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エラー  作者: 馬鹿面
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高校初めての友達

 主人公と眼鏡っこの話です。


  高校の入学式は、予定どうり8時40分ちょうどから始まった。


 放送部員のものとみられる、甘ったるいアニメ声が体育館に響き渡る。


 「これより、第23回、私立黒ノ須高等学校の入学式を開催します。」   

 

 起立、礼。


 いったい、誰に対してのあいさつなのかは分からないが、無人の壇上へぺこりと頭を下げてみる。


 着席。


 打合せも何もしていないので、生徒の動きはバラバラである。


 生徒全員が席に着くのを見計らってから、バーコード頭の教頭が壇上に登る。


 正直、話を聴く気はさらさらないので、右から左に受け流しておく。


 しばらくしてから、バーコード頭と入れ替わって、壇上に目つきのきつい女の人が上る。


 歳は、40才前後というところか。赤いフレームの眼鏡をかけている。


 ビシッとスーツを着こなす姿が、いかにもできる女ってかんじだ。


 「あの人、理事長なんだってぇ」

 

 隣の席の眼鏡っこが教えてくれる。


 そういえば、名前を聴いていなかった。名前は予知で知っていたが、一応聞いてみる。


 「名前なんて言うの?」


 「えっ、あぁ、そういえばそうだね。まだ名前を聴いてなかったねぇ」


 「私の名前は時村ときむら未来みく


 「私の方は、みねはるっていうんだぁ。よろしくね、時村さん」


 「よろしく、晴美ちゃん!」


 私が観た未来の中で晴美ちゃんは、


 とてつもなくいい子だったので、もともと友達になろうとは思っていた。


 気配りができて、料理も上手で、なによりかわいい!


 現物をみて、なにか心に湧き上がるものがある。


 私の嫁にしたい!ダメなら妹、娘でもいいな!最悪お母さんでも良い。


 とにかく、晴美ちゃんは愛されキャラだ。


 晴美ちゃんに言い寄ってくる男共は、一人残らず殲滅しよう。


 しばらくの間、ずっと晴美ちゃんの横顔を眺めていたが、視線を感じて振り返る。


理事長がこっちをガン見していた。殺気すら感じる。


エッ、私何かしましたか?ポップコーン投げつけるぞ。


何かをした覚えはないが、その相貌は明らかに私を捉えていた。


まあ、無視しよう。未来にも理事長は全然出てこない。


無視しても問題は無いだろう。


「理事長の話、長いねぇ」


晴美ちゃんは、全然気付いていないみたいだ。

 

そんな晴美ちゃんも可愛い!!


「家に持ち帰って飾りたい!」

 

理事長の目力がさらに強くなった気がする。


周りからも少し白い目で見られるが、晴美ちゃんは、


「どうしたの?」


と、心配そうに訊ねてくる。


あぁん!ホントにカワイイ!!


理事長は、壇を降り終わる最後の最後までこっちを睨んできていたが、


晴美ちゃんを眺めるのに忙しかったので、完全に無視をした。


そんなこんなで入学式は終了した。


次は、待ちに待ったクラス発表である。


晴美ちゃんと同じクラスになることは分かっていたが、


「一緒のクラスになれるといいね」


と、お茶を濁す。


「うん!そうだね!!でも・・・別のクラスになっても仲良くしようね!」


ホンット、いい子すぎでしょ!


入学式が終わってから約5分後、クラス発表が始まった。


それまでざわざわしていた生徒達も、急に葬式みたいに静かになる。


バーコード頭の教頭が、


「1組の生徒から、順に読んでいきます。呼ばれた生徒から体育館を出て、自分の教室に向かってください」


と、言う。


そこそこ進学校のはずだが、全体的に緩いな。


未来の出来事などから考えても、この学校は緩い。


自主性を鍛える、などと言っているが、ただサボりたいだけなんじゃないだろうか?


全然、先生が動かない。


まぁどうだっていいが。


順調に、バーコード頭に生徒達が呼ばれていく。


私たちのクラスは1年3組だったはずだ。


全部で7クラスなので、呼ばれるのはまだ早いほうだろう。


だけど、晴美ちゃんは必死に願っているので、呼ばれるまで持ちそうにない。


肩の力を抜かせる為にも、少し話しかけてみる。


「きっと一緒になれるよ。私の勘、結構当たるんだ!」


「うん、ありがとう。私、ちょっと元気出てきた」


お役に立てたなら光栄です。


だけど、ここまでピュアで大丈夫かな?


私が守ってあげなくちゃ!


そうこうしてるうちに、晴美ちゃんの名前が呼ばれた。


だけど、まだしっかり祈ってくれている。


その後すぐに私の名前が呼ばれた。


「ふぁーーーっん!良かったぁ、良かったぁ・・・!!」


晴美ちゃんが抱きついてきてきてくれた。


思っていた以上に胸がでかい。D位あるんじゃないだろうか。


「うん!そうだね!!良かった、ホント良かった・・・」


晴美ちゃんが泣くせいで、私までもらい泣きしてしまった。


7組の生徒の発表が終わるまで、私たちは抱き合って泣いていた。







 

ポップコーン好きという設定を付けたので、序章1の方を編集しました。

途中から機器を変えたので、空きが変わっています。


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