発覚
「おい!テネブレ。テネブレ・アンプルール!人の話を聞けよ。」
「さっきから煩い。用事があるなら先に連絡を頂戴と言ってるでしょう!ディアーブル・インペラートル。」
「お前、戻ってきてから呆けてることが多いぞ?向こうで何か有ったのか?」
「何もないわ。ただ本当にこれで良かったのか、間違ってなかったのか って思ってしまうだけよ。って!そんなに泣きそうな顔をしないでよ。ね?私は大丈夫だから。」
「あの時 俺があの使命を無理矢理にもお前から奪っていれば、テネがこんなに思い悩むことを傷つかずに済んだのに俺は!」
「ディア!それ以上過去に後悔するなら、私のパートナーを変えるからね。」
「…………」
ディアは唇を噛み悔しそうにしていた
「ディア、返事は?」
「……はい。」
私は彼の頭を撫でながら
「うん。それで?何の用事で私のところへ来たのかな?」
「頭領(お前の親父)からの伝言だ。『そろそろ過去を思い出すのはいい加減にせよ。お前がわしにやったことは、必要だった事だ。今更気に病んでおるなら、《イブリース帝国》へ再び出向け。答えが出ぬのなら、1週間後あの帝国に有る学園にて世界を学んでこい。卒業するまでここに戻ってくることは許さん。護衛は、お前の許嫁であるディアーブル・インペラートルを連れていけ。これは頭領命令だ!』だってよ。お前はどうしたいんだ?俺はお前の主張を優先するから好きにしろ。」
「……3日。3日だけ待ってほしい。その間私に考える時間をちょうだい。」
「分かった。だがどうしても嫌なら今度こそお前を守ってやるからな!俺に相談しろよ?」
「……うん。ありがとうディア。」
「そうじゃぁ~俺は修行してくる。お前はどうする?来るか?」
「………ううん。今日は止めておくね。」
「…そっか。今度手合わせをしような!ゼッテイ次は負けねぇからな!」
「ふふふ。私も負けないからね!本当にありがとうディア。」
「何がだ?」
「何でもない。」
「まあいいや。じゃぁな!」
「頑張ってねディア。」
私は、丘から自室に戻り
「イブリース帝国 か。」
と呟き過去の記憶を思い出していた。
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私は回りとは違っていた。4歳の時に知る事になた。知る事になったのはある日のこと。その日は、お父様の部屋に珍しく来客が着ていた。そこに私は偶然居合わせただけなんだけどね。
いつもと同じように、村の様子をつたえていたときに誰かがくにの第一防衛を突破した気がした。私は震えながら
「……………」
「テネブレ、どうかしたか?」
「……おとうさま。しらない ひとが1つめのとびらを あけたよ!?おとうさま?このひとはだれ?」
「テネブレ、ここには我々一族しか入れない。突破されることなど有るわけがない。」
とお父様は力強く確信をもって言ってたのは今でも覚えてる。
「たいへんだよ!?小さなむらまで たどりついたよ!あのおにいさんだれ?キラキラとしたきんいろ?のかみのけをしているよ?それでね。あおいめの色をしているの。」
「何を言っておる!」
とお父様がこえをあらげた時ノック音がしお父様か入室を許可すると
「大変です。先程一人の男の子が集落を越えました。髪は金色で瞳の色は藍色。年齢は6歳かと。頭領様どうされますか?」
「迷い子にしては、どう考えてもおかしい。漆黒の森にてその者を捕縛せよ。けして殺さず我のもとに連れて参れ。」
「はっ!」
入ってきたおじさんが部屋からでるとお父様が
「怒鳴ったりして悪かったな。お前が見た子と話をするから自室に戻ってなさい。」
「おとうさま?わたしは ここにのこって お兄ちゃんに会いたい!」
「駄目だ。大人しく自室に戻りなさい。ディア!ディアは居るか?」
「はっ!およびでしょうか?」
「ディア、テネブレを自室に連れていけ。」
「はい。おおせのとおりに」
ディアは私の方を向くと笑顔で
「さぁ、戻ろう?」
「いやだ!テネブレはここに残るの!」
「わがままを言ってはダメだよ?おとうさまをおこらせてはいけないよ?」
とディアが言ってる間にも頭のなかに風景が写し出されていた。
