ボタン付けやスナップ付けは慣れ 回数こなせば大丈夫 パッチワークは根気
ボタンが取れた時、自分でつけることができたら便利じゃありませんか? 難しいことはプロにお願いするにしても、簡単なことは自分で処理できればその日のうちに解決します。
一度やってみると意外と簡単にできることに気付かれると思います。
パッチワークは細かい布を組み合わせて大きなものを作る過程を紹介しています。
着なくなった服でお気に入りの物があれば活用できます。
根気が必要ですが、小さい物から始めると大丈夫だと思います。
「よう、健太、おまえ、袋、作ったんだって?」
教室に入るなり僕に声を掛けてきたのは、前田洋介だった。
「え?」
「姉ちゃんから聞いたんだけど、袋、作ったんだろ?」
洋介も幼馴染みで、姉ちゃんも同級生だった。
洋介は僕と違ってスポーツも勉強もできる、いつもクラスの中心的存在だ。
その洋介に知られてしまったなんて 思いもよらないことだった。
洋介につられて他の男子たちも好奇の目を僕に向けている。
・・・・しまった! 口止めするのを忘れてた!
姉ちゃん、べらべらしゃべったんだ・・・・・
・・・・否定はできない・・・・
みんなが見ている。
「おはよう。」
教室に入ってきたのは翔太だった。
雰囲気に違和感を覚えたようで周りを見回して、
「なんかあった?」
と僕に質問した。
僕が返事に困っていると、洋介が、
「小林君、知ってる?
健太が布袋を作ったらしいんだよ。」
と言った。
「知ってるよ。
というか、僕だって袋くらい作るし、ボタンだって自分でつけるし。
家族のボタンだってつけてるよ。
前田君は全部お母さんに頼んでるのかい?」
その言葉に洋介はたじろいだ。
その時 八重が、
「小堀君のお母さん、お裁縫 得意だもんね。」
と言った。
「うん、まあ・・」
と、僕はしどろもどろに答えるのが精いっぱいだった。
その言葉につられるように、女子が集まってきて、
「小堀君、お裁縫、できるの? すごい! 」
「「「「 ほんと、すごい! 」」」」
「「「「 前田君も見習ってお裁縫したらどう? 」」」」
と言ったのは美和子だった。 その言葉につられるように他の女子もこぞって
「「「「 そうよ、他の男子もおんなじ 」」」」
「「「「 前田君もやってみれば? 」」」」
「前田君がゴールを決めても何の役にも立たないけど、取れたボタンをつけてくれたら助かるのよね。」
追い打ちをかけるように言ったのも美和子だった。
「「「「 その通り!! 」」」」
「「「「 そうよ そうよ 」」」」
女子たちはこぞって洋介に詰め寄った。
女子達の勢いに負けて、さすがの洋介も黙って向こうに行ってしまった。
それと一緒に他の男子たちもそれぞれいた場所に戻って他の話をし始めた。
女子達もそれを見て元の場所に戻って、いつものようにおしゃべりを始めた。。
僕はほっとして席について、ちらっと八重の方を見た。
八重も僕を見ていた。
僕は目で ありがとう と言った。
八重は小さくうなずいた。 嬉しかった。
「ありがとう。」
僕は前の席に座った翔太に小声で言った。
「どうってことないよ。 ほんとのことだしね。
男が裁縫をしたらカッコ悪いなんて考え、おかしいだろ?」
「そうだな・・・そうだよ、まったくその通りだよ。」
「そうさ。 針を持つのは女性でのこぎりを持つのは男性 なんて固定観念 ナンセンスだよ。」
「そうだね。」
僕は堂々としている翔太がまぶしかった。 そして自分もそうありたい と思った。
これでクラスのみんな いずれは他のクラスの者にも、僕が袋を作ったことが知られるに違いない。 そして、女子がそれを褒めた ということも知られるだろう。
怪我の功名というべきか、これからは隠さなくていい。 隠す必要なんて最初からなかったんだ。
男が針を持って何が悪い! 堂々としていればいいんだ。 そう思った。
今日は部活がある日だ。 僕は美術部で、八重は家庭科部だ。
僕は昔から絵を描くことが好きで中学校の時からずっと美術部だけれど、八重が家庭科部を選んだ理由までは知らない。 中学の時は確かコーラス部だったような気がするし、高校にもコーラス部はあるはずだ。
今日も先輩が隣の家庭科教室に行って、 今日のメニュー を聞いている。
先輩が戻ってきて、
「今日は小麦粉を使わないお菓子 らしいぞ!」
といかにも楽しそうに報告をしている。 それを聞いた先輩も、よっしゃー! とガッツポーズをしている。
僕たちはそれを見てみんなで笑っている そんな和気あいあいとした雰囲気の部だ。
・・・・今日は小麦粉を使わないお菓子 か・・・・
しばらくすると家庭科部からおいしそうな匂いが漂ってきた。
教室の扉が開いて、家庭科部のみんなが入ってきて、
「初めての挑戦 今回は小麦粉を使わないクッキーです。食べて感想を聞かせてくださいね。」
と部長が言うと、部員たちはそれぞれそのクッキーを持って配り歩き始めた。
僕のところには八重が持ってきてくれた。
「小麦粉アレルギーの人に配慮しての物なんだけど、食べたらアンケート、お願いね。」
「わかった。」
「正直に書いてね。 参考にするんだから。」
「わかってるよ。」
「それにしても翔太が裁縫が得意とは知らなかったな。」
「得意ってほどじゃないよ。必要最低限くらいはできるかなっていう程度だよ。」
「それだってたいしたもんさ。
僕なんて小学校の家庭科で習ったくらいしかできないからさあ。」
「でも、今から習うんだろ? その方がたいしたもんさ。」
「褒めあってる?」
「そうだな。 このクッキー、うまい。」
「同感。 うまい。」
僕たちは配られたクッキーをバクバクと急いで食べた。
僕達二人が部室の外に出て、翔太は桜を撮り、僕は桜を描く ということはもうすでに部のみんなが知っていて、認める というよりあきれられていると言った方が正しいかもしれない。
「毎日よく飽きないよな・・・」
それがみんなの素直な感想だ。
そうかもしれないが、僕も結構毎日の桜の変化を楽しんでいる。
クッキーもうまかったし、桜もうまく描けた。
なんとなく明るい気持ちで帰宅すると母さんが
「次はボタン付けとスナップ付けの予定だからね。」
と僕に言った。
「できるかなあ・・」
「小袋もできたじゃない。 やってみたら案外できるものよ。」
「そうかなあ・・・ まあ、やってみるけど。
あのさあ、八重 近藤八重って覚えてる?」
「覚えてるって当然じゃない。 子供の頃けんちゃんがずいぶんお世話になったし、仲がよかったでしょ。
八重ちゃんがどうかしたの?」
「今、同じクラスなんだけど、僕が母さんに裁縫を習ってるって知って、自分も教わりたいって。」
「私でよければ大歓迎よ。」
「わかった。 言っとく。」
次の土曜日の朝、母さんはお菓子の箱を持ってきた。
「お菓子?こんな時間に菓子なんて食べる気?」
「まさか。箱だけよ。 中身は違うの。
箱がかわいいから使ってるのよ。」
と言って、箱のふたを開けた。
中はいくつかに仕切られていて、それぞれになんやかんやと入っていた。
「こんなにいっぱい種類があって、全部 使うことがあるんだ。」
「そうよ。一度に使うわけじゃないけど、なくなってからじゃ遅いからそろえてあるのよ。」
「じゃあ、これも書いておかなきゃね。」
「それじゃあ、お道具のノートのまとめたら?
