西太平洋大海戦Ⅱ
大型巡洋艦の細部をのせていませんでした。今までたぶん3連装砲と思った方がいるだろうに。連装なんです。
ニミッツは自分が絶望のふちに追われていることを知りつつあった。有力な水上部隊が第5任務部隊が壊滅したのである。それも2隻の重巡洋艦を残して両方戦闘不能までに追い詰められている状態だ。駆逐艦2隻は無事だが、これだけの戦力では空母1隻分の相手も出来まい。
戦力を喪失していた加賀だが応急手当により傾斜を直すことに成功し少数ばかり機体を発信できるようになっていた。
ハルゼーの機動部隊は1隻失っただけとはいえ、それなりに機数を喪失している。相手も軽空母1隻、正式空母中破と大破となっている。
なんとしても相手の主力部隊を分散しなくてはならない。そうして陸は陸で、海は海で分けたところで総力をぶつけて戦闘を行うのが賢明か…。ニミッツは必死に計画を練った。
その頃日本側の大型巡洋艦"松浦"のオイルタンクに亀裂が生じ、機関の調子も少し悪くなっているという報告が入っている。急な突貫工事のせいである。
この巡洋艦は国内で初めてブロック工法を使って出来たものだ。この方式は各部品をブロックにわけ順番に作業することで作業効率が上がるのである。設計図自体は何例か開戦初期から出来ていた。そして3ヶ月ほどまえ抜粋されていた。既に需要大臣などと話し資材などはそろっていた。
しかしながらそんなことをしたって日中戦争次期の戦艦レベルのものが造れるわけがない。大体高角砲などの予備なども無い。
いままで詳しく記述していなかったが大型巡洋艦は以下の性能だ。
全長 210メートル 全幅 23メートル 動力源 石油タービン12万5000馬力
速力 31ノット 巡航速度 16ノット 定員1200名
武装 主砲 50口径30センチ砲連装砲搭4基8門 副砲 なし 高角砲・機銃 省略
防御 バイタルパート部分は対10インチ装甲 バイタルパート部分は60パーセント
艦橋は念入りに2重装甲(の予定だ。まだ艦橋部は未装備)
主砲と対空設備が重視されているため副砲はついていない。これにより縦の長さを短く出来た。速力が設定値より2ノットと遅いのは突貫工事のせえである。
それでも3隻が起工できたのは工作員の血のにじむような作業のおかげであろう。
ただ通信機器がやや不足気味であり訓練もまだ未熟と言うのが欠点である。そこまでして出したかったのはよほ戦力が逼迫しているからだったのだろう。
それはともかく大型巡洋艦より少しずつぼろが出てきたと言う情報がきている。
ハルゼーはこのときもてる戦力全てに望みをかけることを決意していた。さらにこのとき日本軍搭乗員より誤情報で正式空母3隻撃沈というものを受け取っていた。もっとも他の情報もあるが航空長官は戦果を誇大にし2隻撃沈、1隻損傷を与えたという情報を与えてしまったのである。
これにより空母部隊を撃滅したと言う慢心を得た。相手の空母を残り1隻と判断し、日本機動部隊はなんとカリフォルニア侵攻作戦を再び開始すると言う行動に移ってしまった。戦闘機とわずかな攻撃機のみを空母に残し、大体はアメリカ軍陸上基地を攻撃する任務に赴いてしまったのである。
この頃アメリカ軍の容赦ない反撃が始まっていた。戦車はM3スチュワード戦車に加え大量の装甲車による日本軍を分断し撃滅すると言う先方で前方の兵力を消耗させていた。
既に日本軍の死者は1万を超えようとしていた。また航空支援も後数日で受けれるとアメリカ陸軍は考え無闇に攻撃してしまうアメリカ陸軍が出たが、突出している部分は航空機により壊滅させられ97式戦車により駆逐された。
〇三〇〇 ハルゼー機動部隊は残りの機体をぶつけるという作戦を取り日本機動部隊を叩き潰す作戦にうつった。
ハルゼーは150機もの大編成を空母から発艦させた。ウィリアム・ハルゼーは艦橋から微笑を浮かべていた。
〇四〇〇 機動部隊の爆弾などは舟艇で空母内部へ送られ格納庫へとちまちま移されていた。ただこの攻撃でアメリカ陸軍は200名の損失と20機の航空機を失ったのに比べ、日本は3機撃墜に過ぎなかった。同時に戦車部隊で突破口を作成するとすかさず日本陸軍の白兵突撃が始まった。町は次第に瓦礫に代わり装甲車などが使えない。また航空機で通路が破壊された。
このときアメリカ南部の精鋭部隊である第1海兵師団は北進を開始。サンディエゴへと前進していった。
これを受けて攻撃隊は
『第二次攻撃の必要性あり』と打電した。このとき飛行甲板は日本より遅れて派遣されていた潜水艦が敵機らしき爆音を聞いたというため、敵空母に止めを刺すため魚雷が用意されつつあった。ここで攻撃隊が帰還した。南雲中将は偵察機などを四方八方に送ったが雲が多く発見できなかった。
南雲中将はしばらく考えたが対空陣をとれば問題はないとした。何はともあれこのとき上層部の人間が全員興奮状態にあったことに違いは無い。
そのまま爆弾の転換作業に変わった。
〇四五五 白い雲の切れ間から黒い雲が漏れ出すかのように出てきた。次第にそれは航空機であることがわかった。
機動部隊空母は爆弾、魚雷で埋め尽くされていた。あわてて戦闘機の援護などを要請したが遅かった。大型巡洋艦や駆逐艦、巡洋艦、戦艦などの対空射撃を行ってもむなしい程度の効果しか上がらない。やがて水柱が空母近くに立ち上り、空母の甲板に命中した。
突如閃光と、激しい爆発音で海上は荒れ狂ったような赤色に染まった。
〇五〇〇 結果アメリカ攻撃隊襲来の情報を軽視したために巻き起こしたのは正式空母2隻、小型空母1隻の計3隻の沈没と言うものだった。僅か5分で日本機動部隊は壊滅したのであった。