「あっ!ダメ!おにいちゃんそんなことしたらおじさん達が死んじゃうよ!」
といきなり大声で叫んでいた。
そのあと気がつけば漆黒の森に一人でたたずんでいた。
私は、生まれたときから闇にならされていたため幸い見えないと言うこともなかった。森に住んでいる動物さんとも仲良しだったため聞きながらおにいさんのもとへ行った。
そしてついに見つけたところは、おじさん達が血を流し倒れていた。まだ息があるようで、仲間のおじさん達が肩にかつぎ集落へ向かったり戻ってきたりしていた。
「おにいさんだれ?」
と呟いたしゅんかん一斉にこっちをたくさんの視線が向いた。
「その声は!お嬢様!?何故こちらに来られているのですか!!早くお戻りください。」
「おじさんもケガしてるよ?おにいさんも。なおしてあげるね?」
そう。あのときは何となく本当に何となく治せる気がしたし、両者が戦い死者が出てはいけない気がしたから言った言葉だったけど回りからしたら驚きだよね。それにあのときの反応は、驚きと困惑を浮かべていたんだよねきっと。
私は、彼らの傷を本当に治し
無邪気な笑顔を浮かべながら
「おにいさんもおじさんも喧嘩してはいけないよ?それとおにいさんだれ?どうやってこの森まで来たの?」
「お嬢様!?危ないのでそちらに行かないでください!」
と一人のおじさんが叫んでいたがそのときは好奇心が優先で気にしてなかった。
「お前、面白いな!いや無知なだけか?まぁどちらでもかまわぬ。我は、《シャイ》お前の名は?」
「わたし?わたしの名前はね」
「お嬢様!申してはなりません。」
「ても、名のらないといけないって教わったよ?」
「それは、正式の場所でのことです!非公式で乗り込んできた招かざる客に名乗ってはなりません。」
「うぅ。分かった。じゃぁ《シルフ》と呼んでね。シャイおにさん?」
「あぁ まぁ良いだろうシルフ。お前はいつからここにいた?」
「?いつからって?ここにいたのはさっきだけど?でもねシャイおにさんが入ってくるのはずっと見てたよ?」
「はあ!?生物の気配すらしてなかったぞ!?」
「うん?シャイおにさんは動物さんたちの動きも分かるの?」
「動物の動き?……あぁ、分かる。」
「シャイおにさんすごいね!お外のせかいからきたのに、そんなことができるなんてね!」
そう。これが私とシャイとの出会い。
この頃私シャイが一国を支える人物だとは知らなかったしは世界がこんなに荒れているなんて夢にも思わなかった。
「それより、シルフ。お前は、我の目を見てなんにもないのか?」
「シャイの目ってきれいだね!」
「……いや、そう言う訳ではなくってな眠くなったり・意識が遠のいたりしてないか?」
「?ううん。だいじょうぶだよ?きょうねゆっくり寝てたから。えへへ」
「お前には効いていないんだな?」
「なにをきくの?」
「そっちの聞くではない効のほうだ!」
「………?」
「もういい。この手紙を………!さっきこいつらがお前の事を『お嬢様』と言っていたよな?お前は、貴族なのか?」
「きぞく?きぞくってなに?おかねかたくさんあるいえのこと?」
「……まぁそうだな。」
「それならわたしのいえは きぞく?だと思うよ?」
「なら国王に会えるよな?」
「こくおう?このくにでいちばんえらいひとなら いつもあってるよ?」
「その人だ!その人に この手紙を 渡しておいてくれ。」
「シャイおにさんが自分でわたすべてきだよ?」
「いや。俺は用事があるからな。頼んだぞシルフ。」
「うん!またきてくれるよね?」
「………気が向けばな。」
と言ってシャイは戻っていき、私は動物さんたちに手伝ってもらいながらいえにはこんだ。
あのときの国民のみんなの驚き顔は今思い出しても笑えてくるわ!
そのあと手紙をお父様に届けて相当怒られたんだっけ。それからかつをいれるため留学させられたんだよね~。始めは《ヘセル国》で5歳~8歳までが通う学園で過ごし、つぎに《シュヴェールト王国》で9歳~12歳までが通う学園で過ごしたっけな~。あの頃は二人とも戸惑いながら拙い言葉で話してたっけ。
次は、5歳~8歳までいた国〈ヘセル国〉での話。