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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
慢心の代償
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第2次ミッドウェー海戦

 ミゥドウェー侵攻の作戦は米軍の反撃の足がけとなる最重要ポイントだった。アリューシャンとここは取り返さなくては、日本に自国を踏まれているという屈辱を味わい続けなければならぬ。

 

 アリューシャンを占拠した米軍はミッドウェー占領へと着手しようとしていた。対する日本側もそのことはわきまえていた。ミッドウェーでは航空隊が毎日演習を繰り返し猛者ぞろいだったが、陸軍はいささか練度が落ちていた。日本海軍は連合艦隊の出撃を決定したいのだがこの戦いに負けてしまえばもう機動部隊は後がない。さらに石油の備蓄問題なども響き大本営はミッドウェー(水無月島)の守備隊に激励の文章を送るだけで兵力の増強などは行わなかった。


 水無月島ことミッドウェー島は敵の攻撃に備え陸軍は工兵の敷により塹壕やトーチカ陣地構築が始まった。そもそも占領時にある程度の陣地は作成していたためアッツ・キスカなどよりは時間的余裕があった。


 航空兵力は、九七式戦闘機21型 42機・九六式艦上戦闘機11型 12機・九七式司令部偵察機12型 9機・九六式陸上攻撃二三型 5機の堂々たる陣容で計68機である。

 車両は九七式戦闘機14輌・九七式軽装甲車3輌・トラック3台、小型車輌16台。陸軍、海軍合わせて6000名である。これがサンド島・イースタン島・スピット島に分けられていた。

 守備隊長はここの支隊長である一木清直である。


 

 2月3日 アメリカ艦隊が無数の輸送船団を率いて僅か合計で6キロ平方メートル程度しかない島にひしめき合った。

 さらにハルゼーの攻撃部隊が空襲を行うべく大量の機体で攻撃に出たが、九七式戦闘機や九六式艦戦が決死の覚悟で敢闘、さらに攻撃機でアメリカ艦隊を攻撃し新鋭空母ホーネットに一本命中させ、ニューオーリンズ級重巡洋艦であるクインシーが撃沈された。


 この航空隊の攻防戦を停止すべくアメリカ艦隊が島の艦砲射撃を行い次第に沈着していった。ただし本海戦で頭に血が上った戦闘機が4機アメリカの艦隊に体当たり攻撃を敢行し少しばかりの損害を与えた。

 

 2月4日 8時59分、1分ばかり早く到着したLSTからアメリカ兵士がサンド島に上陸してきた。体を伏せ浜から内陸部へ体を前へ前へ進めた。30m進むとトーチカ陣地より機関銃を撃ってくる。けたたましい銃撃音が鳴り響き、トーチカを潰すべく手榴弾とヤンキー魂を持ち合わせ接近していくアメリカ兵とトーチカ籠もりの日本軍の激しい激戦が開始された。


 爆音が起こるとアメリカ兵の式は上がり陣地がしらみつぶしに消されていった。だが、前々より島の防衛陣地構築に精を出していただけあって、島中が要塞となっていた。


 アメリカ兵もM4戦車を投入した。日本軍は地下から九七式戦車を出し、88ミリ砲を浴びせかけた。アメリカ兵はたこ壺陣地を堀り身を隠す。機銃が乱射され数人のアメリカ兵士がなぎ倒された。砲塔がしたを向き観念したとき、97式戦車が爆発を起こした。

 アメリカ爆撃機である。

「今更来やがって!何してたんだ!」アメリカ兵は助けに来た米軍爆撃機に感謝の言葉でなく怒りの言葉をぶつけた。

 日本兵はトラックを装甲車に見立て放置し周囲にピアノ線を巻き、M4戦車が擱座したところで手榴弾を放り込む攻撃もあったが、これは職人技のようなものだった。陸軍の訓練不足がここで現れた。一時殲滅させられそうだったアメリカ兵もふたたび攻勢に移りジリジリと空と陸と海からの攻撃で消耗を繰り返していった。


 この島はひらべったく陸上で守るには不向きなところである。やがて重火器が尽きると日本兵は最後の攻撃を行った。

 


 イースタン島、スピット島もサンド島と同じく消耗を強いられ2日後非戦闘員数百名を除くすべてが万歳突撃で散っていった。少数部隊が地下にこもり抵抗したがこれも7日までに駆逐された。


 米軍は艦載機70機以上、兵士も4000名、戦車を40輌を消耗したが、これではカスリ傷程度のものであった。


 そしてこの日ハワイにモンタナ級戦艦2隻が停泊した。 

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