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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
風雲告げよ
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98式防空艦上戦闘機

さて、ここまでのところ日米両軍どちらが勝っているかは判別しづらいところもあるが、アメリカ軍は防衛能力を一層高めている。それどころか新鋭の化物とでも言えるような戦艦を2隻も作成している。日本軍は西太平洋並びに豪州と米軍の接触の遮断に成功している。ただし前回のアメリカ本土戦で陸軍兵力を消耗したどころか、機動部隊を壊滅させられ今後の戦況を不利にしてしまう結果となった。

 今回のアリューシャン、ミッドウェーを奪還されたことにより形勢が不利になりつつことは誰の目から見ても理解できる。


 そしてインド方面のドイツ軍Uボート問題という火種さえ持っている。


 今の現状でアメリカ海軍と日本海軍が総力を挙げ決死の大海戦を起こして日本軍が勝てないとは言えない。だが、日本艦隊はそうすれば1年は行動が不可能な損害をおうだろう。それに対してアメリカ海軍は半年もあれば十分な戦力で日本の領土を島伝いに暴れまわり、日本の艦隊が回復したときは本土戦を強いられるであろう。


 

 日本海軍は作戦針路の再考、需要されうる艦艇を割り出した。

 「需要物資の状況を考えれば機動部隊再建に割いた場合、水雷屋か鉄砲屋のどちらかがボロボロのまま行かねばならないのか」山本五十六は航空機に関心をしているため、なんとしても機動部隊の再建は行って欲しかった。全ては明日の会議により導かれる。



 ホワイトハウスではアメリカ本土奪還を国民にアピールし、さらに日本海軍にもう一泡吹かせれば国民はさらに反日感情をむき出しにするだろうと考えられ、作戦が練られていた。


 勿論北からの攻撃による作戦は練られているが、いかせんソ連を挑発しかねないかという危機感を拭えなかった。ソ連の立ち位置はなんとも地味なものである。正式に米英の敵に回りきれてないのである。ソ連が交戦しているのはドイツと中国なのだ。まずソ連がドイツ側の味方でないことは確かだ。日本軍が中国をソ連とともに攻撃し日本と゛不可侵条約゛を結んでいるため日本の味方であることとされている。


 アメリカ外務省はこの点に注目しアメリカ側に交友的な態度を向けさせようと考えていた。


 日本海軍が今度生産を減少させる順位。

 1、大型艦(大型巡洋艦以上)  2、水雷艇  3、潜水艦

 この3つの生産を抑止する方針で決定された。2と3を見てもらえばわかるが水雷の特殊戦力的な方面が抑止されている。一方の鉄砲屋では大型艦が中止されることとなっている。現在ドッグで作成されている大型巡洋艦4隻中の最後の1隻は案の上、見逃されている。



「98式局地戦闘機が完成したのか」

「はい。今回飛行実験を行い性能が満たされ、問題がなければ1ヶ月後には量産体制には入ります」と米内が答えると山口中将は「そうか」と言い会議場所を後にした。


 「しかし゛双発゛とはな」目の前にある98式局地戦闘機(防空艦上戦闘機)は、双発爆撃機を縮小したような形状である。

 「光」エンジンか「興」エンジンのどちらにするかという議論は陸軍の97式戦闘機お馴染みの「興」エンジン33型だった。つまり合計で2200馬力である。


 そして艦上機としての運用を考えているので空母「鳳翔」より離着艦する。やがてエンジンより爆音をなびかせ、98式局地戦闘機は進みだした。速度をゆっくり上げる中甲板の距離はどんどん短くなる。そして端に来るとようやく揚力を得たのかゆっくりと空中に舞い上がった。


 今回の試行運転でこの機体は要求する速度270ノット(約500キロ)を上回る565キロを記録した。また運動性も良好だった。問題も少々あったのだがそれは試験機には多いもので今後の改良でどうにでもなるものであった。


 以後この艦上機は震電と名付けられ日本機動部隊の艦上機として活躍していくのであった。

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