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忍姫と王子達  作者: 美夜
3/8

テスト

「異国から来たくせに生意気だ!」

「魔法が使えない癖に、何故ここに来たんだ!」

「自国へ帰れ‼この悪魔め!」

「ディーオの者が来んじゃねぇ!」

と罵倒されさらに物を投げられたり、殴ってくる人もいた。何故こんな状況かと言えば、今から30分前に遡る


私は、幼馴染のディアと一緒に〈ソルセルリー〉学校に入学した。ソルセルリ学校はセヘル国の中央都市に設立された学校で、魔法に特化しそれと併合して一般教育も行っている。そのため他国からの留学生は珍しく入学式でも二人は良い意味でも悪い意味でも目立っていた。

そもそもこの国《セヘル国》に来た理由は、お父様からの命令しれんで来ていた。お父様からの命令は一族にとっては絶対。その命令とは………………。


一、セヘル国を観察すること


二、技術を盗むこと


三、ソルセルリー学校で上位にいること


四、もし可能であれば王族や高貴族に取り入ること


五、情に流されるのは御法度


この5つが命令された事だ。


入学式が終り各教室に戻ったときから敵視する視線を私とディアは感じていたけど、無闇やたらと攻撃してこない限り手を出さないと決めていたのでスルーしていた。それが癪に障ったのか、入学後実力テスト筆記編の採点をしに先生方が教室を出て行った後一人の男子生徒が私たちの前に来てこう言った。


「お前ら見かけない顔だな。それに目の色も髪の色も違う。お前らどこから来た?」

と喧嘩をふっかけ気味で聞いてきた。それを対応したのがディアだった。

「シュヴェールト王国。それで?僕たちの事は教えたけど……君の名を証さないで人に話すなんて礼儀がなってないね。それとも……」

私はディアの言葉を遮った

「ディア!これ以上はダメ。」

「分かったよ。」

シュンとしたディアの頭を撫でてると目の前の男子が顔を真っ赤にして怒鳴りだした


「お前!俺を誰だと思っている!?」

ディアが冷静に突っ込みを入れた

「君が誰って?そんなの分かるわけないよ。だって僕らこの国に来たばかりだし、それに君も僕も名のってないから知るわけがないよ。」

このディアの言葉が火に油を注いだ。

「無礼者!!俺は、このセヘル国の第二王子 〈マギア・シヴァ・ヘセル〉だ!お前ら頭が高いぞ!俺にひれ伏せ。」


ディアがこの言葉にため息を吐き私の方を見たので首を横に振った。そうするとディアは、嫌そうな顔をしながら

「そうですか。それで?何故平伏さなければならないのですか?それに王族だからと言って権力で言いなりにさせるのはどうかと思いますよ。」

と真っ当な意見を言うと、更に怒りだした。そして始めに戻る


私達は投げて来るものを軽々避けながら彼らには聞こえないようにどうするか話していた。

「どうする?俺不味い事言ったか?」

と外での仮面をはずし問いかけてきた。

「十分不味いことを言ったよ。」

「はぁ?どの言葉だ?」

「はぁ~本当に気づいてないわけ?」

「どう言うことだ?」

「本当に分かってなかったんだね……。ディアが始めに言った言葉『君の名を証さないで人に話すなんて礼儀がなってないね。』とその後の『何故平伏さなければならないのですか?それに王族だからと言って権力で言いなりに……。』が彼にとって癪に障ったんだよ。それが不味かったかな?例え正論だとしてもね。もう少し言い方ってものがあるんだよ!」

「間違ってねぇだろう?」

「彼はきっと、今までもこれからもそうやって生きていくんだからあまり噛みつかない方がいいわ。後が厄介だしね。」

「……お前も言えばこんなに厄介なことにはならないだろう?」

「よけいになるってば!それに私が言ったら国を巻き込むことになってしまう!」

「じゃあどうすれば良いんだ?」


私は飛んでくる黒板消しやチョークを綺麗に避けながら対策を考えていたら、担任の教師が入ってきた。


「皆さん!席に今すぐ着きなさい!!」

と40そこそこの女性の先生が言うとセヘル国の第二王子 《マギア・シヴァ・ヘセル》がさっきとは売って代わり大人しく席に着いた。


「異国の地からやって来たからって皆で虐めるのですか?」

この問いに一人の男子生徒が

「先生、私達は異国から来たから虐めていたわけではありません。 彼らが第二王子にたてついたので、『話し合い』をしてたら口論になりあのような言葉を言ってしまった方もおられただけです。けして虐めているわではありません。」


