試験を受けました2
「おい、お前ら自己紹介をしろ。」
自分を置いて九頭竜先輩は宣う。
「おーっほっほっほ!でわ、私から。私は世界 東狐よ。下民は膝ま着いていればいいわ。デバイスはこの扇子。風を自由に操りますのよ。おーほっほっほ。貴族に選ばれし能力よねーー。」
さっき僕を強風で飛ばした人だ。金髪で、髪が縦ロールになっている。よし、名前忘れた。せかいとうことか言っていたような気もするけど、どうせ忘れる。縦ロール先輩と呼ぼう。因みに12貴族の一家、世界家という事も覚えておこう。
「次、僕ね!佐藤 空子。普通に一般人だけれど、普通に接してくれるとうれしいな。デバイスは・・・鎧って事になってるよ。けど、・・・・・。」
「あら実際に見せた方が宜しいのでは?おーっほっほっほ!無様な魔法よねー。」
「あーはいはい。こんな感じですよー。」
「っ!!」
今度自己紹介したのはくーちゃん先輩だった。これからもくーちゃん先輩で行こう。そして縦ロール先輩のあしらい方が上手い。慣れているようだ?めっちゃ縦ロール先輩顔真っ赤にしているけれど。そしてくーちゃん先輩も顔を赤らめて見せたのが、鎧?型のプロテクター?だった。膝と肘に金属っぽい防護が付いただけ。え?鎧?
「次、吊橋。」
九頭竜先輩は適当に自分抜かして自己紹介をさっさと進める。
「吊橋翔太です。デバイスはナイフです。東狐お嬢様の執事をさせて頂いております。同じく12貴族ですが、私は末っ子故にこの様な光栄な仕事をさせて頂いております。お嬢様に手ぇだしたら殺すからくれぐれもお近づきになられない様に注意しやがれです。」
「な、中々性格が分かるような自己紹介だね。」
僕は吊橋君に言うと、嫌そうな顔をする。
「本当はお嬢様と同学年だったら良かったが、どうも日本の学校はいくら頭が良くても進級はさせてくれないらしい。」
「次。」
九頭竜先輩がイライラしながら進行していく。
「私は命輪鈴だよ。よろしくね。因みにデバイスはガンドレット。回復魔法と防御魔法が得意なの。宜しくね!あ、2回いちゃった。」
「あー!りんちゃんかわいいいいいいいい!」
「く、くーちゃん、変な所触っちゃ・・・・・ん・・・だめーー!」
急にくーちゃん先輩が鈴の体をまさぐり始めた。それを九頭竜先輩がくーちゃん先輩の首根っこを引っ掴んでひっぺ剥がす。
「次、棟院。」
「はい!緑先輩の言った通り棟院 響です。棟のアルカナの12貴族の1つですが、ご存じのとおり棟院は本家は殆ど淘汰されて、分家ばっかりになって。現在12貴族から外されそうな程弱いですが、頑張って復帰しようと思います。デバイスはマルチガンです。」
そういうと、2丁拳銃を見せる。白い拳銃だ。だけれど、全然回復とかと無縁なのだ。
「それじゃあ、俺の名前な。俺は九頭竜和人。デバイスはタロットカードだ。」
そう言ってタロットカードを右手に持って左手にぱらぱらと移動させる。ただし上から下では無く。真横にカードが動いている。
「んじゃあ、自己紹介も終わった事だ。んで、お前ら組んで戦闘が得意なんだろ?取り敢えずテストしようか。戦闘ルームオープン!」
九頭竜先輩がそう言って指をパチンと鳴らすと、急に教室の扉が全て閉じ、急に魔力が教室一体を包み込む。
「んじゃあ、説明するぞ。
模擬戦闘をお前らにはしてもらう。魔力が5割を切ると勝手にバリアを張ってくれるようにデバイスを組み込んである。因みに新入生に説明しておくと、この空間では攻撃を食らうと、魔力が削られるという仕組みだ。相手より素早く魔力を削る事が出来るかがカギだ。
そこで各々自分の持ち味をだして戦え。と言っても、先ず戦うのは東狐と翔太、空子と鈴だ。」
要はゲームでいう、HPとMPが合体しているという事。MPを消費して魔法を使用し、ダメージを食らうとMPを消費する。という具合だ。因みにこれ、0になると本当に死にます。それを防ぐために、教室での模擬戦は5割削れたら、MPを一定量削ってバリアを張る。これに2回以上攻撃を加えてはいけないというルールもあるけど、基本的には相手がバリアを自動的に張ってしまったら、勝ちという物。ピンク色のバリアを張るので、一目両全で倒したかどうか分かるという仕組みだ。
それぞれどう動くのか期待が掛かる。
前回と話を切れてしまったので、申し訳ありませんが、何回かに分けて投稿いたします。