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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
珊瑚海、波高し
73/115

獣の海=夜編2=

 インド方面で流れる不穏な空気。そして再び砲火を交える戦艦対戦艦。

「傾斜は何度だ」斜めに傾いた艦橋の中で低いが透き通った声が聞こえた。その声に「左に5度です」と返答があった。魚雷を左舷に2発受けた飛騨はその船体を傾けた。バルジを突き破った魚雷は大きく破口をあけた。するとドッと海水が侵入し隔壁は水圧で次々破られていった。

「排水作業急げ!」指示をしたときには既にその作業は行われていた。ポンプも水兵も無駄のない動きを見せており、この状態ならば間に合うであろう。


 

 「距離1万6000」この時先頭を進む最上に至近弾が与えられた。超砲身で超ド級戦艦の主砲は至近弾といえど恐ろしい。さらに後方では何かが炸裂した音が聞こえた。

「距離1万5000m!駆逐艦親潮、被弾」駆逐艦親潮はモンタナの主砲弾に薄い装甲を簡単に撃ち破られ内部から爆発した。一瞬船体が暗い海からはじけ飛ぶように浮かんだように見えた。おびただしい量の浸水が始まった。白い潮が親潮の周りに集まり海底へといざなう。何百トンという海水を飲み込み抗う手段を失い親潮はあっという間に沈没した。

 「親潮沈没!」悲痛な報告の後に出された指示は敵戦艦への雷撃命令であった。雷撃を開始するのを確認したアメリカ艦隊は進路を変え避けようと試みた。

 同時に発砲した砲弾は最上の後部甲板をえぐり飛ばした。


 

 大型巡洋艦隊はウィチタを中破させた後に駆逐艦シンクレンにも命中弾を叩き込み大破させていた。大型巡洋艦を足止めする予定だったウィリス・リーは包囲網を解き離脱を開始した。シンクレンはこの時星条旗を下げ白旗を掲げ機関を止めていた。


 〇二三〇

 「フロリダ機関損傷!」日本雷撃隊の攻撃はフロリダを捉えていた。300mという船体は的であった。速度の速い酸素魚雷は目論見通りフロリダの右舷に4発直撃した。これは大打撃である。重巡以下なら沈没は免れない。だがフロリダはこの雷撃で沈むことは無かった。ダメコンの必死の作業が行われた。フロリダは戦線離脱を測った。


 

 〇二三五

「撃てぇ!」戦艦越後はモンタナに照準を定めその主砲を放った。飛騨は反対側の舷に注水しながらの排水作業を行い傾きは4度まで修復されつつあった。

「小癪な・・・反撃だァ」モンタナは越後の攻撃を返す様に撃ちこんだ。戦艦どおしの戦闘はしばらく続いた。飛騨はこの10分後に参戦するかのように攻撃を開始した。 



 

 「通信が取れない・・・か」南雲は嫌な予感がしていた。通信が取れないのはベテランパイロットでありそこらの者とは腕が違い操縦ミスで海にダイブすることなどありえない。機体

 次回「王将を撃沈せよ」

 4月21日更新(予定)


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