西太平洋大海戦
「轟水を喪失加賀も戦闘不能か…。このままでは我が艦隊は敵の攻撃を受け続けることを覚悟しなければなら無くなったわけで、おまけにアメリカには空母がいるうえ、長官が倒れている今、皆の士気は下がっています」作戦室で声をあげたのは豊田であった。
「とりあえず我が艦隊は敵空母の撃滅と敵潜水艦の創作に全力を挙げなくてはならなくなってしまっら用だな」と山本五十六が言う。
南雲はしっかり機動部隊で解決する気らしい。
つまり陸については陸軍で解決しろと言うことになってしまう。陸軍は今こそアメリカ航空機の来襲してくる数が少ないからいいのだ。もし最寄の場所に飛行場を築かれれば100機など200機などアメリカ機が飛んでくるかもしれない。アメリカだから本当に行動するだろう。
〇六〇〇 夜が明けてくるであろう数十分前に2隻の正規空母の上でプロペラを回している大編成が見えた。
「ほら食え食え」休憩室ではパイロット達が握り飯を口に押し込むように食べていた。さらにたくあんも用意されていたため遠慮なく腹に収める。
戦闘中の飯を炊くのは大変だ。悠長に作っていられない。速く作らなくてはならないうえ人数が多いのだ。そのため係員は水に手をつけては厚い飯を握っていた。そのため手は焼けどだらけだがそんなことは言っていられない。
「いいか敵空母を撃沈しろ!他の艦艇はどうにでもなるから良い」と航空隊は怒鳴るように聞かされた。
魚雷や爆弾を装備した艦上攻撃機や艦上爆撃機がエレベーターによってあげられてくる。
「敵艦隊発見」の言葉を受信したのはわずか10分後のことである。暗闇の視界で偵察員は駆逐艦・巡洋艦を少数構えた空母2隻を発見したと言うものだった。
実際の編成は駆逐艦8隻と空母4隻である。まあ暗闇で雲の割れ目から偵察したのだから仕方が無い。何はともかく機動部隊がいたことに変わりは無い。
このとき連合艦隊も西部方面に100海里ほど移動していた。もっともこれは越後を旗艦とする第1戦隊と第5戦隊である。他は護衛と地上砲撃支援である。この艦隊も北西地方へと進路をとっていた。途中雷撃されたがこれは回避できた。
日本艦隊は空母発見の報告を受け早速攻撃隊を出した。
第1次攻撃部隊(戦闘機42機 爆撃機20機 雷撃機24機)
第2次攻撃部隊(戦闘機20機 爆撃機30機 雷撃機40機)
第3次攻撃部隊(第1次攻撃隊で機体良好のもを合わせて爆撃機6機 雷撃機12機)
早速第1次攻撃部隊は出撃した。
一方アメリカ艦隊は駆逐艦2個戦隊しか構えていなかったことに不安を覚えていた。しかし彼らは数時間後合流することになっている艦隊があった。それは第5任務部隊だった。マッカーサーの輸送船部隊を守る必要性がなくなったのでこちらにまわせることが出来る。
1度きれいに記すと。
アリューシャン攻略機動部隊>第58任務部隊とハルゼーにより出撃前改名。
アメリカ海軍 日本艦隊撃滅作戦長官:チェスター・ニミッツ
第58任務部隊:(ウィリアム・ハルゼー)
空母レキシトン、サラトガ、レンジャー、ヨークタウン 2個駆逐戦隊(駆逐艦8隻)
第5任務部隊:(チャールズ・マクモリス)
重巡洋艦 ヒューストン、オーガスタ、ソルトレイクシティ
軽巡洋艦 リッチモンド
駆逐艦 ベイリー、コグラン 、モナハン 、デイル
これだけあれば水上打撃部隊だけで戦艦でさえ勝てないだろう。
しかしウィリアム・ハルゼーは重大なミスを犯していた。いやこれはハルゼーのミスではない。偵察された事を同じく甲板上でエンジンをふかしていたハルゼーの艦隊には聞こえないのだった。低い馬力に対して巨大な馬力エンジン多数ではうまく聞き取れなかったのだ。
第1次攻撃部隊(戦闘機50機 爆撃機24機 雷撃機36機)は雷撃機1機がエンジントラブルで引き返してきたのを除き全てが発見した場所へと向かっていった。
〇八〇〇 すっかり朝となった。ハルゼーは上空警戒機の交代をそろそろ行おうとしていた。同時に日本艦隊に一泡吹かせようとしたときである。
先ほど飛ばした偵察機から良くわからない電文が来た。よほど慌てていたらしく誤字だらけだ。悪い予感がしたハルゼーは戦闘機をさらに上げた。
そこに第1次攻撃部隊が突っ込んできた。緑色に細く美しいシルエットがアメリカ艦隊の上空に達した。すぐにF4Fが迎撃に出た。F6Fは攻撃用にとっておこうとハルゼーはしていた。なにしろ数がまだ不足気味なのだ。
F4Fと96式艦上戦闘機ではF4Fが速度20キロ上回り武装、防御を上回っていたが機動性、上昇力では劣っていた。さらに錬度の問題も有る。しかしF4Fも2対1で戦うロッテ戦法を取っていた。しかし50機とは予想以上に多い、上空を飛来したのは60機であったからたまらない。1分でF4Fは3機撃墜され96式戦闘機は2機が撃墜された。爆撃機が2機落とされたが攻撃隊はそれを尻目に襲ってきた。
