔太は分からないという顔をする。が、いきなり空子先輩が鈴の真後ろを取ってこしょぐる。




「あはははは!や、止めて!くーちゃんってば」

「この前教えたよね?ね?」

「そ、そうだっけ?いや、いあ、やーめーて!」



 こちょこちょと空子先輩が鈴を弄っていると、暴れる鈴は少し、制服が乱れる。スカートは健康的な白い太ももが露になり、腰には薄ピンクのシャツがチラチラ見え、ブラの肩紐がちらっと見える。



 パパパパーンと音が鳴る。



ボーっと見ていた男子全員を世界先輩が扇子で容赦なく叩く。そのことに気が付いた空子は鈴を解放した。




「あんた達・・・・。これだから男子は・・・。」

「し、仕方ないだろう?その・・・・すまん」

「く、お嬢様以外に気がひかれるとは・・・不覚」

「空子先輩。それはあかんです。ごめんなさい。」



 世界先輩の窘める言葉に九頭竜先輩、翔太、僕はそれぞれ反応する。そのことに気が付いた鈴は顔を真っ赤にして慌てて服装を直す。部屋の隅に体育座りしている。



・・・・これは復帰するのに時間が掛かりそうだ。

次回に持ち越しです。

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