No2
こんにちは。
家を飛び出た僕は、由希子さんの言い方にイライラしながらなんとなくコンビニへ向かった。
だが、コンビニにつく頃にはその怒りも消えており、申し訳なさだけが残った。
(はぁ~どうしよう、なんであんなこと言っちゃったんだろう。由希子さんは僕のことを心配していただけなのに・・・)
(仲直り、しないとな・・・)
コンビニで少し高めのスイーツを買ってコンビニのドアを通った僕は、そう固く決意する。
その時、スマホから警告音がなった。
ビーン!ビーン!とうるさくなるスマホを慌ててみると、そこには
「ここから南東5kmにF級化物発生。付近の住民はみんな避難してください。」
と書かれていた。
僕はスイーツの形が崩れないように歩きながら「早く由希子さんを連れて避難しなきゃな」と思った。
なぜあまり慌てないのか。
なぜなら、F級化物は最低でも1kmの距離があれば身の安全は確保されるからだ。
化物たちには、ガーディアン協会が定めた強さの指標、通称"ランク"がつけられている。
ランクは F、E、D、C、B、A、S の7段階に分けられており、Fが一番弱くSが一番強い。
だからぶっちゃけそこまで恐怖は感じないのだ。
ただいくら弱いからと言って、前にも言ったとおり僕たち一般人の攻撃は一切通用しない。
また、化物たちだって移動する。
もしかしたら、家の方角へ向かってくるかもしれないのだ。
まぁ、だから避難するのだが。
そんなことを考えながら家に帰っていると、突然
「キャー!」
と叫び声が聞こえた。
僕は迷った。
本来ならば、こういう時は近くにいるガーディアンに助けを求めるのが正解だ。
ただこの叫び声は、先ほどのスマホの情報の化物の真反対から聞こえてきた。
通常、F級化物の討伐にはガーディアンは1人しか派遣されない。
なぜなら、F級程度の化物には1人で十分だからだ。
ただ、先ほどの叫び声の叫び声から推測するに、化物は一体だけではない可能性がある。
そうなると、ガーディアン1人だけでは足りないということになる。
また、助けを求めるのではなく叫び声をあげる、ということはそれほどに切羽詰まった状態だと予想できる。
となると、これは助けを求めるより助けに行くほうがいいな、と即座に判断した僕はコンビニの袋を持って叫び声のした方向へ走り出した。
ランク:F->E->D->C->B->A->S
弱<=======>強