またノートが増えると面倒でしょ?」
「そうだね、うん、そうするよ。」
三日目
ノート 二冊目 お道具 小物
ボタン ボタン穴に入れて止めるためのもの
穴の数、大きさは多種多様
素材はプラスチック、貝、木、コルク、などがある
裏ボタン コートやジャケットのボタンの裏側に強度を増すためにつけるボタン
大きさは5ミリくらいで、色は数種類ある
スナップ 凹の方に凸の方をはめ込んで止める
大きさと止める強さは比例する
ファスナー スカートやズボンを開け閉めするためのもの
長さがいろいろあるので、用途によって使い分ける
オープンファスナー 全開できるタイプになっている
コートやジャンパーに使われている
コンシールファスナー ファスナーの金具が全く見えない工夫がされている
ミシンをかける時用に専用の押さえがある
前かん スカーやズボンのファスナーの上にあって、くぼみの中に引っ掛けて止めるもの
スプリングホック ワンピースのファスナーの上に付けてある小さいホック
バイヤステープ 布端を囲む形でほつれなくするために使う
柄物や違う色を使って飾りとして使うこともある
出来上がったものをパイピング という
45度の斜め生地なので、共布で作ることもできる
マジックテープ 引っ掛ける面と引っかかる面を合わせて、面で止める
はがすときに大きな音がすることが難点
裾上げテープ 服の裾や袖の長さを短くするときに使う 貼るタイプなので便利がいい
ゴム 平たいものと丸いものがあって、太さもいくつか種類がある
用途の応じて使い分ける
紐 素材も木綿、化繊があり、太さも種類が多いので、用途に応じて使い分ける
リボン
レース
「母さん、こんなにいっぱいあって、全部覚えてるなんて。
手芸する人って頭いいね、感心するわ。」
「あらそう? ありがとう。
そんなこと初めて言われたわ。
さ、今日はボタン付け からね。」
「さあ、さっさとお昼、食べちゃって。
食べたら歯磨きよ!」
「歯磨き? 朝磨いたけど?」
「いいから いいから 。」
僕はさっさとラーメンを食べて、言われるがまま歯磨きを済ませた。
ピンポーーン
インターフォンが鳴った。
「あ、八重ちゃん かな?」
母さんはそそくさと玄関へ向かっていった。
「いらっしゃい。」
「厚かましくお邪魔します。
今日からよろしくお願いします。
あの、これ。」
「まあ、気を使わなくていいのに・・・
今日はありがたくいただくけど、今日だけよ。
いつもこんなに気を使ってたんじゃ続かないし、私も気を使わなきゃいけなくなるからね。
さあ、上がって。 けんちゃん、八重ちゃんよ。」
「おう。」
「けんちゃん、お邪魔します。」
「おう。」
「よろしくね。けんちゃんも邪魔をしないようにするから。」
「別に・・・・・・」
「さあ、まずけんちゃんはボタン付けだから、準備してね。」
「うん。」
「おばさん、私もボタン付けを教えてください。」
「わかった。 でも八重ちゃんボタン付け、できるでしょ?」
「はい。 でも裏ボタンってつけたことないんです。」
「そうなの。 わかった。
じゃあ、一緒にしましょう。
でも、私のやり方だから、部活とかで先生が言われるやり方とは違ってるかもしれないから、
その時は逆に私に教えてね。」
「はい、わかりました。
その時は報告します。」
八重は笑って答えていた。
母さんは僕たちの前に布とボタンが入った箱を出して、
「好きなのを適当に選んでね。
最初は小さいボタン。次は大きなボタンで裏ボタンをつけるからね。」
「けんちゃん、どれにする?」
「適当でいいよ。
どうせ練習だし。」
「そんなこと、だめよ。
練習だって自分が好きな物の方が楽しいもの。」
そう言ってから八重は箱の中の布を、ぶつぶつ何やら言いながら選んでいた。
「私はこれにしよう! これ、かわいい。
で、けんちゃんはこっち。 これがいいと思う。」
と言って、自分にはかわいい花柄の布を、僕にはチェックの布を選んだ。
「え? 選んでくれって頼んでないし。」
「いいじゃないの。 せっかく八重ちゃんが選んでくれたんだから。
どうせなんでもよかったんでしょ?
放っておかれるよりずーーっといいと思うけど?」
「なんだよ・・・ わかったよ・・・
それにするよ。」
僕は照れくさくて少し怒った言い方をしたけれど、本当は嬉しさを隠すためだった。
「じゃあ、まず、小さいボタンをつけるやり方。
簡単ボタン付け をしましょう。」
ノート四冊目 作り方
小さいボタン付け 糸を二本どりにする
二つ穴ボタン 糸は洋服の素材に合わせて選ぶ
玉結びをする
ボタンをつける場所を布の裏側から印をする
待ち針を止めてもいいし、鉛筆で点を書いてもよい
印の真上から針をいれて表に出す
針を表に出したら縦方向に一回小さく縫う
玉結びが抜けるのを防ぐため と ボタンを印の位置につけるため
ボタンの穴に針を入れて布に縫い付ける その時布の厚み分ボタンを浮かせる
これを繰り返して、三回針を入れる
最後の針は布に入れずに、ボタンの下に出たままにしておく
そのまま糸をぐるぐると下に向けて巻き付けて、ボタンの厚み分の高さにする
ボタンを穴に通したときに服にしわができないようにするため
針を裏側に出す
一回小さく縫って糸が緩まないようにする
玉留めをする
四つ穴ボタン 糸を二本どりにする
糸は洋服の素材に合わせて選ぶ
玉結びをする
ボタンをつける場所を布の裏側から印をする
待ち針を止めてもいいし、鉛筆で点を書いてもよい
印の真上から針を入れて表に出す
針を表に出したら斜め上に向けて一回小さく縫う
玉結びが抜けるのを防ぐため と ボタンを印の位置につけるため
ボタンの穴に針を入れて布に縫い付ける その時布の厚み分ボタンを浮かせる
これを繰り返して二回ずつ針を入れる
最後の針は布に入れずに、ボタンの下に出たままにしておく
そのまま糸をぐるぐると下に向けて巻き付けて、ボタンの厚み分の高さにする
ボタンを穴に通したときに服にしわができないようにするため
針を裏側に出す
一回小さく縫って糸が緩まないようにする
玉留めをする
大きなボタン付け
裏ボタン付き 糸を二本どりにする
糸は洋服の素材に合わせて選ぶ
玉結びをする
ボタンをつける場所に裏側から印をする
待ち針を止めてもいいし、鉛筆で点を書いてもよい
印の真上から針を入れて表に出す
針を、今糸が出ているところより少し上から裏側に出す
裏ボタンに針を通してから表に出す
また針を裏側に出す
裏ボタンは取れるとなくしてしまうので、裏ボタンだけを縫い留めておく
ボタンを縫い付ける その時必ず布の厚み分ボタンを浮かせる
裏ボタンに針を通しながらボタンを縫い付ける
二つ穴のボタンは三回 四つ穴のボタンは二回ずつ針を通す
最後の針は布に入れずに、ボタンの下に出たままにしておく
利き手に針を持ち、もう一方に縫い糸を持つ
布の厚み分浮かせた糸のかたまりを囲むように針をぐるりと回す
できた輪の下から針を入れてそのまま抜いて締める
この作業を下に向けて、布の厚み分の高さになるまで繰り返す
ボタンはしっかり立つ状態になる
裏ボタンに通さないように布を立たせるようにして裏側に針を出す
一回小さく縫って糸が緩まないようにする
玉留めをする
ボタンをつける場合は、ボタンは洋服の一番上のボタン穴の上になるようにつけ、一 番下のボタン穴では穴の下になるように付ける 間のボタン穴はその中間になるように
つけるとボタンが上下で固定される
糸を二本どりにする場合は糸が必ず二本揃っていることを確かめながら縫い進む
「ボタン付けができたみたいだから、休憩しましょう。
八重ちゃんがもってきてくれた手作りクッキー、おいしそうだからいただきましょう。
お父さんと早希ちゃんにも食べさせてあげたいから半分だけ出させてもらうわね。
ミルクティーにしたんだけど、よかったかしら?」
「はい、ありがとうございます。」
「そんなこと、淹れる前に聞くもんじゃないの 母さん?」
「あ、そうだったわね。 ごめんなさい。
さ、熱いうちにいただきましょう。」
「全然悪いって思ってないのがわかるよ。」
「いいのよ、けんちゃん。
私、ミルクティー 大好きだから。」
「八重ちゃん これからどうする?
