システム
高校のシステムについて
私立竜門高校。
数年前に魔法を使用した犯罪が急増した為、それに対抗するよう作られた、対魔法師警察官の育成学校だ。高校、大学と一貫校となっており、高校に入った人は皆、大学を目指す事となる。
大学卒業後は対魔法師警察官として配属になり、就職を約束されている。
また、この竜門高校は特に倍率が高い。有能な人材は、よりエリート街道を進める。
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「先ずは手元のデバイスを見て欲しい。」
先生は言いながら、手元の端末を指差し生徒に語る。真っ黒い端末。この学校に入るときに自前の携帯を没収された。代わりに生徒全員にスマートフォンの様な物を渡される。
『デバイス』とは、異世界に繋がった事により、携帯電話の様なディスプレイから、個人個人に合った魔法を使う為の武器を取り出せる。だが、ただのディスプレイでは使えない。何故か通信出来ないと使用出来ないのだ。つまりこの配布されたデバイスは携帯電話としても使える.....はずだ。
「このデバイスは各々が魔法を使用するのに必要だ。」
「先生!」
するとここでクラスの女子が手を挙げた。
「何だ!田中。」
「はい!何で私達の携帯を預かりにしたのですか?ラ○ンとかやりたいんですが。」
「校内では自分たちの携帯は使用禁止だ。また、このデバイスは校外では使用禁止だ。理由は校内でのみ、魔法の使用が認められているからだ。」
なるほど、校内での使用は良し。校外は銃刀法に続き、軍用魔法禁止例が敷かれている。つまり、日常的な魔法はOK!殺傷力が有る魔法はOUT。
先生は説明を続ける。
「軍用魔法は校内でのみ使用可能だが、授業以外で病院に送った時点で退学だ。その説明を行う。デバイスを開き、ホームにポイントが1000と書いて有るだろ?」
それはそうでしょう!法律は学内でだって破れない。ただ特例として訓練の場合は色々許される。
そしてどうやらポイント制の様だ。800と書かれた数字を見る。え?
「800....?」
「ん?ああ、命輪と棟院は遅刻したからマイナス200ポイントされているはずだ。どんな理由であろうと、ポイントは絶対だ。」
クラス皆ざわつく。それはそうだろう?遅刻したらマイナス200って凄い大きい。喧嘩したら退学とはこの減点が大きいからに違い無い。
「ポイントを稼ぐ方法はいくつか有る。一つめは定期テスト。二つ目は小隊活動。他にも有るが、それは各々で見つけろ。減点についても同じだ。後はルールブックを読め。以上。」
ここまで担任の先生が説明を終える。そのまま教室を出てしまう。それだけ?皆呆気に取られる。だって、え?説明それだけ?これからどうすれば?
すると、別の先生が入ってきた。
「はい!授業をはじめまーす!」
こうして午前中は授業が始まってしまった。
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二つ授業が終わると、三つ目の授業として黒板には『実技』と書かれた項目が書かれていた。
また担任の先生が教室に入り、教壇に立つ。
「先ずお前たちには、それぞれ隊に入って貰う。この学校の授業は、午前中が勉学。午後が全て実技に当てられる。」
午前中は普通の高校と同じく勉強。午後からは魔法の実技か。
「デバイス持って第1体育館に集合。」
そう言ってさっさと出ていく。
皆え?どこ?っと騒ぎ出す。数名が急いで先生に聞きに行くと、直ぐ引き返して来た。
「せ、先生見失った!忍者?」
皆であーだこうだ話しつつ、校内マップを探す。それに皆で群がり、他のクラスメイトはきっと先頭に着いて行くことだろう。
さて、僕も動くかな....。
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「皇輝さん今年はどのような一年が入りますかね?」
「ふん。俺の邪魔さえしなければいい。」
皇輝と呼ばれた3年生は憮然と立ち尽くす。
「そこの落ちこぼれ小隊には入るかどうか分からんが、内はトップクラス。入りたがる一年は多いでしょう?」
下っぱの様な3年生が機嫌を伺いつつ、壁際で腕を組んでいる緑髪の同じく3年生に向けて謗る。
「ふん!」
「九頭竜。お前も皇輝さんの所に来い!でないと.....。」
「くどい。俺は俺で最強を目指す。」
下っ端が勧誘するが、九頭竜は断る。
「りゅう。お前が居れば俺も安泰だ。」
どうやら九頭竜と皇輝と呼ばれた先輩は古い付き合いの様だ。
「知ってるだろう?」
「...........。」
ここは第8体育館。
そこに36の小隊の小隊長が集められていた。無論1年の勧誘である。
1年から3年生迄で編成した小隊で演習を行うという事なのだろう。
すると開いていた(・・・・・)扉から1年生達が入って来る。
「来たか!18分だ!A組はまずまずだろう。」
続いて僕達のクラスも着いた。
「うむ、Cは少し遅い到着だな。後ろにBクラス。うちのクラスは最下位か。」
「あ!先生!酷いじゃないですか!私達まだ全然学校の中知らないんですし!」
「良いから黙って整列しろ。出席番号な。」
先生はどうやら、なにかを試してみたらしい。
クラスメイトは不平不満を言いながら並ぶ。
「並んだな?ではこれから諸君にやってもらう事は計測だ。」
「計測?」という声があちこちから上がる。
「先ずは先頭からデバイスから魔武器を出してみろ。」
先頭の生徒が前に出る。
デバイスが光り、ディスプレイに波紋が広がる。その中に手を入れて武器を取り出す。その生徒の武器はナイフだった。
すると後ろの機械がぴっ!と音がした。
気がつくと機械はBと判定。
するとそれを確認した後、先生は上級生に尋ねる。
「この者を引き抜きたい者は?」
数名から手が上がる。九頭竜は手を挙げていない。
「では、気に入った所にいってくれ。」
その生徒はそのまま歩いて、決めた小隊に入る。
そう!何の説明も無かったけれど、いきなり小隊選びをさせられているようだ。
僕はどこになるだろう?
すると隣から
「棟院君!楽しみだねー!」
鈴が声を掛けてきた。やっぱり可愛い。
そう言えば鈴はどこに行きたいとかあるのかな?
「うん。いきなり過ぎて怖いも有るけれど。命輪さんはどこに行くか決めてる?」
「うん!くーちゃんと同じところー!」
なるほど、僕もそこにしたいな!折角話せる人が居るんだ。同じ所に..............。
「あれ?くーちゃん先輩と同じってことは、九頭竜先輩とこ?でもあそこは.....。」
九頭竜先輩の直ぐ近くに『E301小隊の看板』が立ててあり、そこには36位と書かれていた。それも小隊ポイント80。
隣の皇輝とか言う先輩は1位。9700ポイントと有るが。差。凄いな!九頭竜先輩崖っぷちじゃん!
ルールブックには毎月小隊のポイントを手に入れられる。ただ、小隊の維持費が莫大な為、ポイント低いと、個人ポイントがひたすら消えて行く。つまり、人数が多くて且つポイントが多い所が有利だ。
E301は辞めておいた方が良い!そう言おうとして.....。
「命輪!」
「はい!」
先生に呼ばれてしまった。
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竜門高校のポイント制
初期ポイント1000ポイント
加減制度導入。
ポイント減
法的刑罰 1000×懲役年数 又は罰金額÷10ポイント減
校則違反 違反により規定
(遅刻 -300ポイント。但し理由により上下する)
ポイント増
定期テスト
部隊ポイントによる加算
上記外は担任教師に一任。但し、担任の持ち点数に上限あり。
ポイントによりデバイス強化等のアイテムと交換可能。