きっかけ
入学式から1ヶ月経った。
クラスはもう、グループに分かれている。
「放課後カラオケ行かない?」
「いいねー」
そんな会話が飛び交う休み時間。
もちろん、僕はぼっちである。
クラスは大体4つのグループに分かれていた。
そんな中、志穂の周りには男女関係なく、いつもひとがいた。
大きな目に長いまつげ。髪は横で結んでいる。
おっちょこちょいなところが、かわいいし、明るくて優しくて人気があった。
「志穂ー、次移動だよ。早く行こうー」
志穂の親友のあかりが言う。
「うんー、ちょっと待って」
慌ててあかりを追いかけようとして机の間を小走りした時、僕の机にぶつかり、筆箱が落ちて中身が散らばった。
「あっ、流斗君ゴメン!」
そう言って拾い出す。あかりは教室の入り口で叫ぶ。
「そんな奴はほっといてさー、早く行こうよー」
「あたしが落としたんだもん。だめだよー、
よし、もう落ちてないね!ホントにゴメンね」
そう言ってニコッと笑いかける。
「いや、あ、うん、ありがとう」
上手く話せてないよな。たぶん顔も赤くなってるかも。
女子と話すのは久しぶりだもんな。
志穂は立ち上がってあかりのところに行こうとした時、今度は自分の足に引っかかって転んだ。
「ぐひゃっ!」
プラスチックの筆箱からペンが散らばる。
僕は立ち上がって、拾うのを手伝った。
「だ…だいじょうぶ?」
「えへへへ、うん、ありがと!
なんか、恥ずかしい」
志穂は照れ笑いをしながらペンを拾う。
「ホントありがとう!流斗君も早く移動した方がいいよ!じゃね」
志穂はあかりのところに走っていった。
その後の授業は志穂の笑った顔が頭から離れなかった。




