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カジヤノキヤクビト  作者: No.
工房日誌 2017.3~
69/411

3月6日雨 『教師1名』

急いで書いたので、短く、浅いです。ご勘弁(^-^;

「新しいの、入ったぞー」

「そうですか。少し見せて頂きましょうかね」


黒い正装に眼鏡を身に付けた、人の良さそうな男が店の前に立っていた。仕草のひとつひとつが丁寧で、まるで手本のような動作であるためか、妙な威圧感を感じる。


「ああ、すみません。我輩はクラウド・クロスバードと申しまして、この近くの寺子屋で勉学を教えています」

「そうか? あまり見ねぇ顔だが」

「人前に出るのが恥ずかしくて、挨拶回りをしていないのですよ」


照れた素振りなど微塵もなく、頭を掻いて笑っている。


「そうかい。うちにも勉強を見て欲しいやつが居るんだが、お前んとこで何とか出来ないか?」


森出身の外見幼女と、甘党スナイパーである。この二人は少しだけ常識に欠けている気がする。


クラウドは困ったような顔に、笑みを浮かべて首を横に振った。


「我輩の寺子屋では授業料が高いため、あまりお勧めはしません」

「ん? 国が作ったやつとは違うのか?」


国が各所に設置した学問所なら、あまり高額な金銭を要求しないはずなのだ。


「はい、民間です。どうやら、うちの寺子屋は他所とは違う教育をするそうで、通常よりもお金が掛かるんですよ」

「何が違うんだ?」

「人です。教育者が異なれば、勉強する形も違いますし、集まる人を選べば、育まれる人間性も異なります。ようは、間引きですね」


残念そうにクラウドが言うと、カルラは呆れた溜め息を吐いた。


「おんなじような人間集めて育てるよりも、色んな人間の中で育てた方が育つと思うんだがな。何せ、質のいい人間を育てようって訳じゃねぇんだ。質が悪くても誇れる人間くらいなら、医者の家だろうと、宿屋だろうと、鍛冶屋だろうと、学が無くても育つんじゃねぇか?」


カルラは小雨の降る空を見上げた。なんとも暗い淀んだ雲だまりだった。

クラウドは何か晴れたような、そんな笑みを見せて言った。


「……そうかもしれません。それでも人は、人が良いと言った場所を求めるのです。我輩はその期待に沿った人間でありたいです」

「そうか。なら、頑張んなきゃな。ガキは成長が早ぇから、すぐに追い抜かれちまう」

「我輩も、勉強しなくてはいけませんね」


最後は本当に、彼は笑ったように思えた。雲の隙間には、日の光が僅かに差し込んでいた。



クラウド・クロスバード(24)

備考……もはやダブっているのかも分からない名前で、確認する間もありませんでした。第一人称はとある猫から。

あれは先生じゃない? 知らんな。

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