表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/68

警戒心

「お礼を言われるようなこと、言ったかな」


「言った。ウェズリーがいてくれて良かった、ありがとう」


「こちらこそ、ありがとう。この世界にジェラルディンがいてくれて。俺と出会ってくれて」


 微笑み合う幸せの片隅でチラリと思う。ウェズリーに出会えたのは、紛れもなく父のお陰だ。人里離れた山に捨て置かれていたウェズリーの、本当の両親は今どこでどうしているのだろう。


「カサブランカさんのお母さんに会えるのも楽しみだね。あ、魔法陣で思い出したんだけど」


 とウェズリーが言った。


「ローザとくっついてお昼寝してると、魔法陣が夢に出てくるんだ。毎回同じ夢、見たことがない模様の魔法陣で。途中まで俺が描いてるんだけど、残り四分の一くらいが空白で、そこから先が描けないっていう夢」


「へぇ、さすが魔法使いらしい夢ね。何かを暗示しているのかしら? 魔法陣といえば、ウェズリーは歓楽街の魔法陣と、どこの魔法陣を繋いでいたの? ストリートファイトの試合に通ってたとき。モーリスが不思議がっていたわ」


 王城の敷地内には魔法陣設置防止の結界が張ってあるので、どこか別の場所だろうとモーリスは推測していた。


「普通に家だけど。歓楽街に出入りしてることはジェラルディンに内緒にしてたから、行くときに描いて帰ってきて消して、ってしてた」


「えっ、毎回!? 魔法陣描くのって、時間がかかって大変よね?」


 モーリスは十八時間、熟練の魔法陣描き師でも四、五時間だと言っていたはず。


「うん、四十分くらいかかるかな。段々感覚で描けるようになって、早くはなったんだけど」


「四十分?」


 聞き間違いかと思った。


「うん。でも今はもう歓楽街には全然行ってないよ、ジェラルディンと約束したから」


 ウェズリーが慌てて弁解した。それは別に怪しんでいない。私が驚いたのは、ウェズリーの桁外れの能力にだ。想像を遥かに上回っている。

 それともう一つ驚いたのは、王城の敷地内に魔法陣は設置できないんじゃなかったの?ということだ。


 ウェズリーの住む別邸は、王城の敷地内と認識されていないんだろうか?

 放ったらかしのウェズリー同様、ウェズリーの住む別邸はみんなの頭の片隅にも入っていないのだろうか。


 ちょっと無警戒すぎやしない?

 いくらウェズリーを軽視しているからといって、気にしていなさ過ぎる。「無能で不要なもの」とレッテルを貼ったきり、そちらに目を向けて見ようともしないのか。

 まあ、そのお陰でこうして抜け出すことができているんだけど。ウェズリーの創った影武者ちゃんが良い働きをしてくれている。


 そう信じていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