【挿絵注意】第一章の重要な登場人物紹介とおまけ
世界転生、第一章の登場人物をまとめているだけ。物語のネタがばれるようなものはない。
挿絵はキャラクター毎紹介の最後にポツンとあるので、回避したい方はそこで目をつむりながら全力スクロールしてほしい。
またおまけはただの設定紹介。本編でもざっくり解説されるが、もし本編と食い違っていれば基本的にここが正しい。
しかしここは、ただリアリティを深めるだけの設定も混在しており、また、使う設定は必ず本編で描写もしくは説明する。
なので設定を無理して見る必要は一切ない。だが、設定はちびちび小出しにしていく予定なのでモヤモヤする人向けではある。
時はまだ涼しげな初夏であり、草木ばかりが生い茂り吹きすさぶ。そのなかで運命を共にする仲間たちである。
彼らは運命の囚われであり、また、誰もが物語の中心にその身を深く揺蕩わせている。
【サルバ】
(外見は)16か17歳ぐらい。軽装戦士のような格好をし、真っ黒なロングソードを獲物にすることになる。
耳が見え隠れするほど短く切られた(たぶん燃えた)髪に、琥珀色の瞳の青年。身体能力は人間にしては高いが、獣人目線で見ると体は脆い。
余談なのだが、身体能力は高いのに体力はないところは、反逆の救世主、というタイトルも相まってどっかのル○ーシュに……
巷でよくみる言葉、ナローシュの語源も彼なのだとか。
ルーク街と呼ばれる北の地で、約5000人の兵が一夜にして消失した事件。後に『ルーク事変』と呼ばれるものの、唯一の生き残り。
記憶喪失のせいか、自分が虚ろなことに恐れを抱いている。彼はその虚ろを埋めるため、コルト騎士団に入ることとなる。
性格については今のところ言及しようがないのだが、方針としては自分のないぶん他人の心境や仕草に敏感だが、それを心の内には留めないよう努める人間。
あ、今作品の主人公です。
【アリン・エルトネスト】
16歳。シスターのような格好をしているが布は真っ白で、胸には貴族のスカーフのようなものをつけている。
第一章のメインヒロインであり、第四部分「戦闘訓練」にちらっと出てきた、後ろに伸ばした銀の髪を三つ編みでまとめた女の子。前髪はぱっつん気味であるが、真ん中はほんのすこしおでこが見えている。
黒い真珠のような瞳は大人な雰囲気を漂わせるが、仕草は親近感の湧くものばかりでギャップを感じさせる。
聖術を扱う者、聖術士であり、訓練兵の身でありながらも実力派ではあるが、戦闘経験が薄くまだまだ不慣れな面もある。
(うーん……まあ、私の中のアリン像や設定を駄弁っていきます。
強気な女の子って感じですね。「鬱陶しい」とえりを崩していたりします。彼女が着ているのが聖術師としての育成過程を終えた際にもらえる、聖教の修道服のようなもので、この時代にはまだないはずの形態のえりがついてます。(世界転生は14世紀辺りをモチーフにしているが、設定上先の時代の産物が出てもおかしくはないため)
折り返しのえりが出るのは15世紀辺りかららしいです。しかもこういうのつけるのは大抵貴族!)
