国王の古い仲間
パーティーでの私は、壁の花だ。今日は特に主役がモニークということもあり、なるべく目立たないようにひっそりと会場の片隅に佇んでいる。
地味顔の女といえど一国の王女ならば本来もてるはずだが、私の場合は違う。父は無関心で義母からは嫌われ、妹より下に見られていることを貴族はみんな知っているのだ。
前王妃である実母の生家は現王妃の目の敵にされて、実母の親戚筋は権力を失っている。前王妃の忘れ形見である私と、積極的に縁を持ちたいと思う貴族はいない。
むしろあまり関わらないようにと距離を置く。
ウェズリーは父に呼ばれ、古い仲間に紹介されている。
父が若い頃、世界は平和ではなかった。魔王と呼ばれる者が悪い者を従え、行く先々で人々を虐殺していた。いくつもの町が消滅したらしい。
圧倒的な強さを誇った魔王軍だが少数だったため、人々は人海戦術で対抗し、激闘の末に魔王軍を倒した。親玉の魔王を直接仕留めたのが、若かりし頃の父だった。騎士だった父は、報奨と共に国の王女と結婚し、次世代の国王となった。
語り継がれる父の英雄譚だ。
そのとき一緒に最前線で戦った仲間とは、切っても切れない仲らしい。彼らだけは父とも対等に話す。
「ほう、これがあのときの子どもか」
仲間の一人がウェズリーを見て言った。彼らはいつも豪快で声がとても大きいので、ここまで聞こえてきた。
「連れ帰って育てると言ったときには驚いたが、おいおい、すっかり王子風情じゃないか」
「なよっちい面構えになっちまったな。育て方が良くなかったんじゃないか」
王子に見える風貌なら良いことのはずなのに、なぜか不満なようだ。
育て方が良くないという指摘は耳に痛い。
「そんなことはない。順調に育っている」
普段放ったらかしのくせに父は堂々と言い返し、古い友人たちを黙らせた。




