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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
慢心の代償
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見捨てられたアリューシャン諸島

 アイオワ、ニュージャージー、ミズーリの計3隻が艦砲射撃を行っているのはアッツ、キスカの両島である。かなりの強度を持つ陣地も16インチ砲弾を受けて保てるのは数少なく、内側のものは瞬時に潰れてしまう。

 

 またハルゼーの機動部隊も航空機による爆撃を繰り返した。この頃になると技量も増し、十分実戦で戦果を残せるほどになっていた

 「アイオワ級戦艦さえ失なったり、損傷を受けていなければ早くも奪還していただろうに」


 前回のミッドゥエー海戦でアイオワ戦艦1隻沈没、3隻損傷という損傷を受けた。これは日本で越後が建造を許可する代わりに2隻作ったのがアイオワである。長門、陸奥の時に加え日本を劣勢に追い込みたいらしい。米国も2隻の建造が許可された。そして今回も仏、伊は・・・もう言わなくてもわかるだろう。ただアイオワ戦艦は設計段階でパナマ運河などの関係で遅れに遅れたため丁度フィリピン海海戦が勃発した頃に完成した。

 

 そしてフルに工場を作動させて3ヶ月で戦艦をもう1隻建造するという異常な建造力を発揮した。この時女性までもが建造に参加していたから驚きである。そこにはアメリカの女性でもできる゛電気溶接゛という仕事を与えていたためである。



 今回新たに米国が作成した戦艦はモンタナ級2隻である。

 モンタナ戦艦は全長304m 全幅37mである。機関馬力は15万馬力を4つ装備して速力28ノットとやや遅い。

 排水量は6万8000トン、満載排水量は約8万トンである。


 武装は50口径16インチ3連装砲塔4基12門である。両用砲として12,7センチ砲十基二十門、機銃40ミリ4連装30基120門という重武装。さらに装甲は対50口径16インチ砲レベルである。



 全幅を見てわかった方もいるだろうがパナマ運河が通れないのだ。そのため現在パナマ運河の幅を広げる動きがある。新たに建設しようという考えもあったが、コスト面からも考えて一蹴されてしまった。


 

 この時アッツ、キスカ島の航空兵力はほぼ皆無であった。爆撃機相手に迎撃した戦闘機が17機確認され敢闘したがかえらなかった。ちなみに米国の損失では敵戦闘機の迎撃により24機損失とされていた。


 

 1月21日


 マッカーサー率いる部隊がこの日アッツ島に上陸した。最初上陸した兵力は2000だった。アッツ島守備兵は強烈な水際攻撃で戦車揚陸LST1隻、兵員上陸用LST8隻、駆逐艦1隻小破という戦果を得て米軍に出血をしいらせたが、戦艦の砲撃が集中し陣地は消滅した。


 米軍はさらに1000名を上陸させると島の内部へと進行したがこれは悪夢の始まりだった。敵の抵抗が無いので1個小隊をすすめ、次いで1個中隊を進めるとサンゴで作成した陣地から9ミリ機銃弾が襲いかかった。


 さらにチハ車が2輌隠蔽されておりこの砲撃で重砲までも吹き飛ばされた。1日目は日本軍の海岸線陣地を壊滅させることに成功したが、米軍もまた300名以上死者を出していた。



 以降日本軍は地下陣地によるゲリラ攻撃に映った。


 

 キスカ島も同じく攻撃を受けた。



 

 その時日本海軍は艦隊の復旧におわれていた。その時に米軍のアリューシャン上陸の報告である。

 

 神重徳大佐をはじめとし何人かが艦隊の出動を願ったが頑として豊田は首を縦にふらなかった。


 「長官殿はアリューシャン諸島の兵士たちを見殺しにする気ですか?」

「私だって断腸の思いだ!しかしこうするよりほかあるまい」豊田は艦隊を出動させる案を全て却下した。


 


 アリューシャンの兵士たちは見捨てられたことを悟った。


 

 1月下旬に近づくにつれとアリューシャンの兵士達は疲労がピークに達し地下陣地から次第にいぶりだされて、アッツは30日、キスカはそれより早く27日に最後の攻撃により2つの島の兵士は玉砕した。


 アッツ 日本軍参加した兵士すべてが3000名死亡・捕虜   米軍 7000名参加 2800名死傷

 キスカ 日本軍参加した兵士すべてが1000名死亡・捕虜   米軍 3000名参加 600名死傷


 計日本兵4000名が玉砕した。優勢なアメリカ兵に3400名を死傷させるという損害を出させた。


 ここにアリューシャン諸島は失われた。


 

 しかし戦いは陸だけではなかった。海では小型船の戦いが行われていた。  

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