2日目
そして次の日からマギア・シヴァ・ヘセルとヘイル・アゾットは、テネブレとディアに何かと勝負を仕掛けてきては負けたり勝ったりといいライバル関係を築いた。
その日の午後 総合学習と言う クラス活動が入っていた。
「初めての総合学習は、委員会または生徒会立候補者を決めます。」
委員会・生徒会立候補ってなに?どんなことをするのかな?私の国で言う仕事のかとかな?
と考えていると一人の男子生徒が
「先生!委員会や生徒会立候補 ってどんなことをするんですか?」
と私が疑問に思っていたことを聞いた
「そうですね。委員会は、3種類あってその役割ごとに仕事内容も違います。
1つめの委員会は クラス委員
で主にクラスでの決め事や先生の手伝いをしてもらいます。
2つめは 取り締まり委員
学年は関係なく学校の規則言わばルールを守っていない人を注意する役です。
3つめは 環境委員です。
環境委員は、校内の動植物の世話や変えた方がいい物のリストを作りそれを提出する委員です。
生徒会とは、この学校を取り締まったり生徒の代表として先生方に意見を出し改善を求める事ができます。
その候補者を集めています。もちろん生徒会の中では、様々な役割があります。学年を問わず協力しあって運営しているのが生徒会です。」
どうしようかな、何か委員会に入った方がこの国の情報が集まりやすいかな?
と思いながらディアに目線で伝えようとしたら私の横に座っていたヘセル国第二王子〈マギア〉が
「お前と俺は生徒会入り決定だからな。」
とニヤニヤ顔をしながら言ってきた
「何故ですか?」
「賢い者がトップに立つのが規則だからな。」
私はマスコミますます意味が分からなくなった。目線で私の右に座っているディアに聞くと彼も首をかしげた。
それを見ていたマギア王子は呆れたように
「お前、自分の成績順位を把握しているよな?」
と聞いてきたので入学後に受けたテスト順位を思い出しながら
「えぇ、確かクラスで2位だったと思いますがそれが何か?」
と聞くとマギア王子はため息をついてから
「これだから異国民は、あれはこの1学年全体での順位だ。その下に全学年での順位が書いてあっただろう?」
「確かに書いてありました。」
「それが、トップ7に入っている者が生徒会になる役目だ。俺はもちろんクラスは1位だったが。」
「全学年での順位どうだったのですか?」
「4位だった。まぁ、先輩方の方が上でなくては張り合いがないけどな。」
と威張りながら
「そう言えば、お前はどうだったんだ?どうせギリギリ7位だったんじゃないか?」
「3位でした。」
「そうだろう!異国から来た割には…………!?今なんて言った!?」
「耳が悪いんですか?全学年での順位は3位だったんです。」
「はぁ!?何故俺より学年点が低いくせに全学年での順位が、俺より高いんだよ!」
と教室中に響くぐらい大声でマギア王子は叫んでいた。
「マギア君。いきなりどうしましたか?」
「いいえ。何でもありません。」
と言って彼は椅子に座り直した
先生が
「あぁ、言い忘れていました。」
といきなり言い出した
「このクラスに生徒会役員に決定している人が2人います。一人目は、1学年でトップ成績で全学年では第4位のマギア・シヴァ・ヘセル 君。
二人目は 1学年の第2位で全学年では3位と言う得点で デネブレ・アンプルール さん。 本当は、後二人いたのですが………同じ理由で断られました。そう言うことでこの二人以外の人が委員会をやってくださいね。」
チャイムが丁度鳴鳴った
「それでは、明日の総合学習は委員会・生徒会決めをします。考えておいてくださいね。それと明日以降は、自分達が決めた時間割りで授業が始まります。くれぐれも間違えや忘れ物がないようにしてくださいね。」
「それでは、また明日。気を付けて帰ってくださいね。」
ディアが私のところに来て
「テネブレ。」
「えぇ、ディア。わかっているわ。」
「その時間は観光でもしてる。」
「分かった。終わったら連絡を入れるね。」
と会話をしていたら横から
「おい。お前!」
「お前とはどなたの事ですか?」
「お前しかいないだろう!」
「私の名前はお前ではありませんけど?」
「……テネブレこれで良いだろう?」
「アンプルールと呼んでくださってもかまいませんが?何故名で呼ぶのですか?」
マギア王子の後にいたアゾットさんが
「この国では、友や家族・信頼のおける人には名で呼ぶのですよ。」
と教えてくれた
「申し遅れました。私マギア王子の護衛をしております。 ヘイル・アゾットと申します。以後お見知りおきをテネブレ・アンプルールさん」
アゾットさんは丁寧に騎士としての礼をした。
「丁寧なご説明とご紹介ありがとうございます。改めまして、私は テネブレ・アンプルールと申します。横にいますのは、私の幼なじみの ディアーブル・インペラートルです。」
「ディアーブル・インペラートルです。」
私とディアは、王族と騎士としてではなく一般の礼をした。
他の生徒達が私たちを囲むように集まってきたので
「それでは、失礼します。」
と言って逃げようとしたら
「待て、テネブレ!」
と言って私の手を掴まれた。
ディアの方を向くとアゾットさんと一気即発の状態になっていた。
マギア王子の方を見てから
「ディア、剣を納めなさい。」
「だが!」
ディアを目で促してから
「ヘイル・アゾットさんも剣をお納めください。」
二人が剣を納めたのを確認し
「マギア・シヴァ・ヘセル王子樣私の幼なじみが大変なご無礼を致しましたお許しください。そして私をお引き留めになられたと言うことは何かご用件でしょうか?」
「少し確認したいことがある。そなたの家に行っても良いだろうか?」
確認したいことね………。
ディアに目線を送ると許否と送ってきた
そうだよね。何故か嫌な予感がするんだけどね。
「申し訳ございません。お招きすることは出来ません。」
「では、俺の家に来い。」
「用事がありますので、ご招待をお受けしても行くことも出来ません」
マギア王子が私に近づいて来た。ディアは即座に私と王子の間に体を入れ距離を取った。
「ディアーブル・インペラートル そこをどけ。俺はテネブレに用事がある。」
「それは出来ません。」
「何故だ!第二王子である俺が言っているんだ。そこをどけ!」
「あなた様の指図は受けません。」
「ヘイル!」
「はぁ~分かりました。」
と言ってディアに襲いかかってきた。
ディアは、剣を受け流し私を守りながら逃げ道を作っていった。いや、作ろうとしていたが後に強度の壁が出来ていた。
「ディア。回りの人を巻き込まないように気を付けてね。」
「分かってる。」
私はディアの腕から抜け出し壁の上に飛び上がり座った。そして護衛用に巨大な白蛇を呼び出した。
「おいで。白蛇」
『どうしましたか?我主』
「ちょっとした厄介事が起きてね。暫く私を守ってくれる?」
『分かりました。愛しの我主』
「ありがとう。オピス」
周囲の生徒は急いで教室から逃げ出した。私を見つけたマギア王子は、飛行魔法で私の元へ来ようとするがオピスによって弾かれた。
「ディア、そろそろ帰るよ?」
「分かった。それじゃ帰るか。」
「マギア・シヴァ・ヘセル王子 ヘイル・アゾットさん。また明日お会いしましょう。では、失礼します。」
と言って姿を眩ませた。