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カジヤノキヤクビト  作者: No.
工房日誌 2017.3~
94/411

3月31日雨 『作者1名』

「新しいの、入ったぞー」


そう言うと、すでに来ていた一人が瞳を輝かせてこちらを見てくる。やけに熱烈なその視線にも飽きたカルラは、溜め息混じりにこう言った。


「テメェ、また来たのか?」

「何度だって来ますとも。何故なら私の生き甲斐なのだから!」

「悲しい人生だな」


以前も来ていたNo.という人物は、カルラの言葉に怯むことなく、しばらく黙ってそこに立っているかと思えば、首を捻って周囲を見回した。


「シュラちゃんとニコはどこでしょうか?」

「何で雇ったことを知っているんだよ。腐れ人間」

「腐れ人間って何!? 知っていたのは、そう、千里眼的なあれこれが……ね?」

「何だ、そのふわっとした能力」


帰る気配もないNo.に、カルラは溜め息をついてみせてから、説明を始めた。


「シュラは宿屋に用事で、ニコは友達と遊びに行った。夕方まで帰ってこない」

「そんな……」


よほどショックだったのか、ふらふらと頭を抱えて足をよろつかせている。

流石に驚いたカルラは、心配そうに尋ねた。


「おい、大丈夫か?」

「こんなむさ苦しいお店に、カルラさんしか居ないなんて……最悪ですっ!」

「かち割られたいのか?」


掌を返して、鎚を握る。

しかし、No.はそれでも構わずに、膝に手を付いて、肩を落とした状態のまま話を進めた。


「まあ、いいでしょう。許して差し上げます」

「お前の存在を俺は許さないけどな」

「それで、今日来たのは他でもなく、コメント2件目の報告や、ブックマークの増量についてなのです!」


いまいち意味が分からない単語を並べているが、恐らくは良いことなのだろうと、No.の顔色から伺える。

へぇ、と力無い反応を示すが、No.は気を良くして続けた。


「今回のコメントはですね、誉められたのですよ! 面白いと言ってくださいました! 嬉しいです!」

「そうかい、一応どんなふうかを聞いてやるけど?」

「1話簡潔で読みやすいコメディだと言われましたよ」

「まったく該当しない時期があったような気がするのだが?」


しばらく謎の沈黙が起こる。そして、気を取り直して、No.は笑みを浮かべて口を動かす。


「細かいことは気にせず、次です!」


カルラも仕方なしに話を合わせる。


「ブックマーク、だったか? どれくらい増えたんだ?」

「2件くらいですね。発狂しました」

「少ないし、反応がエグいな」


想像しても怖いか、気持ち悪いくらいの感想しか浮かばない。

そして、実の無い報告に対してカルラは尋ねる。


「だいたい、こんなことしてないで書いていればいいんじゃねぇか? 誉められたことなんて聞いても、楽しくねぇし」


そう言うと、No.は焦点の合わない目でカルラを見た。


「何いってるのですか? こんなときにでも話さないと、誰もコメントしてくれないではありませんか~」

「暗っらいっ! 何でそんなに卑屈なんだよっ! あと、早くお前のキャラを定めろ、ブレッブレじゃねぇか!」


小さく、無理やりの笑い声が小刻みに溢れる。完全にヤンデレか何かだろう。

No.は一通り泣き笑いした後、大きな声で叫び出す。


「というわけで、帰りますっ!」

「もう、ヤバい奴だな」


ふらふらと傘を差して歩くと、振り替えって口を開く。


「次はニコにも会いますからね!」


そんな3月の終わりにて

No.(?)

特技……ヤンデレる

備考……少しずつですが、皆さんの目に触れる機会が増えたように存じます。今後も、誠心誠意頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします!

ヤンデレるNo.でした!

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