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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
風雲告げよ
59/115

セイロン沖海戦=Ⅱ= 

 「Uー49との連絡不能」インド沖で行動しているUボートはこの時期3隻だけだった。゛だけだった゛といったが、大西洋に配備しなくてはいけない国がインド洋まで押しかけてきているのだから十分だ。おまけに大量に投入すればいいというものではない。それを考えればまあ妥当な数であると言えるだろう。

 「先ほど輸送船らしきものを撃沈したという報告があったな」と言うとイムラー艦長は近くにいた有力な敵艦に撃沈されたのであろうと考えた。この潜水艦はUー40でもう1隻はUー45である。


 

 特務艦「日向」は格納庫からある船舶をクレーンを使用しておろした。特殊攻撃艇1型である。ゆっくりと海へ下ろされ6隻おろしたところでクレーンは動きを止めた。特殊攻撃艇1型はアリューシャン諸島の攻撃時は対した戦果を得ることができなかった。果たして今回は得れることができるのだろうか。


 

 二三〇〇 特殊攻撃艇はソナーがついていないため轟水と共に行動するのが望ましい。日向についている轟水を除き、3隻の轟水は二隻ずつの特殊攻撃艇1型と行動をすることとなっている。轟水はソナーがあるが速力が遅い。特殊攻撃艇1型は速力は早いがソナーがない。つまり両者の欠点を補うことができているのである。この時日本艦隊は4つの部隊に分かれていた。


 第1対潜隊

 「轟水」3番艦 「特殊攻撃艇1型」2隻

 第2対潜隊

 「轟水」5番艦 「特殊攻撃艇1型」2隻

 第3対潜隊

 「吾妻」「轟水」6番艦 「特殊攻撃艇1型」2隻

 第4対潜隊

 「轟水」1番艦 「日向」


 セイロン沖で消息を絶ったUー49が消息を絶った原因は敵艦に撃沈されたからであろうと考えたUー40はその艦隊を監視、よければ攻撃するべく消息ポイントへ近づいていた。海中にいるため7ノットが出せて良いところだ。Uー40が向かっている場所は1万mも離れていた。だがしかし、U-40は第3対潜隊が距離3000m内にいることを知らなかった。 


 

 二三三五 U-40か轟水かどちらが先に無付けたのかは知らない。だが両者のどちらかが発見しなければこの海戦が起きることではなかったであろう。


 轟水のソナーがU-40を捉え「吾妻」が攻撃をしようとしたのに感づいたのか深度をどんどん下げ遂に最大深度の半分である100mに潜ってしまった。そこで特殊攻撃艇は高速でその場に急行し機雷を次々に投下した。特殊攻撃艇1型はアリューシャンのタイプとは若干仕様が異なっており重量が少し増している分、機雷が1隻に5つ積んでいる。30ノットに近い速度で接近されたためU-40は逃げるタイミングが得られなかった。

 「切り抜けろ・・・なんとしてもだ」U-40の中には神に祈るしかすることしか出来なくなってしまった乗員らがいた。

 しかし、無残なことにこのU-40が残骸に姿を変え重油の膜を海上に残したのはそれから少しした時であった。


 

 二三五〇 海上で爆音が鳴り響いていることにいち早く気づいたのは日向率いる第4対潜隊であった。

「なんだインド方面の海軍の航空隊か?」徐々に見えてくるシルエット・・・それは日本機ではなかった。


「い・・・一体どこから来たんだ!こいつらは」その機体の両翼にはまぎれもなくドイツの国旗が描かれていた。



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