ですので、聖術師ってだけでも半ば貴族に近い扱いを受けられると思っていただければ。)
【リーシャ・エドゥアルド】
8歳ほどの獣人。ちょっとぶかぶかな長袖のシャツに、ながーいスカートが特徴的。おさがり感まっしぐら。
肩の辺りまで伸ばした金色の髪と狼の耳に、深い翡翠の瞳をもつ。それ以外は至って普通の少女であり、リネーラの面影を色濃く感じる。
戦場の真っ只中という状況に年相応の恐れを抱いているが、受け入れるだけの無理をしている。
リネーラはリーシャを相当気にかけており、彼女の為に一軒家をわざわざ立てるほど。
何か特別な理由があり【コルト】にいるようだが、それを知る者は総じて彼女をひそかに心配している。
(リーシャちゃんです……(画力は置いといて)特に書くこともないのですが、獣人の耳は目の辺りをラインとして頭皮とくっついており、驚いた時にもあからさまにピン! とはならず、せいぜい鼻の辺りまでくらいしか上がりません。
(この画像からも読み取ってくれれば助かりますが)リーシャちゃんに限らず、大抵の獣は所謂垂れ耳なんですけど、それは日常生活を送るにしては良すぎる聴力にふたをするためです。
といっても、大きな音を立てたりすると、どうしても驚いちゃうので耳がピンと上がり……馴れない獣人の子供は自滅しちゃったりします。
ここでいう"大抵"から外れるのはフェンリーぐらいなもんです。)
【リネーラ・エドゥアルド】
人間。年齢は想像に任せる。現代風のシャツにスカートの格好。
髪形も肩まで伸ばした金色の髪に、深い翡翠の瞳とリーシャの親を思わせる女性。リネーラ自身もリーシャの親代わりになれるように努めているが、若くして【コルト騎士団】の団長という立場が邪魔をしている。
リーシャからは「お母さん」と呼ばれる割には、おしとやかな面は全くなく、明るく親しみやすい。
部下からも舐められるということはなく、レギンに頼りながらも、やることはしっかりやっているようだ。
聖術士であるが、コルト騎士団の戦闘教義に当てはまらない戦い方をする。そのため他の聖術士に訓練や指導をするのに向いていない、天才肌だけど教えられない人。
リネーラの教えについてこられたのはアリンのみ。
【レギン・エドゥアルド】
24歳。軽装戦士。
黒い髪に包まれるような頭の獣人。【コルト騎士団】の副団長であり、狼の耳に尻尾というチャーミングな面を打ち消すほどの格好いい顔をもつ。とにかく格好いい。どんな、なのか? それはもう、いくつもの死線を切り抜けてきた百戦錬磨の凛々しい顔。そのくせ、表情は豊かなのである。
密やかに悩める男であり、早く魔物との戦いを終わらせたいと考えている。リーシャへの負い目、いつ終わるのかという疑念……部下を危険な目に合わせたくない……色々から。
だかそれは、決して口には出さないというようなキャラクター。誤解を生みやすい性格である。
レギン隊の隊長でもあり、魔物などに対しては突き刺すための細長いロングソードを愛用する。その戦いぶりは同じ獣人でも目では追いきれないほど。
史実でも1350年頃からロングソードには鋼が使われるようになり、薄く細い刃にすることで軽量化と鋼による強度の維持に成功している。
また薄く細い刃にするのは、馬上で戦う騎士たちへの配慮(馬の上から突くため)である。
この世界ではロングソードを細長くしたのは魔物の骨を縫うようにして突くというレギン隊の戦闘教義に基づく。
【フェンリー・ファレンシウス】
白い髪を後ろで短くまとめた、赤い瞳で獣人の女の子。魔女の帽子に黒いローブ、身の丈のほどの杖を持っている。この格好にもちゃんと理由はあり、自分は【魔術】を扱うもの、魔術士であることを自覚するためのもの。
魔女狩りにあったりしそうな格好である、というのはごもっともな話だが、魔術はそれほど異端視されていない傾向にある。
アンタレス大陸では珍しい、鳥族。翼はないが、通常の獣人には見えない色彩がわかったり、骨は空洞になっていてそのなかでいくつもの柱が支えている鳥のものになっていたりする。
さらにアルビノのような白い髪に、赤い瞳という稀少価値も相まって、その存在は異国から来たと言っても信じられる。
性格は特に言及すべき点が見当たらず、良くも悪くも普通の人といったところ。くせがないとも言える。
リネーラにはかなりの苦手意識があるが、戦闘に入るとそれはなくなる。なんだかんだ言って、付き合いが悪いと言うわけではない。
余談だが、彼女の持つ杖はお師匠様からのプレゼントである。決して地面をそれでついたりはしない。
(イメージ画像。グチャグチャ書いているが気にしないでほしい)
(差分のようなもの。)
ここからが設定紹介。
【アンタレス大陸】
今作品の舞台がある大陸。
文字通り砂時計を横にしたような形状の大陸とされており、西大陸と東大陸に別れている。人々は西大陸でしか生活を営むことができない。
その西大陸でもまた、後述する西側の【ロードライト王国】と東側の【エイン王国】という二大王国に別れているというややこしい設定がある。
