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妹のバースデーパーティー

 三週間後にモニークの誕生日パーティーがある。ウェズリーも出席するように、と父からお達しが出たそうだ。家族一同、意表を突かれた。

 昨年までは、モニークが嫌がるのでウェズリーは呼ばれなかった。

 父曰く、


「ウェズリーももう大きくなっただろう。彼の成長を見たいという友人もいるのでね」


 だそうだ。相変わらず勝手に独断で決める。

 普段放ったらかしにしているウェズリーを突然お披露目するということで、一同慌てた。

 ウェズリーを本城へ連れてきて、とりあえずの体裁を整えることになった。まずは見た目だ。全身をピカピカに洗い、髪を切り、兄のお下がりを着せた。


 そうするとウェズリーは見違えた。兄とは似ていないけれど、第二王子だと紹介されても違和感がない。

 髪を切った美容師や着替えをさせたメイドたちが、最終的には見とれていたほどだ。


 伸びぱなしの髪はときどき切ってあげていたが、やはりプロとは出来上がりが違う。衣装によって雰囲気もずいぶん変わる。

 それにしても元々の素材が良いのだ。

 私はちゃんと知っていた。ウェズリーはダイヤの原石だと。

 磨かれて輝きを最大限に発揮したウェズリーを複雑な思いで見つめた。


「どうかな」


 皆に囲まれているウェズリーが、不安そうに私を見た。


「最高に素敵」


 優しい姉の顔をして笑った。


 パーティーまでの三週間、ウェズリーには詰めこみ教育が施された。

 パーティーでの立ち居振る舞い方、テーブマナーや社交ダンスの指導。

 本来なら何年もかけて教わることだが、ウェズリーは呑み込みが早くて、「上手ではないがおかしくもない」程度にできるようになった。


 そんなに要領が良くて、ダンスのセンスもいいなんてことは私も知らなかった。

 私も本当はウェズリーのことをよく分かっていないのかもしれない。

 改めて眺めた弟は、印象よりも背が高く大人びている。日に日に成長しているのだ。昨日よりも今日、今日よりも明日。日に日に私から遠ざかってしまいそうな気がして、胸がざわめいた。


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