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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
風雲告げよ
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回想:第1次世界大戦

 後半から史実より異なります。

 ドイツ軍参謀総長ファルケンハインは、世界大戦のこれまでの戦いをこう観察していた。

゛士気旺盛、武装良好でかつ数量が同等な敵に対する突破の企図は成功の見込みが少ない。攻者は徒歩で前進するのに対し、防者は鉄道を利用することができ、多くの場合突入された戦線を閉鎖できる。また、被攻撃正面部隊に退却の判断を任せたなら突破口の閉鎖は簡単であり、これを妨げることはほとんど不可能である゛と言うふうに。

 だが・・・既にこの時戦線は膠着していた。砲声は鳴り止まず機銃音がなる。塹壕内を走る足音が耳に入る。

 塹壕内にいて撃たれないようにしていてもたまに撃たれる。それが塹壕にこもってわかった俺の戦争に対する世界観だ。こんな指でつまれるような小さなものが自分の頭をぶち抜く可能性は十分有り、その時には俺は即死しているのだからたまらない。

 

「地獄じゃないだろうか・・・ヴェルダンは」辺りには火薬の匂いと汗や血の甘ったるい匂いが鼻をつく。硝煙で目が痛みあかあかと充血している。砂埃がたちのぼり視界を遮る。

 ここヴェルダン要塞は第1次世界大戦の中で3本指に入る激しい陸上での戦いだろう。両軍の戦死者は70万を超える、まさに地獄の攻防戦だった。交戦国は攻撃側がドイツで防衛側がフランス軍である。結果イギリス軍によるソンム攻勢によりこの作戦は中止された。作戦目的はフランス軍に戦死者を出させることにより戦争継続を不可能にさせるのが目的だった。


 第1次世界大戦は上記のような戦いも見られたが近代的な兵器が使われるようになった。毒ガス・潜水艦・戦車・そして航空機である。ほかに銃器の変化も見られたが陸上での大量殺害兵器といえばそのようなものがあげられる。

 マリンレッド・リヒトホーフエェンという男を知っているだろうか。第1次世界大戦ドイツ軍パイロットのエースパイロットである。どんな敵機だろうと砲火だろうと彼を撃ち落とすどころか弾を当てることすら容易でなかっただろう。撃墜スコアは公認されているもので80機である。

 彼の機体は当時複葉機ということだから翼は当然1枚でなかった。この時代の航空機の翼は2枚なのだが彼はそれでもなかった。彼の航空機の主翼は3枚だった。そして機体は赤く塗られていた。彼の異名を知っている人は納得できるだろう。そう赤い悪魔レッド・バロンである。


 そうした最中ドイツを中心とした同盟国側は少しづつ劣勢に立たされていた。無制限潜水艦作戦でドイツは中立といつつイギリスなどに武器を送っていたアメリカの輸送船を撃沈した。そのためアメリカはドイツに宣戦布告し圧倒的な質量でドイツ陸軍も圧倒・・・することはなかった。いや質量はあったのだが当時のアメリカ陸軍はそこまで強くはなかった。だが同盟国に敗北の道を進ませることはできた。

 戦争は1918年11月11日コンピエーニュにおいてドイツ軍と連合国軍との間の休戦協定成立により終了した。この時日本はどういうポジションにいたかというとドイツ軍は東アジアに拠点を持っていた。青島である。ここに日本は連合国側としてイギリス軍とともに攻撃を仕掛け最終的に青島要塞を陥落させた。もちろん日本軍は青島だけでなく海軍は、太平洋のドイツ帝国の植民地だった南洋諸島(つまりマリアナ諸島とカロリン諸島、マーシャル諸島)を攻略し、これを制圧した。

 さらに中国には21ヶ条の要求を叩きつけこれのほとんどを認めさせた。また地中海に船団護衛として出撃し大きな活躍を見せた。このため司令官以下27人はイギリス国王ジョージ5世から勲章を受けたほどである。これは連合国の劣勢を覆すことに大きく貢献した。


 この第1次世界大戦期間中日本軍が攻撃を仕掛けた青島にはドイツ軍機が幾つかあった。これをドイツ軍は東洋コンドル軍団という名称をつけた。もちろん複葉機だ。だが、ここに航空隊ができたことに違いはなかった。

 青島が攻撃を受けたときこの東洋コンドル軍団は最初は偵察を行っていたが後半になり中国内陸部へと姿をくらませてしまった。そのとき反日感情を募らせ、また中国共産党に敗れた中国国民党の部隊がこれをかくまった。その場所は現在で言うブータンとチベット自治区の国境線近くの村である。3000キロも離れたこの場所にドイツ航空隊がいるなどほかの国は何も知らなかった。中国国民党はいつか共産党を倒すために、中国国民は打倒日本のためにと。


 ドイツは大戦を敗北したため戦車や毒ガスは製造禁止、航空機などは連合国の許可が必要とされていたが・・・。ロシアは第1次世界大戦中に革命によりソビエト連邦となった。そのソビエトが1922年からドイツ軍の武器製造に手を貸していた。ドイツからは兵器製造の技術をもたう変わりとしてである。

 ドイツはその時造られた航空機を東洋でまだ現存している東洋コンドル航空隊に目をやった。どういう方法で送り込んだかは定かではないが、ドイツ軍は着々と東洋コンドル航空隊の軍備を増強させた。

 そして第2次世界大戦が勃発しUボートがアラビア洋に出港しだした頃に、選りすぐりの搭乗員と爆撃機も東洋コンドル軍団に送り込む事に成功した。


 それが今回日本機動部隊を攻撃した航空隊の正体なのである。そして裏には中国国民党も関連していた。

 回想というより説明文のようなものになりましたね。

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