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この世の果てまでも  作者: Ata
とばされた日
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とばされた日6

幸い、この国にも風呂が存在する。

毎日と言うわけではないけど、頻繁に身体を洗う習慣が身についていりようだ。

だからこの宮殿にも、もちろん湯殿が設置されている。

ココにつれてこられた日、ショーイに会ったあとカラヤは俺を湯殿に連れて行ってくれた。

この国の浴槽は言ってみればプールに似ている。

大浴場のような石の拾い部屋に、鳩尾ほどの深さの浴槽。

石鹸もちゃんとある。

獅子に似た動物の口からは常に新しい湯が注がれていた。

それをかしきりで好きな時間に、一人のんびりと楽しむことを許されている。

これは俺にも嬉しい出来事だった。

自分の世界にいた時には自分を風呂好きと意識したことはないけど、広い湯殿に貸し切りとあっちゃぁ毎日が温泉で気に入った。

なんでもこの宮殿のある地域は水が豊富で、温泉も昏々と湧き出ているらしい。

俺は寝る前には必ず湯殿を使った。

やっぱり日本人の性なのか、温泉ときいちゃじっとしていられない。

湯の温度はそんなに高くない。

少し温いか?と思うくらいだ。

だから結構長い間浸かってられる。

でも、今でさえこうしてのんびり楽しんでいるけど初日は大騒ぎだった。

風呂に入ろうとする俺の後に続いて女官たちがついてきたかと思えば、なんと俺の服を脱がせにかかった。

それを何とか制して湯殿に入れば、またもや体を洗おうとしてきたのだ。

俺は叫びに叫んで、何事かと駆けつけてきたカラヤさんに訴えた。

身振り手振りで…

そりゃもう郷のお袋が危篤だというような必死さで……

カラヤさんは目を丸くして驚いていたけれど、俺の訴えを理解して女官を下げてくれた。

そして今の安息がある。

この宮殿の人達は皆親切に俺を扱ってくれる。

来た当初からそうだった。

けどさ、あまりに親切過ぎだとちょっと困る…

俺だって健全な日本男児なんだ!

一応…未だ童貞だとは言えないんだけど……

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