国境はひとつしかなく、小国などは80年ほど前に全て統合されたという設定。
技術や文化レベルは現代世界で言うところの1350年程度の北欧を想定して描いているが、一般的なファンタジーにおける魔法(ここでは聖術や魔術)の発見により、ここ100年程度で文明が飛躍的に向上した、という背景がある。
結果古いものが溢れており、再利用しようという働きが、新しいものと古いものを組み合わせるという考えを生んだ。
例を挙げるならこれまた後述する【魔導機関】と、馬車である。
【人間】
ここでは現代におけるヒト、人間にいわゆる魔法というものを使える可能性が付与されている生き物のことを指す。
一般的な【小説家になろう】のハイファンタジー作品では生活魔法など、誰にでも扱うことのできそうな普遍的なものが見受けられる。
しかし、本作品でそんなものはない。魔法が使えない者の方が多いし、前提条件をクリアするだけでも4、5年はかかる。
ちなみにこの世界における人、というのは人間と獣人を含める。
【獣人】
お馴染みの【亜人】や【デミヒューマン】のこと。人間の耳の代わりに、個体によってさまざまな動物の耳が生え、尻尾までついている。
前提として人間より身体能力に優れる。また、動物の特徴をある程度引き継いでおり、人間と同等の知性を以て有効活用できるのが最大の特徴。
獣人と人くくりにするといっても、さまざまな種が混在しており、【ウルフ種】だとか、【ディア種】という言葉が生まれている。
アンタレス大陸には陸上動物の特徴を受け継ぐものが多く、逆に海洋や空を飛ぶものは少ない。
今のところ最強争いをしているのは【ウルフ種】と【ベアー種】。僅差だが二の次で【ディア種】となっている。
なんでそいつらなのかというのは、ヨーロッパに住むやばいシカやそれを狩るクマの種を加味したつもりである。
また、イタチ科のクズリはある理由で一章に関しては出ない。彼もまた、狼とタイマンを張れたり、果ては奇襲でホッキョクグマを仕留めたりするらしいのだが……
【コルト】
第一章の舞台。西大陸と東大陸の中間の、やや西よりに位置する地名。
北からルーク街、コルト街、アレイド街という、【コルト騎士団】の前線基地があり、魔物が攻めてこないときは文字通り街のように活気づく。
東大陸と接しているため、昔は子供が誤って行かないようにある歌が風習として残されていたという設定がある。
【エイン東城壁】
西大陸と東大陸を分けるように存在している天然の城壁【コルト山脈】に、見張りのための塔やカーテンウォール、内部にさまざまな施設をとりつけたもの。
魔物との戦いにおいて、西大陸側の最初で最後の防衛ラインである。
【東大陸】
長年足を踏み入れぬよう、存在を隠されていた大陸。
魔物が押し寄せてきたことにより、隠されてきた意味が判明したという設定。地図には確かに存在する辺り、実際がっさい踏み入れて調査したものはいるようだが。
【闇】
災禍のみなもと。これが生物に流れ込むとたちまち魔物へと姿を変えてしまう。常に魔物のいたるところで分泌、循環しており大変危険なものへと変えている。
生物が魔物へと変わる段階は、名称こそついていないものの大きく二つに分けられている。
闇に犯された直後は、その部分の皮膚が黒く染まり始める。特に痛みは感じないため、魔物に傷をつけられた痛みか、目視で気付く必要がある。
やがて1分~2分程度で黒ずくんだ部分が膨れ上がり、やがて皮膚が破裂して魔物の部分が析出する。この状態になると【聖術】では闇を払えなくなるので、聖術を扱えるものは命綱に等しい。
【魔物】
突如として東大陸から押し寄せてきた化けもの。生き物が闇にふれた成れの果て。
異様なまでに生物を殺す事へ執着を持つことから、人を殺すために生まれたものとして人々から忌み嫌われ、排除すべきと考えられている。
物理的な攻撃で一時的な仮死状態にはなるものの、【聖術】による闇払いである浄化を行わなければすぐさま立ちあがり、与えた傷は癒えていくという設定。
生き物が魔物になる際、もとの原型に依存するため個体差が激しい。獣人でもそれは変わらず、ウルフ種であれば狼になり……といった具合に。
人間の場合は聖術があるため、魔物になる事例は比較的少ない。
【魔人】
魔物を統率し、西大陸に襲撃をしかけてきたとされる人の形をした魔物の総称。
何を目的としているのかさっぱりなやつら。一応、リネーラやレギンたちはサルバを魔人だと疑ってかかっていたことから、少なくとも人間と外見は変わらないことがうかがえる。
【聖術】
人類が有する、唯一魔物へ対抗できる力。人間しか扱うことができず、闇に対しては自動的に払う"浄化"と、生命に対しては繋ぎ止める"再生"という二つの能力をあわせ持つ。
"浄化"は魔物に止めをさしたり、闇に犯された人々を救う。
"再生"は単純に物理的な傷を癒すだけにとどまらず、先天的な聖術への才能が必要であるが肉体の強化(筋肉量の増強だったりとか)まで可能。主にこれのお陰で人間は100年間で大きく発展した。
じゃあ、傷を癒すのはどこまで可能なのか?