けんちゃんと一緒にスナップ付けをしてもいいし、パッチワークをしてもいいし?」
「私、スナップ付けを教えてもらいたいです。」
「そう? それじゃあ そうしましょう。」
「気を使わなくってもいいんだよ。スナップをつけるなんて、八重ならできるだろう?」
「うん。 でもきちんとはできていないのかもしれないと思って。
ボタン付けだって、裏ボタンは初めてだったし、ボタンの下で、ほら、糸をぐるりと回してできた輪に下か
ら針を入れて引っ張ってコブを作って、それを縦に並べるように繰り返して高さを出す なんてこと、
知らなかったし、したことなかったから。
だから けんちゃんと一緒にスナップ付けを習いたい。」
「・・・そうか・・ わかった。
じゃあ、一緒にしよう。
このクッキー、うまいなあ。
家庭科部で習ったのか?」
「そう。 習ったのを家で作ってみたの。」
「ふーーん、 うまいよ。」
「八重ちゃん、このレシピ、もらえない?」
「いいですけど・・・?」
「けんちゃん、いつもはこんなにお菓子って食べないんだけど、こんなにパクパク食べてるから。
私も作ってみようかなって思ってね。
私が作ったのもこんな風に食べるかどうかはわからないけどねーーー」
「なんだよ、それ。 いつも作らないだろ?」
「食べないからよ。」
「作らないからだよ。」
こんなつまらないやり取りを、八重はにこにこしながら黙って見ていた。
「さあ、お菓子も食べたし、紅茶も飲んだし・・・やりますか!」
「おう。」
「はい。」
スナップ付け
凸部 二枚が重なるときは下につけるので、裏に縫い糸が出てもよい
二枚が重ならないときは凹部の縫い始めに準ずる
糸を二本どりにして玉結びをする
スナップをつける場所に鉛筆で点を書いて印をする
裏側から中心に針を通す
スナップの中心が点の上になるように加減して布をすくいスナップの穴に針を入れる
糸が通っている穴が手前に来るように持ち変える
親指と人差し指でスナップをしっかり押さえる
針をスナップの際に入れて同じ穴に入れる
穴から出ている糸を針にぐるりと一回巻く
スナップと糸をしっかり押さえたまま針を抜いて整える
スナップの際に小さなコブができている
この作業を繰り返して一つの穴に五つが六つのコブを作ってしっかり止める
隣の穴に針を移して同じ作業を繰り返す
全部の穴を止め終えたらそのまま針を裏に通す
小さく一回布をすくってから玉留めをする
凹部 二枚が重なるときは上になる布の裏側に付けるので縫い糸が出ないようにする
表にボタンやリボンで飾って隠れる場合は裏に縫い糸が出てもよい
糸を二本どりにして玉結びをする
スナップをつける場所に鉛筆で点を書いて印をつける
点の上を手前から糸を入れて一針すくう 表に出ないように注意する
もう一度布をすくってスナップの穴に通す 表に出さない
スナップの際から針を入れて穴に通す
穴から出ている糸を針にぐるりを一回巻く
指で押さえてそのまま糸を抜く
スナップの際に小さいコブができている
コブが五つか六つできるまで同じ作業を繰り返す
隣の穴に針を移す
全部の穴にコブが五つか六つできたら布をすくって針をスナップの向こう側に出す
玉留めをする
針を布に入れて力を入れて引いて玉留めを布に入れる
スナップで隠れる位置で糸を切る
スプリングホック スナップの止め方と同じように両方の穴を止める
二本の縦の金具に糸を巻き付けてコブを作って止める
玉留めをしたら糸を引いて玉留めを布の中に入れる
糸端が出ないように少し引きながら糸を切る
前缶 スプリングホックと同様に仕上げた
「終わった!」
「あ、できた?」
「うん。 結構疲れた。」
「初めてだから当然よ。
何度もやれば考え考えすることがなくなるから。」
「そう願いたいよ。
で、次は?」
「今日は遅いからこれでおしまいよ。
明日はどうする?八重ちゃんは来られる?」
「はい、できればお願いしたいです。」
「我が家はいつでも大歓迎よ。
明日はどうする? なにか気になるものってあったりする?」
僕は少し考えた。
八重が持ってきた袋は開けられることはなく置かれていたままなのがずっと気になっていた。
「明日はもう一回袋を作ってみるよ。
姉ちゃんが二つとも持ってったから手元にないし、復習するよ。
その代わり今回はマジックテープじゃなくて今日習ったスナップにする。」
「あ、そう わかった。 じゃあけんちゃんは小袋作りで決まりね。
八重ちゃんはどうする?」
「私は・・・あの・・パッチワーク いいですか?」
「もちろんよ。
今日は全然できなかったし、明日は絶対に一緒にやりましょう。
作りたいものが決まっていて、図案とか型紙とか、あったら持ってきてね。
なければ一緒に考えてもいいし、型紙はうちで作ってもいいし。
楽しんでのんびりやっていこうね。」
「はい、お願いします。」
「けんちゃん、遅いから八重ちゃん送って行って。」
「あ、いいです。そんなことまで。 大丈夫です。
近いですし・・・」
「油断大敵 よ。
さあ、けんちゃん。 ナイトにならなきゃ。」
「ナイト って・・・?
まあ、暗いから 送ってくよ。」
「ありがと・・」
「うん・・・・」
僕は八重と一緒にこんな時間に、まして二人で歩いたことがなかったので、何を話していいのかわからな
て、ただ黙って少し離れて歩いていた。
思った以上に車が通っているので、僕は八重を歩道側に行くように言って、自分は車が通る側に立った。
家が近いということもあって、あっという間に八重の家に着いた。
二人で並んで歩く時間は驚くほど短かった。
「けんちゃん、ありがとう。 送ってくれて。
それに明日のこと。
今日私がパッチワークができなかったからでしょ? 袋を作るのって・・」
「そんなことないさ。 姉ちゃんが使ってるのは本当だし、父さんも欲しいって言ってたし・・・。」
「そ。 明日はこんなに遅くならないうちに帰るようにするね。」
「別に いいけど・・・」
八重はクスっと笑って、小さく手を振った。
僕は片手をあげてそれに応えた。
八重は玄関を開けて家に入ってからもう一度小さく手を振った。
僕は小さくうなずいた。
八重が玄関の戸を閉めて家に入ったのを確かめてから僕は体の向きを変えて歩き始めた。
・・・・明日も か・・・・
僕はゆっくり歩いて家に帰った。
「ただいま。」
「あ、おかえり。」
と言いながら玄関に出てきたのは姉ちゃんだった。
「そっちこそ、おかえり だよ。」
「八重ちゃん 送ってたんだって?」
「うん・・まあ・・・
母さんに言われたから・・・・」
「お母さんに言われなくてもそうしなきゃ。 ね、けんちゃん。」
「え? うん わかった。」
「それにしても八重ちゃん、お菓子作り 上手よね。
クッキー 美味!
