オオカミ少年
昔、ある村に1人の正直な少年がいました。
ある日、少年は村を襲おうとするオオカミの群れを見つけました。少年は一生懸命に走って、村に伝えます。
「オオカミが来るぞ!」
村人は総出で、オオカミを撃退しました。少年は、たいそう褒められました。
また、別の日。再びオオカミの群れが現れます。あの日と同様、少年は一生懸命に走って、村に伝えます。
またもや、少年は村を助けたのです。少年は、村を救った英雄となりました。
また、別の日。村の賢者が言いました。
「あの少年がオオカミをつれてくるのだ」と。
村人は賢者の言う事を信じます。これまで賢者の言う事を信じていれば村は平和だったからです。
「そもそも、オオカミを倒したのは私たちじゃないか!」
「あいつは、疫病神だ!」
少年は、棒でうたれ村を追い出されました。
最後の日。三度目のオオカミの群れが現れます。
少年は三度目のオオカミを見つけましたが、森の入り口に打ち捨てられて、倒れている少年は立ち上がる事もできません。大声をあげましたが、村まで届くはずもありません。
※
しばらくして、口を赤くしたオオカミの群れが戻って来ました。
オオカミらは、少年に気づきましたが襲ってはきませんでした。
オオカミらは、お腹がいっぱいだからです。
一匹のオオカミが、ペロリと舌で口を拭いました。
少年には、オオカミが笑っているように見えました。