要約すると、部位の欠損は知識がないとできない。
基本的にはもげてなくなった腕をも再生できる。が、今のところの設定としては、正確に人体構造を理解していなければ見てくれだけで、機能しないことにしている。
聖術は生まれもっての才能に左右されやすい節があり、当然扱えない人間もいるが、全人口の5割程度とされる。
また教育機関である【聖術教会】による、修道院学校での【聖術士】育成も盛んであり、もはや聖術は人間にとって生活の一部と化している。
【ロードライト王国】
西大陸の西に位置する、人間たちの国。【聖術】発祥の地であり、アンタレス大陸における二大王国のひとつ。
首都はエデュセディアと呼ばれるところであり、そこは獣人の立ち入りを完全に禁じている。ロードライトの人々は聖術の使えない獣人を嫌っているため。
ロードライトに分布する獣人の数も少数にとどまっており、差別は根強い。地方を探せば、獣人奴隷もいるにはいるだろう。
その分同族意識は強く、ほとんどの国民に姓がつくほどには結束力が高い。
また、聖術を信仰する宗教【聖教】まで存在し、聖教の教えには特にこれと言って人種差別などの要素はないが、獣人との溝を深める原因にもなっている。
【聖騎士団】
ロードライト王国、国王直属の小数精鋭。
入団資格は「聖術と剣術をあわせ持つこと」「犯罪歴のないこと」に絞られるが、聖術は人間にしか扱うことができないので必然的に人間であることが第一条件である。
その全員が剣術と聖術を高いレベルでまとめており、コルト騎士団と双璧を成して魔物から人々を守っている。
要は超エリート集団。獣人たちを憎みながらも、一応は魔物との戦いに協力する姿勢はある、というのがロードライト王国の立ち位置である。
【エイン王国】
西大陸の東に位置する、獣人たちの国。
【聖術】が使えない代わりに、【魔術】による発明がある。聖術とは違って、魔術はまだまだ人材に乏しく有識者も少ないため、しょっちゅうあるというわけでもない。
例えば、装置にマナを流すだけで魔術の行使を可能にする、魔導と呼ばれる技術が存在し、結集したものを【魔導機関】と呼ぶ。
魔導機関は、魔物との戦いの火ぶたが切られる前に突然発見されたもので、まだ小型化には至っておらず、普及もしていないし汎用性も生かせていない状況である。
だが、【魔術】四大形態の一つ、風で車輪を動かす魔導四輪(作中では魔車と呼称する)などの発明がなされている。
【コルト騎士団】
エイン王国所属の人間、獣人の連合軍。その全員がいわゆる今までの君主というものを捨て、世界の平和のため全ての人々に仕える、という共通意識を持っている。
入団資格は「人間は聖術か剣術、獣人は剣術を高い技量でまとめていること、または見込みがあるもの」「最低限の常識があること」「人間や獣人という種族にとらわれないこと」「15歳以上であること」と、えらく団長の性格が出ている。
コルト騎士団には大きく分けて、軽装で魔物の骨を縫うようにして刺突するレギン隊と、全身を鈑金鎧で堅め魔物の骨を砕くアルベイド隊という、獣人で構成された近接部隊がある。
魔物の骨はとんでもなく堅いので、このような技術重視の戦闘教義(?)が生まれた。
人間は主に聖術による近接部隊のバックアップを行う。
まれに聖術のみで魔物に対抗できる人間も混じっているが、ごく一握り。大抵は聖騎士団に流れるため。
レギン隊の格好は革の籠手、それ以外は鉄の小具足と胸鎧というようなものをイメージしている。軽装戦士といったら、基本的にこの格好。
【マナ】
神秘のみなもと。高度が高くなればなるほど大気中に存在する数は少なくなっていく。
すべての生き物は無意識にマナを大気と体内で循環させている。それを知覚し、マナを操ることによって【聖術】や【魔術】が使用可能となるという設定。操れるようになるまで通常4~5年はかかる。
【魔術】はマナをあらゆる物質、エネルギーに変化させる。