レシピ もらえるって聞いたから、私も作ってみよう。」
「はあ・・・・ 期待しないで待ってる。」
「お父さん もうすぐ帰るから少し待ってから晩御飯にしましょう。」
母さんはいつの間にか晩御飯の準備も済ませていた。
僕たちにあれこれ教えながらごはんの準備もしていたのか と僕は思った。
少しして父さんが帰ってきた。
「「「おなかペコペコ!」」」
「今日、八重ちゃんが来たんだって?」
「父さん、八重ちゃんのこと知ってるの?」
「そりゃあ、知ってるさ。 健太と幼稚園から一緒だったし、近藤さんとは今でも会えば立ち話くらいする
しね。近藤さんの話だと 八重ちゃんは保育士さんになりたいらしいよ。」
「へえ・・・・」
八重が保育士になりたいなんて知らなかった。
知らなかった というより、そんな話をしたことがなかった。
僕は何になりたいんだろう?
僕はベッドに寝転がってぼんやり考えていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
次の日、起きたらもう父さんはいなかった。 今日も部活があるらしい。
姉ちゃんは眠気眼で、 起き抜けの一杯 とか言いながら白湯を飲んでいた。
母さんは洗濯物を干していた。
「おはよう。」
「あら、けんちゃん、早いのね。」
「そんなに早くもないけど、目が覚めたから、ついでに今日の布を選んどこうと思っただけだよ。」
「感心感心。 じゃあ、これが済んだら布を出すからちょっと待ってね。」
「場所がわかれば自分で出すよ。」
「母さんたちの部屋に出したままにしてあるから。」
「わかった。」
母さんの部屋に入ると布を入れた箱だけでなく、もしかしたら今日必要になるかもしれない本や道具箱が準備されていた。
僕は箱だけを持って部屋を出た。
リビングで布を選んでいると姉が覗き込んできた。
「ねえ、けんちゃん。
今日はお父さんの 作るつもり?」
「別に誰のってこと、ないけど。
せっかく習ったんだから忘れないようにしようってだけ。」
「ふーーーん」
「なんだよ?」
「小袋っていくつあっても嬉しいのよね。」
「はあ???」
「気が向いたら でいいから ね!」
「向かないと思う。」
「私 この布がいいな。 大きさもちょうどいいし。」
「僕の言ったこと 聞いてる?
その図太さ 誰に似たのか 信じられん。」
「気が向いたら ね!」
僕はため息をついた。
いつもこうだ。 姉ちゃんの押しの強さに負けてしまう。
でも今日は・・・・父さんのにしよう!
三人でお昼ご飯を済ませたら、姉ちゃんはさっさと準備をして塾に行った。
姉ちゃんが通っている塾には有料の送迎車があって、希望すれば家のすぐ近くまで来てくれることになっ ている というか、それが気に入ってその塾を母さんが見つけてきたのだった。
なによりも安心安全が一番大事 が母さんの持論だから、昨日僕に八重を送らせたことも当然のことだ。
ピンポーン
昨日と同じ時間だった。
母さんが玄関に走った。
「いらっしゃい。 待ってたのよ。
今日はパッチワーク、楽しもうね。」
「はい、よろしくお願いします。」
「とりあえず上がって。 それからよ。
けんちゃんは今日はお父さんの小袋を作るって言って布も選んでるから放っておきましょう。」
「え? あ、はい・・・」
「誰を放っておくって?
まあ、いいけど。
今日はノートを見ながらひとりでやってみるよ。
どうしてもって時には聞くわ。」
「はーい。」
「ノートって?」
「けんちゃんはね、私が行ったことを自分一人でもできるようにって、ノートに書いてるの。」
「そっか・・・
私も書いていいですか?」
「もちろんよ。 自分でわかるように書いてくれればいいと思うし、もし自分で工夫したいと思ったら
そうしてくれたらいいのよ。 そのためにも書いておくってことは正解かもしれないわね。」
「じゃあ、始めましょうか。」
「小さいポーチと巾着にしたいと思って・・
途中であきらめないように最初は小物にしようと思います。
でも、作りたい物が二つあるんです。」
「なるほど。
どんなのにするのか、決まってるの?」
「はい、これにしたいと思ってるんですけど・・・・」
と言いながら本を出して、しおりが挟んであるページを開いた。
「なるほど。 一つは縦に縫い合わせたもの 一枚4センチか5センチ四方かな? 縦7枚が9枚あるのね。
それを3本と長い布5本を交互に縫い合わせる形のもので、もう一つはでかでかフォーパッチだわね。
縦2枚横2枚の組み合わせがフォーパッチ 縦3枚横3枚の組み合わせがナインパッチね。
それで、布は決まってる?」」
「はい。布も持ってきました。」
と言ってから、大きなカバンの中から布が入っている袋を出して、中身を取り出した。
「なるほど。
小花柄と無地の組み合わせね。両方ともこの組み合わせにするの?」
「はい、お母さんと私の物にしようと思って・・・」
「お揃いの布で作るのね。 素敵!