その男子生徒は、わざわざ『話し合い』だけを強調していった。そして私達の方を向き

「そうですよね?」

と言ってきた。訂正はんぱつしようと男子生徒と同じ様に立とうとしたディアを止め私がそっと椅子から立ち上がり、いつものように笑みを浮かべそしてほんの少しだけ殺気を纏わせながら


「そうですわ。異国から来たからと言ってその人を『差別』しわざわざ『国の印象』を悪くする人なんかおられませんもの。本当にほんの少しの『すれ違』いにより『口論』になっただけです。」


と言うと殺気に気づいた人はワナワナ震えだした。そしてわざと『差別』・『国の印象』・『すれ違い』・『口論』を強調すると殺気に気づいていない人も顔を青くしていた。


私の横でディアも少しだけ顔を青くしていた。


そんなに殺気が強かったかしら?ディアが顔を青くするほど殺気を出した覚えが無いんだけど?


と思いながらも

「ですから、虐めではなくただの口論です。」

と言って席に腰を下ろした。


「……そうですか。ヘイル・アゾットくん と テネブレ・アンプルールさんがそう言うなら。それでは、今回は口論で心にも思っていなかったことを口走ってしまった と言うことにしておきます。

さて、先程テストの答え合わせが終りました。この学年で満点取った方が2人います。そして惜しくも1点足りなかった方が2人。2点足りなかった方が5人います。

満点を取った第一位の方と第二位の方がこのクラスにいます。」


先生が答案を風邪魔法で机に置いていった。そして返し終わると

「第2位は………ディアーブル・インペラートルくん。同率で ……………ヘイル・アゾットくん。

そして満点を取った二人は………テネブレ・アンプルールさんとマギア・シヴァ・ヘセルくん。

おめでとう!これからもその調子で、勉学に励んでくださいね。


さて、次は実技テストを行います。皆さん私の後について移動してください。」


と言って廊下に出て実技訓練室に向かった。



「さぁ、ここが実技訓練室で どんな魔法を使っても物体への被害はありませんので安心して全力を出してください。自信がある方からどうぞ」


一番始めにこの国の第二王子が行くかと思えば、傍観者として後ろに移動していた。


「ディア、どうしよう!?」

「そう言えば、テネブレは魔力が暴れるんだったな」

「どうしたら良いの!?」

「まぁ、大技さえ使わなければ大丈夫だろう。」

「……それは、無理かも。」

「はぁ?何でた?」

「後ろから、全力を出せって言うオーラがチラチラ見えるんだもん。」

「………ああ~本当だな。それなら召喚したらどうだ?」

「確かにあれなら、魔力を莫大に使うけど暴れることがないかな?」

「そうだ。」

「ありがとう、ディア。」


気づけばまだ受けていないのがマギア第二王子とその取り巻き?のヘイル・アゾット そしてディアと私だけだった。


先にディアが闇魔法で、影縫い など 普段隠密行動をするときに使っている技の極一部を披露した。


ディアに続きヘイル・アゾットが氷りの彫刻や流氷 を発動させた。


次は第二王子が 光魔法と水魔法で、虹を作ったり 光の球を作った。最後に光のシャイン・スシャールを複数囲むように作り出し光の球が弾けた瞬間その中央に〈ルーメン・ショウレイ〉《光の獣》を召喚し、その上に乗って私の横にやって来た。


「お前なら 簡単だろう?そんだけ魔力があればな。」

「ご期待に 添えれるように 頑張りますね。」


と言ってたから中央に行き

「おいで、レイ と ヘイアン」

と呼ぶと私の右後ろに光の召喚陣。

左後ろに闇の召喚陣が現れ一斉にひかりだすと 黄金色の巨大な鳥の獣 と 真っ黒なトラのような獣が現れた。

「行きなりこんなところに呼び出してごめんねレイ・ヘイアン。」

『別に気にしなくていいわよ。』

『ここは、学校とか言うところか?』

「ありがとう、レイ。

そうだよ。ヘイアン。

ちょっとだけ手伝ってくれる?」

『いいわよ。』『もちろんだ。』

「ありがとう。今回は、ヘイアンの背中に乗るからレイは横で飛んでね。」


2体が頷いたので

「来なさい。ルーメン・セイフ」

隠密行動では、滅多に使わない光剣が右手に現れた。それを掴み、舞うように剣を振り回した。



もちろん。実技テストでも

1位が テネブレ・アンプルール

マギア・シヴァ・ヘセル


2位が ディアーブル・インペラートル

ヘイル・アゾット


と言う結果だった。

この4人以外初級の魔法しか使えなかったからこう言う感じになった。


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