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異界警察学校の下位小隊  作者: 梅花 零度
3/10

入隊

『ぼく』はふと目が覚める。

満月の綺麗な夜なのに、寝汗をかいていた。嫌な夢でもみていたのだろう。


急にトイレに行きたくなった。

ついでに勉強机の上に置いてある九九・・のカードを持ってトイレに向かう。


「くらい・・・。だいじょうぶ。ひびきだいじょうぶ!」


電気を点けなかった。隣の部屋のお父さんとお母さんが直ぐに起きてしまうから。電気を点けるとなぜか直ぐに気が付かれてしまう。起こしたくなかった。そーっと歩いてトイレまで来た。

扉を開けてそっと閉める。トイレの電気を点けてホット一息つけた。


「えっと7×1が7。7×2が14。次は・・・。」


トイレに入りながらぼくは7の段を読む。難しい。クラスの友達の半数は九九のテストを合格している。

僕も早く合格しなきゃ!


そう思ってカードを見ながらトイレに入っていた。いたんだけど・・・・。



気が付くと真っ暗だった。どうやらトイレの電球が切れちゃったみたい。そんな中寝ちゃっていたみたい。


「うう・・・。こわい・・・。」


おそるおそる外に出てみる。すると・・・。

ぬちゃっとするものを踏んだ。


「わ!」


思わず声が出そうになって口を押えた。お父さんとお母さんに気づかれないように。

ぼくが何か気が付かないうちに何かを零したのかもしれない。


けど、二歩目もその生温かい何かを踏んだ。少し目が慣れてきたのか、目が覚めてきたのか、うっすら確認できた。

それが僕の部屋まで続いている。


もうすごくこわかった。そーっと自分の部屋を開けると、お母さんが僕の布団で上にかぶさるように寝ていた。ふと横を見ると、お父さんが上を向いて寝ていた。


その液体は・・・・・・・・・・・・・。





月の明かりに照らされて、血である事が分かった。



*********************************



「命輪!」


「はい!」


体育館に先生の声が響く。

鈴はデバイスからガンドレッドを出す。


一般的に魔法は法律で大きく2つの分類に分けられる。


①一般魔法

②戦闘魔法


①だれでも使用可能な魔法。ライター位の炎や、じょうろ程度の水圧の水をだしたりは出来る程度。ただし水は大量のマナの関係から、水道が未だ主流。

②個人の心に反映した武器をデバイスから使用できる。それぞれ出現する武器によって能力が違い、二つの機能を持つ。


一つ目が武器としての能力。

例えば剣なら炎を纏って切ったり、切った場所を凍らせたり。

二つ目が心に反映した能力。

例えば空を飛んだり、足が速くなったり、武器を作成したり、回復魔法を使えたり・・・。


鈴のガンドは敵を殴る事が専門かもしれない。色は白。すると回復系の可能性もある。



そうこう考えていると、鈴には10小隊くらいから誘い(小隊長が手を挙げるだけだけど)があった。


「私はあそこ!」


そして迷わず緑先輩に向かう。・・・クーさん先輩がいるからか・・・。


そして女子が呼ばれ終え、自分の番が来た。


「棟院!」


「はい!」


僕の武器は双銃。中学の頃に自分の心を反映したら・・・という授業で出てきた覚えがある。


僕は先生と計測機の前に立ち、デバイスから双銃を抜き放つ。


そして、計測機がピコピコ反応して、先生がうなる。

え?何?


すると、少し考えた風にして評価を出す。


『Eランク』と。


「え?」


E?えっとどうやら先生が適当に評価を付けていると思うけれど。

間違っているよね?明らかに。


「先生。Eって・・・。」


「ふむ。射程無限・・・。こりゃEだな。」


「な、なんでですか?強そうですけれど。」


「その銃の普通の射程距離をしっているか?知らないなら調べてくるといい。とにかく棟院。お前はEランクだ。」


ふと小隊を見ると。だれも手を挙げない。いや、緑先輩だけだ。

しぶしぶ緑先輩の所に歩く。


「九頭竜先輩。宜しくお願いします。」


「渋々感たっぷりだな、おい。」


「まさか・・・。」


望んでつぶれかけ小隊に入りたくないよね。

まあ、鈴もいるし、我慢するかな!ちなみにどこにも入れないと退学の恐れもある為、最悪な状況は回避できた。


「命輪さん。宜しくです!」


「棟院君宜しくね!」


両手で握手しながら顔を少し傾げる。

かわいい。


でも、僕にはこの学校でやることがある。顔には出さないけれど。

この小隊を最強若しくは、捨てるかを早く決断しなければならなさそうだ。




************************


こうして授業(小隊振り分け)が終わる。


詳しくは小隊長から説明を受けろと先生は言って、授業は解散となった。

どこにも配属出来ない人が3人いた。彼らはD判定だった。何故僕を拾ってくれたんだろう?


