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この世の果てまでも  作者: Ata
とばされた日
7/32

とばされた日7

その日の夕刻も風呂から上がった俺の部屋に、ショーイがやってきた。

ぶっちょう面で、でもそれはいつもの事。

俺はショーイのそんな顔にも慣れて、お構いなしに招き入れた。

サーラがオレンジジュースに似たドリンクを用意してくれた。

俺がそれを一気に飲み干すと、それを待っていたようにショーイが話を打ち出した。

「今日はなにをしていた」

絶対に断られることがないだろうと確信した、命令しなれた言い方。

これもいつもの事で、俺は気にせづに今日の報告をした。

そろそろこの宮殿生活にも飽きてきた。

話す内容もパターン化してきてしまったし。

ショーイは俺の退屈そうな顔をしばらく見ていた。

時折、ショーイはこんな視線を向けてくる。

彼の眼はいつもどこか憂いを帯びている。

国を支えるという大きな役割を担う彼は、どこか他人と違う世界でものを見ているように見えた。

そして、いつも何かが足りないという顔をしている。

ショーイは唐突に話し出した。

「おまえが今、ここに居ることに疑問があるのだろう?」

ハッとした。

それは俺が一番聞きたくて、けれどなかなか聞き出せなかった疑問。

とうとう話してくれる気になったのか?

身を乗り出した俺に、ショーイは頷いた。

「時期を待っていた。お前に話して、そして考えられる余裕ができるまで。今は話そう。お前がすっと、不思議に思っていることを。そして私のことを…」

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