空母軍の濃厚な弾幕射撃が始まった。しかし決死の精神で向かってくる機体を全て落せようものなら航空機は偵察でしか使用目的が無いと言うものだ。
被害担当艦となってしまったのはレンジャーだ。250キロ爆弾が左側に2発命中し、1発は不発となったがもう1発は左舷後部甲板を貫き爆発。魚雷は右から4本、左から5本打ち込まれ両方に1初ずつ命中した。バルジを持たない空母は弱い、速力がどっぷり落ちた。さらに駆逐艦メイヨーに250キロ爆弾が三発命中し戦闘能力を喪失してしまった。
しかし攻撃はこれで終わった。攻撃機が少なかったからだ。日本機は30機が撃墜されたがアメリカ側も40機が撃墜されるという損害を被った。
アメリカ機動部隊はすぐさま攻撃部隊を甲板上に並べて出撃させたときだった。
〇八三二 第2次攻撃部隊が上空に現れたのだ。お互いこれには困惑したが戦闘機部隊はこれと退治しあった。
戦闘機が少ない攻撃隊のため射撃を受ける攻撃機があったがやはりこの第2次攻撃部隊も空母を狙い進んだ。レンジャーにまっすぐ向かいにいき、速度が落ちている空母に爆撃部隊が殺到した。甲板上には少数ばかり魚雷や爆弾を搭載させた機体があった。そうまだ飛び立つ前の機体だったのだ。そこに爆弾が命中したらどうなるかはわかる。
いやみのごとく襲ってきた爆撃機の爆弾は5割がたが命中した。実に7発が命中した。そして甲板は火の海となり爆発が続いた。レンジャーにはさらに爆撃が加えられ甲板は完全に破壊しつくされ格納庫に引火すると大爆発を起こし空母としての原形を失った。後に味方駆逐艦により雷撃処分を受ける。
雷撃部隊は駆逐艦や空母に向けてはなったが意外にこれがあたらずレキシトンに1発命中したに過ぎなかった。
爆撃部隊は駆逐艦ランズデールに2発至近弾を与えた。さらにはサラトガには250キロ爆弾3発、800キロ爆弾が1発命中した。サラトガは悲鳴に似た音を上げながら火災を起こし機体が炎上しだした。消化ホースを必死に振りかざしなんとか食い止めたがサラトガは搭載機の8割を消失させてしまった。
しかし上空に出た機動部隊も悲惨だった。何しろ爆弾などを積んでいたのだ。隙を見て96式戦闘機に襲われた。しかしF6Fを攻撃部隊用に残していたのは正解だった。何しろ96式戦闘機を全て撃墜したからだ。
よって第2次攻撃部隊は雷撃機17機、爆撃機20機を除き壊滅した。
ハルゼーは
「よしジャップの攻撃は終わったいまだ!!攻撃だ!キル ジャップズ キル ジャップズ
キル モアジャップズ(日本人を殺せ 日本人を殺せ 日本人をもっと殺せ)」
もうすぐすれば第5任務部隊が到着するのだ。そうすればジャップの艦隊をドンドン沈められる。レキシトンは致命傷どころか速力の低下すら現れなかった。ダメージコントロールが優秀なのだ。
ハルゼー機動部隊は出撃し日本機動部隊を発見した。
〇九四二 戦闘機が12機しかない日本機動部隊はハルゼーの150機に及ぶ攻撃にさらされた。そして遂に…
利根大破、飛騨、対空装備ほとんど損傷、駆逐艦1隻撃沈、1隻中破、赤城中破艦尾より火災を生じている。小型空母龍驤轟沈。
ここまできてハルゼーは意気揚々と第2次攻撃部隊を編成していた。
その時豊田と山本は顔を合わせ
「作戦は第1段階成功ですかね?」
「まあ、…そうですかな」という話をしていた。
そして南雲は"第三次攻撃部隊"の報告を聞いて微笑んだ。
ハルゼーはその時第5任務部隊の到着が遅いことが気にかかった。そして電信を送った。
"第5任務部隊は、いずこにありや"つまりどこにいるかと聞いているのである。
しかし返信は返答にはなっていなかった。
"我が艦隊は敵艦載機により攻撃を受けて撤退中。
重巡洋艦ヒューストン大破、オーガスタ沈没、ソルトレイクシティ浸水多数機関停止
軽巡洋艦リッチモンド沈没 駆逐艦モナハン 、デイル沈没
チャールズ・マクモリス少将は戦死した模様"
ハルゼーは真っ青になって
「やられた!」と帽子を艦橋の床に投げつけた。
どうも加来です。
時間系列を狂わせて書いているため指摘を受けています。大変ありがたく思っています。
さてここで越後の弁明にも満たないですがさせていただきましょう。というか…私はこんな書き方をしていたのかと思いました。字足らずだったんですね。重度の。
500ミリの装甲は艦底にまで及んだ。←御免なさい。ミスの塊です。
底までは続いていません。底は30ミリ装甲です。
バルジです。そしてバルジの一部が500ミリであり他は大体30ミリ程度です。もちろん水上のバイタルパートは500ミリ~220ミリで艦首、艦尾の防御はそれ以下ということです。
指摘してくださったにもかかわらずここまで放置していました。
私の小説を指摘してくださいましてありがとうございます。そして毎回読んでくださっている方も沢山いてうれしい限りです。
では最初の方の話は訂正しました。
スイマセン。そしてありがとうございます。
これからもお互い忙しい中、よろしくお願いします。