「九頭竜先輩・・・。」


「なんだ。」


僕達はミーティングルームに向かいながら歩いている。


「今朝はありがとうございました。それで・・・。」


「なんでD判定組蹴ってお前呼んだか・・・。か?」


バレバレだった。まるでこちらの意図を完全に読まれているようだ。


「なんてことはない。使えそうだった。ただ、そう思っただけだ。」


本当にそうだろうか?まあいいや、とにかくミーティングだ。これから一緒に活動していく仲間を知らなきゃ!

ちなみに採用されたのは、僕、鈴、それとBクラスの男の子。

名前はなんと言ったかな?


すると、鈴がその男の子に声をかける。


「えっと吊橋 翔太くんだっけ?」


「はい。」


かなりあっさりした返事だ。普通の反応だと、もっとこう・・・。

きょどったり、興味もったりするんだけれどなー。


吊橋翔太。背は普通くらい。自分よりは背は高め。

青髪が綺麗だ。なるほど、九頭竜先輩は名家の者を集めているのかもしれない。

吊橋家はとある十二貴族の一家だ。


十二貴族。

命輪家と同じアルカナに因んだ家名が与えられている。

元々は高橋家のある人達が吊橋になったらしい。

元々は三輪家のある人達が命輪になったらしい。


異世界と繋がりを得て、この世界は魔法が大きく発展した。

つまり、魔法の名家があるわけだ。それも、素質は遺伝するから尚の事。


そしてたまたま12の一族が魔法に秀で、名前を変更したというのが220年前。

そのまま苗字が世間に浸透した。


「命輪・・・・。そういえば君の名前もアルカナの・・・。」


「一応そうです・・・。末っ子で、才能も無いみたいで・・・・。」


吊橋の質問に鈴が答える。

やっぱり命輪の名前もアルカナの名だったんだ。

ちなみに十二貴族という呼び方は傲慢な呼び方として広まっている。

敢えて誰かを煽る為に使うか、無駄に高い誇りを持っているか、馬鹿かのどれかだ。


「君の名前は?」


「棟院 響です。」


「とう・・・・いん?」


棟院・・・。アルカナの名前の一つ。

9年前、一族が滅び、代わりに別の一族が棟院の名前を受け継いだ。

つまり棟院とは、ある意味呪われた名前である。

しかし、一族全員殺されたため、一瞬ひるむ事はあっても、普通はあまり変な反応をしなくなった。

だが、未だに棟院の名前は忌み名という事を連想してしまう人もいる。


だって、悪名高い名家だからだ。


『棟院の者は精神的に壊れている。代わりに心を突き詰める魔法とは相性が良く、爆発的な力を持っている。つまり手に負えない。』

という理由で淘汰された一族。国家転覆を狙って画策、暗殺を繰り返した当時の本家の者たち。


それを棟院一族全ての仕業にされ、一族皆消されたという事件があった。当時の本家の者たちは、一族全てが絡めば、そうそうに排除されないと思ったらしく、罪を分担していた。分家にしたらいい迷惑である。精神的に異常を抱える者ばかり故にこの様な残念な事件が起きたらしい。


「棟院君の名前がどうかしたの?」


「命輪さん・・・、いや、知らなければいいんです。終わった事ですし・・・。生き残りがいる訳ないですしね。」


「いるよ。生き残り。」


鈴の疑問に吊橋が答える。その後の吊橋の独り言に反論を噛ます。自分は知っている。純棟院の生き残りを。


「今なんて?」


「だから生き残りはいるよ。どうやら破門されて居て、一族の名前に入っていなかった者がいるらしい。」


「それは本当かい?」


疑いの眼を向けてくる。というよりは疑い半分、恐怖半分。


「けど、他の名前になってるし、魔法もそんなにうまく使えないし、そもそも棟院一族が滅んだ事をひそかに笑ってるような人だよ?大丈夫。未来の国家とかより、未来のエロゲーにしか興味無い人だから。」


「そ、そうなのですか?うーん・・・・・・・・・。」


そんな話をしていると、九頭竜先輩が急に止まる。

その背中に僕はぶつかる。


「あ、すみませ・・・。」


「ここが301小隊の小隊室だ。」


「おーー。」


ぶつかったのにスルーする先輩の説明に、鈴は立派な鉄扉と302小隊という綺麗な立札を見て感嘆の声を上げる。ん?302?


「命輪・・・。そっちじゃない。」


「え?」


その隣に段ボールの、いかにも手作り感満載の扉?があった。


「ま、まさか!」


「その通り。この段ボールと、ミカン箱の机、段ボールの扉、冷暖房一切無しの地獄の監獄だ。意外と住めば都だぞ?」


「「「・・・・・・・・・・・。」」」


とにかくとんでもない所に来てしまった事は事実のようだった。


***********************************



そして扉から入ると・・・。

急に風で吹き飛ばされる。風で飛ばされ、背中から壁に激突する。


「オーーッホッホホ!」


急に変な声が聞こえた。そして意識は暗転した・・・。


新キャラが登場していきます。

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