フルーツサンドには仕掛けあり
夏休みだけどバイト&サークルで結局は学校行き。まー楽しいからいいんだよ。少しでも彼女のことを忘れていれるしな…。
「おい、相馬!コンビニ寄ろうぜ!」
「お、おう!」
友達の灰原輝。サークルが同じでよくコンビニに行く仲。こいつも最近、彼女と別れたらしい。なんなんだろうな、ブームか?彼女とサヨナラッシュか?
「あれ?ここのじゃないのか?」
「駅の向こうに、お前んちの近くにあるコンビニのチェーン店ができたらしいからさ!オススメでも聞きてーなって」
「まかしとけって!」
全然知らなかった、できたことなんて。いや…これで家の先まで行く必要なくなるじゃね?でも買ったものを駅に食うのはな…。
「いらっしゃいませー」
「うわ、広いな〜」
「大学近くの倍はあるぞ」
俺の家の近くもこれぐらいの広さだけどな。地方に行くとコンビニってサイズアップの傾向があるのか?…土地か!土地が余ってるからか!あとトラックが多いところは駐車場も広いな。
「なあ!オススメは?」
「あ?えっとな…」
ここはあえて、グリーンスムージーを飲ませるのもありだな。でもな、彼女失った仲間としては普通に美味いのを食べて欲しい。
「マンゴーかロールケーキとか?」
「じゃあ暑いからマンゴーにするわ!」
俺は何にするかな…。がっつり食べたいけど甘いのも食べたい。うーん。
「フルーツサンド」
サンドイッチとか滅多に食べないし、俺の家の近くにはなかったぞ。今日はこれにするかな。
「フルーツサンドにすんの?甘ったるくない?」
「いや、俺初めて食べる」
「絶望すんなよ〜」
そう言われて迷ったけど結局これにした。飲食スペースで座って食べることに。いちご、みかんは入ってるのは分かるが他はなんだろう。
「お、マンゴーうめ!」
「だろ!」
俺もフルーツサンドを一口。…うまいぞこれは!甘ったるいって言われたけど意外にあっさりしてていい!しかもパン全体にちゃんとフルーツが入ってる。外から見えないところまで配慮がされてるなんて。
「どう?フルーツサンド」
「うまいぞ」
「まじか!コンビニによってやっぱ違うんか〜」
なんだか分からんが、コンビニ仲間が増えた感じて少し嬉しいな。彼女と別れて3週間たった。まだ傷は癒えそうにないがな。