【聖術】はマナで祈りの言葉を象る事によって、傷を癒したり闇を払ったりする神秘を獲得する。どちらも術者の心を反映しやすいという特性がある。
たとえば怒りに身を任せれば効果は高まるが、制御できずに身を滅ぼす(魔術は自分を炎で焼いちゃったり、聖術はオーバーヒールで体が膨張して弾け飛んじゃったり)危険を伴うことになる。
なので、使用するときは必ず詠唱という心の平静を保つための自己暗示を使うのが基本。やる必要がないのはよっぽど感情が揺れ動かない人か、上記の危険を知らない人。
また、テクニシャンな奴は感情を増幅させるために詠唱することもある。
【マナ結晶】
マナを操り、変換するための、生物なら存在すると言われているもの。基本的にマナをなにかに変換しちゃったらもう操ることはできない。
普段は体に溶け込んでいるが、マナを操る際には心臓部に析出するとグレイシル(特に覚えなくてよい)と呼ばれる魔術士が発見したと言われている。
腕の良い聖術士をおいては魔術を行使しながら心臓をかっさばいて確かめて……
【魔術】
一般的な【異世界転生】モノの魔法と差し支えないが、人を蛙に変えたりする変身、ゴーレムなどを作り出す、などはできない。
また、魔法の種類に制限があり、マナは無限の可能性を秘めている万能物質というわけでもない。
大きく分けて魔術四代形態と呼ばれる「火、水、土、風」の四つの系統があり、そのなかでもいくつか種類がある。マナを任意の物質に変換して、組み合わせで応用が利く術。
それぞれの系統に、人によって向き不向きがある。
火は最大の攻撃性を誇っており、風との相性も抜群なのも相まってこの世界では頭ひとつ抜けた性能をしている。火系統の種類は火一つしかないが、特に欠点とはなっていないような。
水は……火を迎撃する用。咄嗟の防御に使えば水蒸気爆発しかねない。水系統の種類は水と氷。なので、基本的には氷を飛ばして攻撃、迎撃する形になる。
後述する土系統もそうだが、尖った氷を突きだしたり(本来の意味とは違うが析出する形で)といった風に頼らない攻撃ができる。
土は、火への咄嗟の防御に使ったり、風と組み合わせて岩を吹き荒れさせたり。後は、土系統の種類は土と岩。鉄以上は今のところ考えてない。
風は、上記三つの系統に方向性を持たせる重要な役割を果たしている。例えば火の玉を放ちたいときは、火の玉を風で支えながら押し出すといった具合に。
「風って常に動くもの」という作者の固定観念から生み出された設定であり、どんな風に流れるのかを事前に使い手は設定できる。
そんなことを言い出したら、どんな火か、どんな水か、どんな土か、ということも出来そうだが、それを突き詰めた結果が火系統の種類やらとか水系統の種類やらとかである。
風は唯一系統が突き詰められていない特殊なもので、今のところ一つしか見つかっておらず、「探せばあるかもしれない」状態。という設定。
【ゾルノアード】
魔導機関に使用される希少な金属。普段は流動性を持っているが、近くで魔術が発動されると魔術の種類に依存して形状が変化する。
その状態ではマナを流すのみで劣化はするが、近くで発動された魔術を一寸の狂いもなく完璧に行使する。例えば、5m先で風を起こしたとすれば、それを記憶したゾルノアードはマナを流すとその5m先で風を起こすといった具合に。
そしてその形状を記憶し、近くにマナがないと、また流動性を持つ金属に戻る。行使する魔術によって形状を制御できる──強魔術性形状記憶金属とも言うべき性質を持つ。
見つけたのも魔導機関を作ったのも魔術士。
魔術士は師弟関係を重んじるため数が少なく、魔術というものは伝播しにくい。無論魔道機関に置いてもそれは例外ではなく、作れる人間は限られている。
そうでなかったとしても、魔人に製法を知られればたまったもんではないので進んで口外することもしないだろう。
魔物との戦争が始まる直前あたりに突然エイン王国で発見、研究されたもの。正直、どうでも良くはないのだがこの設定が生かされる時には少なくとも、世界は転生しちゃっているだろう。