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神の遊戯は死の遊び  作者: 朝霧 月花
魔王編 第1章 孤高の魔王
5/5

エンシェントゴーレム

洞窟の奥へ奥へと向かっていくと明らかに自然のものではない大きな門があった。


「ここが最深部かな?」


「見るからにボスって感じのがいるしきっとそうだね」


ルネッタの言う通り、門を守護するように巨大なゴーレムがたたずんでいた。

3mほどはありそうだ。


「ゴーレムも門も自然のものではなさそうですしこの奥に何かありそうですね」


「このゴーレム動くのか?」


ルイがゴーレムに近づいていく。


「ちょっと、危ないよ!」


「大丈夫だって」


ルイがゴーレムに手を置きぽんぽんと叩く。

その瞬間、地鳴りがしてゴーレムが動き出した。


「おっとっと」


周りの地面が動き、体勢を崩しながらもルイがこちらまで戻ってくる。


「もぉ、ルイが余計なことしたから起きちゃったんじゃないの?」


「いや、ここを通る上でどのみち倒さなければなかったはずだよ」


「そーそー、シュウの言う通りだって」


ルイが前に出て構える。


「仕方ないなー。ちゃっちゃと終わらせよ!」


「紫音、支援魔法を頼む」


僕も剣を抜く。


「プロテクション!パワード!」


紫音の魔法により防御力と攻撃力が上がる。


「いつも通り行くぞ!」


ルイが駆け出すと同時にゴーレムも動き出す。

大きく振りかぶったゴーレムの一撃をルイがかわす。


「くっ、見た目に合わず速いな」


ゴーレムは見た目に反して素速い連撃を繰り出してくる。


「これでもくらえー」


ルイが正面で引きつけている間に横に回り込んだルネッタが矢を放つ。


「なっ!」


しかし、ゴーレムには刺さらず弾かれてしまう。


「これならっ」


僕は魔力を剣に付与して斬りかかるが、これもゴーレムを少し傷つけただけで弾かれてしまう。


「しまった!」


ここでルイも攻撃を躱しきれずに吹き飛ばされてしまう。


「ヒール」


急いでルイのもとへ駆け寄った紫音が回復魔法をかける。

僕とルネッタも一度引いて体勢を立て直す。


この間、ゴーレムは門の前から離れず追撃を仕掛けてこなかったためひとまず集まる。


「これは一筋縄じゃいかなさそうだね」


「わたしの攻撃じゃ効かなさそうだからルイのサポートに回るよ」


「よし!俺とルネッタで隙をつくるから紫音はサポート、シュウはどでかい一撃を頼む」


ルイが拳を打ち合わせ前に出る。


「結局いつも通りですね」


紫音がみんなに支援魔法をかける。


「任せたよ、シュウ」


ルネッタが僕の背中を叩いてルイに続く。


「よし、やるか」


僕も2人を追う。


「さぁ、第2ラウンド開始だ。かかってきな」


紫音の支援魔法により、スピードも上がったことによりルイは先ほどよりも安定してゴーレムの攻撃を捌いていく。


「私もいるんだからっ!」


短剣に持ち替えたルネッタがルイとともに攻撃を逸らし、ゴーレムの体勢を少しずつ崩していく。

2人は双子であり、息もぴったりだ。


僕も魔力を剣に集めつつ、ゴーレムの注意を分散させつつ弱点を探る。


「やっぱりゴーレムの弱点といえば中央の核かな?」


「せいっ!」


ここでルネッタがゴーレムの拳を受け流し隙をつくる。


「ルイっ」


「わかってるって」


ルイが一歩踏み込み大きく振りかぶる。


「崩れろっ、覇山撃!」


ルイの拳がゴーレムの足にひびを入れ、後ろへと弾く。


「落ちろっ」


僕は体勢を崩したゴーレムに重力魔法をかけ、転倒させる。


「パワード」


紫音の支援魔法がさらに乗る。

僕も自身の魔力をさらに込めて倒れるゴーレムの狙い核を剣を振り抜く。


「嘶けっ!」


雷を纏った剣がゴーレムの核を貫く直前、ゴーレムが腕で庇う。


「くっ」


剣はゴーレムの腕を切り飛ばしたものの核には届かない。


「まだだっ!」


腕を失い倒れていくゴーレムの上へと飛ぶ。


「今度こそっ、これで終わりだっ!」


再び剣に雷を纏わせ、さらに重力魔法で加速させて振り切る。


「やった?」


倒れゆくゴーレムの核を今度こそ両断する。


「ルネッタ、それフラグになるから」


ゴーレムの下敷きにならないように先に引いていたルイたちの方に戻る。


「でも今回は大丈夫そうですよ」


紫音の指差す方を見るとゴーレムが守っていた門が徐々に開き始めていた。


「よしっ、早速行こー。1番乗りっ!」


「あっ、ちょっと待てよ」


気の早い2人が駆け出していく。

残された僕たちは顔を見合わせる。


「私たちも行きましょうか」


そう言って紫音は笑顔で歩き出した。

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