優しいなあ うらやましいわ。」
と言いながら、母さんは八重が持ってきた本の、作り方説明のページを開いた。
「片方は・・・ 縦横共に4センチの布を交互に 縦9枚 だわね。
それを縫い合わせたら縦の長い布 これも幅が4センチなのね と縫い合わせて の繰り返しね。」
「はい。」
「もう一つはでかでかフォーでかでね。フォーパッチは一辺が3センチか4センチの大きさの正方形の市松模
様にすることが多いんだけど これは一枚が10センチね。」
「はい。 こちらは縫い合わせる回数が少ないんです。」
「そうね。 でもこちらの方が難物よ。 四角の角がきっちり合わないとカッコ悪いからね。」
「え? そうなんですか。」
「でも大丈夫。 一緒にやりましょうね。」
「はい。頑張ります
「で、袋の口はどうするの? ボタン スナップ マジックテープ ファスナー のどれにするのかな?」
「ポーチにはファスナーを、巾着はヒモ二本と思っています。」
「わかった。ポーチはファスナでもう一歩はヒ巾着ね。
じゃあ、まず最初にアイロンをかけてから布を切りましょう。
アイロンをかけてからの方が線を描きやすいのよ。
いつもなら型紙を作って それに合わせてってことになるんだけれど、今回は全部が四角だから、
もっと簡単に物差しを使って縫い目線を描きましょう。」
「はい。何を使って線を描くんですか?」
「鉛筆。 鉛筆で描くの。
鉛筆は必ず先をとがらせて、描く時には鉛筆を斜めにして常に先がとがっている状態で描くのよ。」
「鉛筆でいいんですね。」
「そう。必ず斜めにして描いてね。」
「はい、わかりました。」
「型紙を使うときは、型紙を布の裏側に置いてしっかり押さえてから鉛筆を斜めにして型紙の周りをぐるりじ
ゃなくて、中心から端に向けて描くようにすると、角がきれいに描けるのよ。」
「そうなんですか。 ノートに書いておきます。」
「今回の布は柄が小さいし、もう一方が無地だからいいんだけど、例えばうさぎや犬の顔があったらそれを切
るのもちょっとって感じだし、柄や色の組み合わせを必ず確かめてから布を切るようにしようね。」
「はい、わかりました。 それもノートに書きます。
布の組み合わせが大切ってことですね。」
「そうよ。 組み合わせる布は素材や厚みをそろえたほうが扱いやすいと思うよ。 新しい布を買わなきゃい
けないってこともないしね。 もともとパッチワークは着られなくなった服を活用してできた技法だから、
いらなくなったジーパンなんかを使っても全然いいと思うわ。
ミシンだと生地が厚いと難しいけど、手縫いなら大丈夫だから。」
「そうなんですね。
廃物利用もできるってことですね。」
「そう。 もったいないしね。
八重ちゃんの家はお兄ちゃんが二人いるんだから、そんなのたくさんあると思うわ。」
「そうですね。 ふふふ。 」
「奇数枚だけど、どちらを多くするのか 長い布はどちらの布にするのか 決めてる?」
「はい。 無地を多くしたいと思ってます。 間の布も無地で。」
「わかった。 じゃあそれでいきましょう。」
「小花模様は全部4センチの正方形だけど、四方に1センチずつの縫い代が必要だから、6センチ四方が12
枚かな。 無地の方も4センチの正方形で縫い代が四方に2センチだから、こちらも6センチ四方の布が
15枚だと思うんだけど。間違ってたらいけないから出来上がり図を描いて確かめてね。」
「はい。」
「幅4センチ長さ36センチに 両側1センチずつ 上下に1センチずつ の縫い代で2枚。
幅4センチ長さ36センチに 内側に1センチ 脇側に2センチ 上下に1センチずつの縫い代で2枚。」
「はい。」
「36センチのパーツの縫い目線には4センチ間隔で合印をつけるのよ。」
「合印?」
「そう、合印。
縫い合わせるときにずれなくするための目印ね。
横の縫い目線がそろった方が仕上がりがきれいだから。」
「そうか・・・
4センチ間隔の合印と4センチの縫い目線を合わせるってことですね。」
「そうよ。簡単に出来上がり図を描いて チェックしながら切っていくと失敗がないからね。」
「はい。 そうします。」
「ヒモ通しの布はやっぱり無地?」
「はい、そのつもりです。」
「じゃあ、それも切りましょう。
幅は10センチ長さは31センチか32センチの物を2枚ね。」
「布目はどうするんですか?」
「・・・先生によって考え方が違うところなのよね。」
「?」
「全体を同じ布目にそろえる考え方と縦布目で幅が伸びないようにする考え方と。
どちらが正しいってことはないのよ、考え方だから・・・」
「おばさんはどちらですか?」
「私は伸びるのは嫌だから、縦布目を使って伸びを留める紐通しにしてるけど。」
「じゃあ、私もそうします。」
「一緒に確かめながら線を描いて それから切りましょう。」
「はい。」
二人は楽しそうに話しながら布に物差しを当てて線を引いた。
「確かめたら切ろうね。」
「はい。」
二人はまた物差しを布に当てながら楽しそうに話している。
僕がいることなんて全く頭にないようだった。
・・・・ま、それもいいか・・・・
僕は小袋を作りながらそんな風に思っていた。
「じゃあ次はフォーパッチの方ね。」
「はい。」
「一辺が10センチだから 内側は1センチ 脇側は2センチ 上に3センチ 下に1センチの縫い代で2
枚ずつね。
一辺が10センチで四方に内側は1センチ 脇側は2センチの縫い代の物が2枚ずつ で 合計8枚ね。
こっちは数も少ないし 切るのは早い!」
「そうですね。」
・・・・相変わらず僕の存在感ゼロのままだ・・・・
「布を切ったら またアイロンね。」
「はい。」
「何とか準備の一段階が終了したから一休みね。
お茶にしましょう、おせんべいもあるのよ。
けんちゃんも一緒に休憩しましょうよ。」
「へえ・・・僕の存在を忘れられてるのかと思ってたよ。」
僕の言葉を聞いた二人は顔を見合わせて、また楽しそうに笑った。
「あ、これ。 忘れないうちに・・・」
八重が何やら紙を出して母さんに渡した。
「あ、これ もしかしたら レシピ?」
「はい。 お役に立てればいいんですけど。」
母さんは渡された紙を見て、
「わあーーー! すごくきれいにわかりやすく書いてある。
ありがとう八重ちゃん!!1
これで一つレパートリーが増えたわ。
今度作るから けんちゃん、食べてよ!」
「はあ? ま、美味ければね。」
「おいしいに決まってるじゃない、八重ちゃんのレシピよ。」
「作る人が違うからなあ。」
「え? それって母さんが作ったんじゃおいしくないってこと?」
「そうじゃなくて、食べてみないとわからない ってこと。」
「まあ、なんという失礼な! こうなったら意地でもおいしいって言わせてみせる!」
「ふーん。 それにしてもこのせんべい、母さんが好きないつものせんべいだよな。」
「いつも が一番いいのよ。 特別なんて続かないでしょ。
長く続けるためには背伸びしないことが一番大切なの。
八重ちゃんにはいつでも気軽に来てもらいたいから、あえていつも通りにしたのよ。」
「そうなんだ。」
僕はせんべいを食べながら なるほど と思った。
八重はおいしそうにお茶を飲んでいた。
しばらく休んだ後、僕たちはそれぞれに自分のやるべきことを再開した。
「布は切ったから、次は縫い合わせる段階に入るんだけど・・・。
八重ちゃんが持ってる本とは違うかもしれないけど、それでいいの?
それとも本に従って進めていこうか?」
「おばさんのやり方でお願いします。」
「わかった、じゃあそうしましょう。」
「先に数が多いほうからやりましょう。」
「え? 少ないほうからじゃないんですか?」
「簡単な方から説明した方がいいと思うから。」
「はい・・・・」
「今回は特に正方形だから布目の方向を確かめましょう。
確かめるのは簡単。引っ張って伸びないのが縦、伸びるのが横。 ほら、簡単でしょ?」
「そうですね。わかりやすいですね。」
「それから布の配置ね。 今回は無地と小花模様だから大丈夫だけど、模様に向きがある場合は要注意。
縦面の真ん中を起点にして折りたたんで形作るからね。
例えば片方はうさぎの顔はまっすぐだけど、もう片方は逆向きになってるなんてことにならないように。
全部縫ってから気が付いたらショックだからね。」
「はい。 わかりました。 そのことも書いておきます。」
「布を順番に並べる癖をつけておくといいかも。
並べて 待ち針で止めておいて それからその順番に縫い合わせる。」
「はい。 そうします。」
八重は言われた通りに布を並べて待ち針で止めた。
「じゃあ、縫い糸の準備をしてね。」
「はい。玉結びをするんですよね?」
「そうね。 できた?」
「はい。できました。」
「じゃあ一緒に縫っていきましょう。
私も八重ちゃんのを縫ってもいいかな?」
「はい、お願いします。」
「じゃあ 並べた順番に布を2枚取って、それを中表に合わせて 縫い目線に待ち針を止めて
縫い代の半分くらいのところから針を入れて一回小さく全返し縫いをして そのまま並み縫いね。」
「はい。」
「もう一方の縫い代の半分まで縫ったら 玉結びが抜けないように押さえてから布を引っ張って。」
「・・・こう・・・ですか?」
「そうよ。 そうしたら縫い糸がゆるむでしょ? 横の布目同士を縫ってるから伸びやすいのよ。」
「はい。」
「それが大事。 縫い目が引っ張られてると表から見たらシワができてしまうからゆるめるのよ。
でも糸が浮き上がってると緩めすぎ。
そんなときは縫い糸を少し引っ張って調整してね。」
「どの位がいいんですか?」
「そうねえ・・・ 布の上に縫い糸が添ってる感じ かな?
