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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
慢心の代償
52/115

撤退

 すいません。更新が遅れました。


 おまけにグダってます。

 赤城は艦首から沈没を初めて、やがて中央部から船体が裂けた。新鋭小型空母天鶴は爆弾を2発受け火薬庫に爆弾をもろに受け轟沈した。加賀は甲板に爆弾を受けると爆発を起こし紅蓮の炎を巻き上げながら魚雷を受け沈没した。


 この時南雲中将は空母赤城に乗船していたがゴムボートより脱出した。発艦していた96式艦上戦闘機はこの攻撃隊を追い払い陸軍が占領している飛行場に緊急着陸した。

 皮肉なことに機数が少なかったため全機着陸できた。


 

 「撤退だ・・・」この言葉に異論の言葉を放つ者はいなかった。

 そのためには、陸軍部隊も早急に撤退させなければならない。直ちに牟田口にその言葉は届けられた。


 数時間後・・・基地の航空隊が最大限の力を発揮し敵の攻撃を食い止めていた。しかし、この時既に彼我の兵力差は2:1となっていた。この先北方の航空隊が続々現れるだろう。そうなってはおしまいだ。


 一方ハルゼー機動部隊は北アメリカに一度引き戻した。航空機の補充へと向かったのだ。ハルゼー機動部隊も130機を消耗するという大損害を被っていたのである。


 ただ、操縦員は救出されたものが多い。着艦不能の機が続出したのである。パイロットは7割が無事に救出されていた。


 しかしグラマンF6Fヘルキャットは、話によれば40機があるだけという。それまでは96式と同等のF4Fワイルドキャットである。


 

 サンフランシスコの油田を目前にしていた陸軍部隊は困惑した。日本が求めていた油田が今目の前にあるというのにそれを見逃せというのか。


 しかし、隊長の命令となれば仕方がない。夕刻日本陸軍は壮絶なる撤退作戦を開始した。


 戦車部隊や砲兵部隊が榴弾砲や迫撃砲を容赦なく打ち込んだ。どうせ撤退するのだから、のこりの弾丸など知ったことではない。


 2割を最後の船の収容時に来ると思われる攻撃に対し残しておいてそのほかは打ち込んだ。アメリカ兵はまるで自軍らのように日本軍が弾丸を使い出したことに恐怖した。おまけにえらく正確だった。


 そのさなかほかの師団は近衛師団と合流し少しずつ撤退を開始した。


 撤退した場所についた兵団はまずはじめに非戦闘部隊を上陸用舟艇に乗せて、自分たちはここで待ち構える様子を見せていた。



 現場の指揮を執っていた陸軍隊長は敵の切込攻撃の前兆とよんだ。そこで少し下がった場所で陣地をしっかり構えて敵を迎え撃つことを決定した。

 燃え盛る車を横目にアメリカ兵はゴーストタウン化した街を後退した。


 〇七〇〇 あたりはすっかり暗くなってしまった。キャタピラ音や銃声でもすれば悲鳴を上げそうなゴーストタウンだが、これはこれでまた不気味である。


 時折米軍の長距離偵察機が近づこうとするがこれは夜間仕様の九七式戦闘機に難なく撃墜されていたため米軍も活動をやめた。



 その中一個師団をなんとか収容し終えた日本軍は前線に残している部隊に命令を下した。命令は至極簡単かつ奇想天外である。


 "サンフランシスコ油田地帯を爆破せよ"


この行動をするのは 「カ」号機甲軍団と一個大隊である。アメリカ陸軍は突貫工事の末できた防衛陣地で待っていた。

 

 ブローニングM2機関銃を固定し迫撃砲を構えて土嚢に体を隠してくるであろう日本軍を待ち構えていた。戦車部隊は後方で待機していた。


 そして日本軍はきた。上空より飛来してきた。97式戦闘機の夜間仕様だ。大体の97式戦闘機も収容が始まっているが、最低限の支援戦力として残されていた。


 ここで米軍はいきなり250キロ爆弾の洗礼を受けた。

「くそったれ・・・いつ来るんだよ。うちの航空隊は!」お望み通りそれは数分後に来るのだがその煙の中キャタピラ音が迫ってきていた。


「タイプ九六タンクだ!」それと同時に榴弾砲が放たれた。爆炎の中を97式中戦車は走行してきた。1台のキャタピラを破壊したが、機銃と後ろから来た陸軍兵士による攻撃でアメリカ陸軍歩兵隊は度肝を抜かれ遁走しだした。



 後方にいたM3スチュワード戦車がこれと戦闘を開始した。しかし軽戦車と中戦者である。勝敗は見えていた。



 チハは結局7輌破壊されたがM3スチュワード軽戦車を21輌破壊することができた。これよりアメリカ陸軍は分散され戦車部隊が駆逐しているのと並列して精油場を破壊する作業が開始された。


 といっても蒸留した燃料に引火させればたちまち大爆発を起こすのだが。



 かくしてサンフランシスコ油田地帯は航空支援も付け加えられたちどころに爆破された。上空では九七式とF4F、P-40、P-38の死闘が繰り広げられた。


 しかし内地に配備されていた2級混じりのパイロットと前線で活躍している搭乗員では差がありすぎた。アメリカ機はバタバタ落とされた。アメリカ機はダイブの時の速度を活かして九七式戦闘機を狙ったが、勝敗は日本側に傾いた。



 早朝となってサンフランシスコでは焼き尽くされた製油所が今だ炎を上げていた。戦車などは収容した後、水上部隊の艦砲射撃で追い打ちはされなかった。



 今回の作戦で日本陸海軍は備蓄した石油をほとんど使用してしまった。つまりは南方の油田に頼る結果となってしまった。


 一方のアメリカ軍は損害を受けたものの1晩で完全に油田を無効化してしまうことは不可能であった。逆に空母を計4隻沈めたのは大戦果であった。


 ハルゼーは日本艦隊に追い打ち攻撃を行ったが対して戦果は上がらなかった。ミッドウェー島を抜けたところで攻撃を中止した。だがハルゼーは今回の件で名声性をあげ国民の支持を得た。


 

 ルーズベルト大統領は満足そうにスケジュール表に目を通した。海軍は今回で全滅規模となったが新たな空母と戦艦が作成されるのだ。


 

 こうして米軍本土戦はアメリカの反撃の足がけとなってしまったのだ。



"大本営陸海軍、本未明アメリカ軍と激戦敢闘克く敵戦力を 撃摧しつつあり、また油田地帯を爆破せしめたが、その目的を達成せるにより、米本土を撤し、他に転進せしめ られたり"

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