それから最後に小さく一回全返し縫いをしたら玉留めをしておしまい。」
「・・・・・・こんな感じ・・かなあ?」
「それで オッケイ!
その繰り返しよ。」
「はい。」
「縦のパーツを縫い合わせたら 縫い目にアイロンをかけてから長い布と縫い合わせるの。
その時に役に立つのが合印よ。
合印を目印にして待ち針を打って さっきと同じように一回全返し縫いをしてから縫い進むんだけど、
縫い代は浮かせてね。」
「浮かせるって?」
「縫わないってこと。
最初一回小さく全返し縫いをしたらそのまま並み縫いをするの。
それから 一つ目の縫い目線の手前で一回全返し縫いをする。
縫い代を浮かせて その根元に針を横に通して次のパーツに移す。
パーツの初めで一回全返し縫い そのまま並み縫い で最後に一回全返し縫い。
その繰り返しで面を仕上げるの。」
「やり方がわかったらあとは家でやってきてね。」
「え?」
「もう一方の でかでかフォーパッチをやりましょう。」
「あ、はい。」
「まず、四方の縫い代が1センチの物から縫いましょう。」
「はい。」
「縦の布目の方から縫うから、それを中表に合わせて待ち針を打って そこまではさっきと同じ。」
「はい。」
「今回は両方とも縫い代を縫わないやり方で縫うから ここからはさっきと違うやり方よ。」
「はい。」
「私はね、玉結びや玉留めが端に来るのが嫌だから、まず最初 布を逆に持って向きを変えて 内側から縫い
始めの端に向かって2針縫う。2針目が丁度縫い始めの端にくるようにね。 そうしたら待ち針を抜くの。
待ち針がこちらに向いた状態で縫うことになるから 危ないと思ったら待ち針の向きを変えてね。」
「はい。」
「「・・・・・・・」」
「こういうことですか?」
「そうね、それでいいわ。
玉結びが縫い目線上にあるけど大丈夫。
そのまま布の向きを変えて もとに戻す ってことね それから並み縫いをすると自然に全返し縫いが二回
できてるってことになるでしょ?」
「なるほど・・・・」
「それから 玉結びのコブが縫い代側になるように並み縫いをして 今回は10センチもあるから何回かに分け
て縫い縮みができないように調整しながら 縫いどまり端まで縫って また布の向きを変えて 持ち変え てから二回並み縫いをしたら自然と返し縫いができてるから それから縫い代側で玉留めね。」
「・・・・・」
「これで両側の縫い代が縫い合わせられてなくって 玉結びと玉留めのコブか縫いどまり端にない状態に
なってるでしょ?」
「そうですね。 確かに。
両側は折り返して縫うってことですね?」
「‥折り返して縫う 八重ちゃん うまいこと言うわね。
その通りよ、折り返して縫って糸のコブを端に置かなくするってことよ。」
「そうですね。 こんなやり方があったんですね。」
「ううーーーん これは自己流。
縫い始め や 縫いどまり に糸のコブが来るのが嫌だったから、自分で考えたのよ。
もしかしたらどなたかが本に書いてらっしゃるかもしれないけど。
それなら もっと仕上がりがきれいかもしれないけど。 私はこれが精いっぱいだから。」
「十分だと思います。」
「ありがとう。
じゃあ、それをもう一組作りましょう。これも縦布目を合わせてね。」
「わかりました。」
「もう一組できたら縫い目にアイロンをかけてからフォーパッチをしましょうね。」
「はい。」
八重は言われた通りにもう一組を作り始めていた。
母さんは 時々八重の様子を見ながら もう一方のポーチの布を縫い合わせていた。
二人は黙ったままでそれぞれの『やるべきこと』をやっていた。
僕も自分のノートを参考にしながら復習のつもりで 自分の『やるべきこと』 をやっていた。
なんのことはない 小袋作り だ。
「もう一組できました。 アイロンもかけました。」
最初に口を開いたのは八重だった。
「はい。」
母さんは針を置いた。
「次はフォーパッチね。
中表に合わせて待ち針を打って。
今回はね、両側は縫い合わせるから縫い代を浮かさないのよ。 縫い代の半分のところから針を入れて
一回小さく返し縫いをして 並み縫い。 中心まで縫ったら布を引っ張って糸の調整をして 最後は針を
縦に入れて 縦に戻しての全返し縫いして布が動かないようにしておくの。」
「いったん糸を切るってことですか?」
「そうじゃなくて 次の作業をするための全返し縫いよ。」
「はい わかりました。」
「全返し縫いができました。」
「じゃあね、縫い針を全返し縫いの根元に入れて 布をひっくり返して そのまま針を抜いて。」
「根元に針を入れて・・ そのまま針を抜いて ひっくり返して・・・」
「表に出た針で 残りの三つの角の先っぽの布目2本ずつ 布が薄い時は三本でもいいんだけど
三か所を順番にぐるりと針を入れて もともと針が出ていたところに針を入れて。」
「布目2本ずつに 順番に針を入れてすくって 元のところに戻って・・・」
「布をまた持ち変えて裏にして 針を引っ張って 糸を絞る。」
「裏にして 針を引っ張って 糸を絞って・・・」
「絞ったら 表を見て 四つ角がきれいに整っていることを確かめて。」
「・・・確かめて・・・」
「絞った状態を固定するために 縫い代に小さく返し縫いをして。」
「縫い代に小さく 返し縫いをする・・・」
「針を隣のパーツに移すために 針を横に向けて 間の縫い代の根元を通して そのまま抜く。」
「隣のパーツに 針を移して 抜く・・・」
「縦に針を入れて 一回返し縫いで糸を固定して 並み縫いで 縫い代の半分まで縫って
縫い縮みがないように気を付けてから 一回返し縫い それから玉留めね。」
「一回返し縫いで止めて 並み縫いで縫い代の半分まで縫って 布を伸ばして調節して 最後にもう一回
返し縫いをしたら 玉留め・・・ですね?」
「それでよし!!
できたじゃない、八重ちゃん。」
「はい!」
「今度は 上に3センチの縫い代があるパーツを縫い合わせるんだけど これは上にファスナーが付くから
3センチの縫い代は全部縫うのよ。 最初一回返し縫いをして並み縫いね。
縦の布目だから縫い縮みに気を付けて 何回かに分けて縫ってね。」
「はい、気を付けます。」
「逆側はフォーパッチの方だから縫い代は浮かせてね。
縫いどまりまで縫ったら 布の向きを変えて 二回縫ったら 返し縫いができてることになるから
それから玉留めね。
これはさっきやったから大丈夫ね。」
「はい、できると思います。」
「二組とも縫ったら、アイロンをかけてから さっき縫ったパーツの上下に縫い合わせるのよ。」
「あの・・ 上から順番に縫うと思ってたんですけど・・・違うんですね?」
「・・・今回はフォーパッチが初めてだから。
中央の四つの角をきっちり決めるのって難しいのよ。 何回かやり直したりすることあるし。
だから底になるところから縫ってもらったのよ。」
「そうなんですか・・・」
「八重ちゃんはできてるから上からでもよかったわね。
次からはどこからでも始めてくれたらいいからね。」
「はい。
私のほうこそ気を使ってもらって・・・ありがとうございました。」
「それができたら 全体の面ができたことになるから 全体の縫い代をアイロンで整えましょうね。」
「はい。」
八重はフォーパッチの方を、母さんはもう一方を 黙って縫い始めた。
縫ってはアイロン 縫ってはアイロン だった。
外はだいぶ暗くなってきたが、二人はそれに気づかず ただ黙って作業をししている。
僕はゆっくりと立ち上がってリビングに明かりをつけてから台所に立った。
・・・・今日はぼくは何もしなくてもいい日のはずなんだけど
しかたがない やるか!・・・・
「できました。
縫い代を全部縫う時と全部縫わない時がありますけど どう違うんですか?」
「それはね、そのパーツは何と縫い合わせる予定なのか で判断するの。」
「なるほど・・・ ファスナーをつけるときは縫い代が縫われていた方がいいですもんね。」
「そうね。」
「縫い代を半分だけ縫うにってどうしてですか?」
「縫い代を端まで縫わない理由はね、縫い代を後で7ミリに切り揃えたいからよ。
縫い代は1センチで切り揃えているから、端まで縫ったら縫いすぎになるでしょ? だから。
かと言って最初から縫い代を7ミリに切ってしまうと布がほつれたときに困るからね。」
「7ミリって決まってるんですか?」
「決まってるんじゃないけど、5ミリでは短すぎてほつれやすい布だとちぎれた感じになる場合があるし、
かと言って1センチもあるとパーツが細かいから表に響いてしまうのよ。
縫い代同士が重なって、もたついた感じになって表から見ても落ち着かないしね。
だから中間をとって7ミリくらいが丁度いい とされているの。」
「そうなんですか。 わかりました。」
「はい。」
「縫い代はね、ミシンで縫う時は割るの。 でも手縫いの時は片方に倒すのね。
それで どちらに倒すって決めるのは自分。」
「え?」
「フォーパッチの場合、一か所を決めたら全部が決まってくるのよ。
縦の一か所を右に倒したら、すぐ下の横の縫い代は下に倒す その斜め下の縫い代は左に 最後の横の
縫い代は上に って自然に決まってくるでしょ?
それで真ん中の縫い代は風車みたいに倒されていて そのままきれいにアイロンをかけて押さえるの。」
「・・・・こんな感じ かな?」
「そう、それでいいのよ。 きれいにできてる。」
「大きな布と縫い合わせる時には、もう縫い代は倒れているからそのまま縫うのよ。
縫い代が重なってるところは、縫い代を押さえるためにも縫ってもいいし 固めるのはちょっとって思え
ば浮かせてもいいのよ。本によっても違ってるから八重ちゃんの好み かな。」
「おばさんはどっちですか?」
「私は両方が欲しいから、縫い代はその幅の半分縫って 半分浮かせてる。」
「え?」
「縫い目の方を半分縫ってきっちり縫い代を押さえてるんだけど、もう半分はズレがあった時になんとか
できるように浮かせてる。」
「なーーる・・・」
「ほーーーど ってこと?」
「そうです!」
「それでパーツを全部縫って つないで 一枚の面を作るのよ。」
「時間 かかりますね。」
「そうね 一つ一つは大したことはないんだけど、たくさんあるとそれだけ時間はかかるわね。」
「そうですね・・・」
「本と同じにする必要はないの。 あくまで参考にすればいいんだから。」
「そうですね、そうします。」
「今回は違う二つを作るから、覚えることがたくさんあるように思うかもしれないけど 何事も慣れよ。
何回もやっているとそのうち当たり前になってくるから 大丈夫よ。」
「はい、頑張ります。」
「頑張らない! 頑張っちゃしんどいから むしろ暇つぶしくらいに考えてやったらいいのよ。」
「そっか・・・暇つぶしくらいの気持ちで気軽にすればいんですね。」
「そう。 細く長く が一番よ。」
「なんか 気が楽になりました。」
「次は何をするんですか?」
「フォーパッチの方は面が全部できたから アイロンね。
もう一方は途中までしかできてないから、次までにそれを仕上げることよ。
もしできてなかったら ここにきてすればいいんだから。」
「はい。」
「それとね、裏布はどうするの?」
「どうするって?」
「裏に綿を張るって言ってたでしょ?
その時に裏布も一緒につけて一緒に縫い付けていくのか、裏布は別に作って後から合わせるのか
それで次にすることが違ってくるから。
今じゃなくてもいいから 考えておいてね。」
「はい。 せっかく二つ作るんだから、それも違えてみようかな・・・」
「それならそれで どっちをどっちにするのか 決めてね。」
「なんか・・・いい匂い しませんか?」
「けんちゃんが何か作ってくれてるんだと思うわ。」
「え? けんちゃんってお料理 できるんですか?」
「私がパートに出てからだから、中一からね。
そのころは早希ちゃんと交代で作ってくれてたんだけど、早希ちゃんが塾に言ってるから私が仕事の日は
いつも作ってくれてるのよ。
今日はゆっくりの日だったんだけど、気を利かせてくれたんだと思うわ。
ありがとうね、けんちゃん 今日はゆっくりの日だったのにね。」
「別にいいよ。 大した事してないし。
ミートソースとポテトサラダをいっぱい作ったから 持って帰る?」
「え? 私?」
「だって 家に帰ったら晩御飯の準備じゃないのか? おばさん仕事だろ?」
「そうだけど・・・ いいのかなあ・・・・」
「家に帰ったらパスタをゆでて、そのお湯でインスタンスのスープを作ればなんとかなるんじゃない?」
「けんちゃん すごいね。」
「そんなことないさ。」
「料理男子なんだ・・・!」
「料理男子 っていうより アイデア&アレンジ料理男子 かな?」
「例えば?」
「例えば・・肉じゃがが残ったら次の日はグラタンになったりカレーになったり だし。
きんぴらごぼうはかき揚げや春巻き 牛肉で巻いて あれってなんていう料理だったっけ?」
「八幡巻きだよ。」
「そう それそれ。」
「へえ 確かにアイデアとアレンジですね。」
「ねえ けんちゃん、 八重ちゃんが要らないって言ったらそのたっぷりミートソースとポテトサラダはどう
するつもり?」
「ミートグラタンでいいんじゃない?」
「なるほど・・・
それもおいしそうだから 今度それ作ってよ。」
「学校から帰って作るんだから、レトルト使うよ。」
「十分です。」
「じゃあ、もらって帰ろっかな。 けんちゃんの手料理 食べてみたい。」
「フツーの味だから・・・ じゃあタッパーに入れるから。
そのままレンチンで大丈夫だからな。」
「うん、ありがとう。」
「もうこんな時間だから 帰らなくちゃ。
遅くまで教えていただいて ありがとうございました。
次からはこんな時間にならないように気を付けます。」
「我が家はいいのよ。 気にしないで。
じゃあ、次はアイロンからね。
もう一方の面を仕上げてきてね。 それからアイロンをかけて 綿を張って って進めていきましょう。」
「お願いします。」
「けんちゃん、今日も八重ちゃん 家真まで送って行ってね。」
「わかってるよ。」
「あ、それと・・」
「わかってるよ。荷物を持てってことだろ?」
「正解! さすが ナイト! 頼んだわよ。」
「・・・」
僕は 八重が片づけるのを待って 一緒に家を出た。
二人で並んで歩くのも二回目・・・ やっぱり緊張している。
「ミートソース、ありがとう。 料理ができるなんて知らなかったからびっくりした。」
「そうか? 大したことじゃないよ。 それに八重だってやってるだろ?」
「そうだけど・・・ だって けんちゃん そんな話したことなかったから。」
「特に話すほどのことじゃないし・・ もう3年になるし。」
「そっか・・・そんなこと話す機会もなかったしね。」
「そうだよ。 二人で歩くのだって小学生以来じゃないかなあ」
「そうかもしれないね ほんと 久しぶり。」
もう八重の家に着いてしまった。
僕はタッパーが入った紙袋を八重に渡した。
「タッパーは空で返してくれたらいいから。」
「ありがとう。 じゃあ けんちゃんも気を付けて帰ってね。」
「おう。」
僕は八重が家に入るの見届けてから 家に帰った。
四日目
僕はノートを見ながら小袋作りをする
今回は袋の口はスナップで止めるようにした
僕は八重のことはあえて書かなかった。
・・・・ミートソース おいしいと思ってくれたかな・・・・
八重のノート パッチワーク パーツを縫い合わせる
*なにを作るかを決めたら、布を選ぶ
布は素材や厚みをそろえると作りやすい
*布にアイロンをかける
*布に型紙を置き、鉛筆で縫い線を描く 今回は正方形だけなので型紙不要
鉛筆は先をとがらせて、線を描くときには必ず斜めにして常に先がとがった状態にする
型紙の線を中心から端に向かって描くと角がきれいに交差する
*縫い線から縫い代1センチで切り揃える ファスナーをつける箇所は縫い代3センチにする
出来上がり状態に並べて色合いを確かめてから布を裁つ
今回は中心で折りたたんで仕上げるので、布の模様の向きには特に注意する
1 ポーチを二種類作る 形は同じでパッチワークの方法が違う
・ 底の角は四角い形にする
・ 綿を張る
・ 裏布をつける
・ 裏布にはポケットをつける
・ ファスナーをつける
・片方は 4センチ四方を縦に9枚 を3本
幅4センチ 長さ36センチを4本 を組み合わせる
・もう一方は一辺10センチの正方形を8枚 フォーパッチという
*布にアイロンをかける
*布の準備 鉛筆で線を引いてからパーツを切る
小花模様の布
・4センチ四方の周りに1センチの縫い代を加えたものを12枚
無地の布
・4センチ四方の周りに1センチの縫い代を加えたものを15枚
・幅4センチ長さ36センチの布の上下左右に縫い代1センチずつを加えたものを2枚
・幅4センチ長さ36センチぬ布の上下に1センチ 左右は片方が1センチもう片方が2センチ
の縫い代を加えたものを2枚
縦の縫い線に4センチ間隔の合印をつける
・紐通し布として幅6センチ長さ28センチの布の上下に2センチ 左右に1センチの縫い代を
加えたものを2枚
長さには28センチの中に4センチ間隔の合印をつける
フォーパッチの布 2種類
・10センチ四方の布の周りに1センチの縫い代を加えたものを2枚ずつ
・10センチ四方の布の上部分にファスナーをつけるための縫い代3センチ 残り三方には1セ ンチの縫い代を加えたものを2枚ずつ
*縫い方 ①小花模様と無地の巾着
・縫い糸を針に通して準備をしておく
・4センチ四方の布の横布目側2枚を中表に合わせて待ち針を打つ
・縫い代幅の半分のところに針を入れて一回小さく返し縫いをする
・もう一方の縫い代の半分のところまで並み縫いをする
・玉結びを押さえて 布を横に引っ張って縫い縮みをなくす
・最後に小さく一回返し縫いをして玉留め
・順番に気を付けて9枚のパーツを3本縫い合わせる
・縫い目にアイロンをかける
・縫い代を7ミリに切り揃える
・縦長の布と出来上がったパーツを中表にあわせて合印を合わせながら待ち針を打つ
・上下には紐通し布をつけるので 端から縫い始める
・最初に小さく一回返し縫いをしてパーツの縫い目まで並み縫いをする
・布を固定させるために一回返し縫いをする
・針を横にして 縫い代の根元に針を通して隣のパーツに針を移す
・最初に一回返し縫いをしてから次の縫い目まで並み縫いをする
・これを繰り返す
・最後にも一回返し縫いをして玉留め
・縫い目にアイロンをかける
・縫い代を7ミリに切り揃える
・幅28センチプラス両側に2センチずつ 計32センチ
長さ36センチプラス上下に1センチずつ 計38センチ の巾着の表面が出来上がる
*縫い方 ②10センチ四方のフォーパッチのポーチ
・縫い糸を針に通して準備をしておく
・四方に1センチの縫い代がある布の縦布目側を中表に合わせて待ち針で止める
袋の口部分になるところ以外は縫い代は縫い合わせない
・縫い始めに玉結びがないようにするために、縫い始め位置から1センチほど内側から逆方向に
向かって2針ほど縫ってから向きを変え、最後まで並み縫いをする
・また向きを変えて内側に向かって2針縫ってから玉留めをする
玉結びと玉留めは縫い線の両端から1センチ内側で縫い目の縫い代側にある状態
・もう一組も同様に縫い合わせる
・縫い目にアイロンをかける
・縫い代を7ミリに切り揃える
・できあがったパーツ二枚を中表に合わせて待ち針を打つ 次は横の布目を縫う
・縫い代の端から針を入れて一回返し縫いをして 縫い目まで並み縫いをする
・布を横に引っ張って縫い縮みがないようにする
・布を固定させるために一回返し縫いをする
・針を縫い目の根元から表に出す
・表から残り三枚の布の角を 布目2本 または1ミリくらい 円を描くように順番に
針ですくう
・針が出ていたところに 針を戻す
・そのまま針を引っ張って糸を絞る
・絞った糸を固定させるために縫い代に一回返し縫いをする
・針を横にして 縫い代を浮かせて 根元に針を入れて 隣のパーツに針を移す
・最初に一回返し縫いをする
・そのまま端まで並み縫いをする
・布を横に引っ張って縫い縮みがないようにしてから一回返し縫いをする
・玉留めをする
・縫い目にアイロンをかける
・縫い代を7ミリに切り揃える
・上下に3センチの縫い代 残りの三方に1センチの縫い代の布を二枚 縦布目を
中表に合わせて待ち針を打つ
・ファスナーが付く方は縫い代の端で最初に一回返し縫いをして並み縫いをする
・縫いどまりまで縫ったら 布を持ち変えて 逆方向に2回縫って玉留めをする
縫いどまりのところはフォーパッチになる方なので縫い代は浮かせる
・もう一組も同様に縫い合わせる
・縫い目にアイロンをかける
・縫い代を7ミリに切り揃える
・幅20センチ プラス両側に2センチずつの縫い代 計24センチ
長さ40センチ プラス上下に3センチずつの縫い代 計46センチの表面が出来上がる
次回はアイロンから
次回までに決めること
裏布について 綿を一緒に縫い付ける方法
裏布で作る内袋
今日はけんちゃん手作りのミートソースとポテトサラダをもらって帰った。
家族にも好評だった。
けんちゃんがお料理もできるなんて知らなかった。
他にも私が知らないけんちゃんがたくさんいそうな気がする。
私はそれを知りたいのか どうでもいいのか ・・・・
そんなことを考えていたら 私はいつの間にか眠ってしまっていた。
できるだけ細かく説明をしたいと思っているので、ついつい説明が長くなってしまいます。
経験にない方にもお伝えできていると嬉しいです。