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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
変わり行く戦局
37/115

米軍逆襲!!暗雲の海戦

 米軍の水雷戦隊は壊滅的損害を被った。56隻中21隻が戦闘不能もしくわ沈没しており巡洋艦にいたっては5隻が沈没か大破しており陣形は現在無茶苦茶である。

 

 そこに日本軍の金剛と比叡の35センチ砲弾がひっきりなしに降ってくる。駆逐艦や巡洋艦の魚雷や砲弾がおもしろいように当たる。


 そして14インチ砲を旋回させながら一箇所に固まってしまい身動きが取れなくなってしまった艦をひたすら撃つ。米艦隊は完全にシムス級駆逐艦12隻を喪失し、他の駆逐艦もこのままでは全滅してしまう。


 ここで米巡洋艦が必死の反激戦を展開した。残った5隻が機動力を生かし輪が水雷戦隊に対し半円を描くようにして対抗してきた。

 それ対してこちらは一列で突っ込むだけである。戦艦2隻が巡洋艦を撃沈しようと砲弾を撃ちまくる。 この時米駆逐艦部隊は陣形を立て直すことに成功し巡洋艦に気を取られているのである。巡洋艦の間を縫うように躍り出てきた。そして米艦隊がいっせいに魚雷を発射した。かごに入れられそこに適当にものを投げればかごの中のものは大変なことになる。今その状況に日本水雷戦隊は陥ったのである。


 

 発射し終えたところで巡洋艦に1隻に砲弾が着弾した。既に距離1万8000をきっていたため面白いようにあたる。たちまち集中砲火を浴びせられ沈没し至近弾が周辺の駆逐艦2隻に命中した。そして轟々と爆発しながら沈んでいった。文字通り轟沈である。


 しかし…米艦隊の包囲攻撃は効果的だった。何しろ一列で進んだため両側に均等に当たる。機銃で撃って爆発させたものもある。さすが日本の駆逐艦と結わんばかりの回避行動を行った艦もあったが、そんなホイホイ避けられるものでない。


 先頭を行っていた鈴谷が2発を左右に受け艦尾から暗い海に引きずりこまれた。さらに5隻が立て続けに雷撃を受け沈没した。


 一気に燃える廃墟となった味方の水雷戦隊を見て怒りをあらわにして残った巡洋艦・駆逐艦はまっすぐに突入して言った。左右は敵だ。

「左右砲雷戦始め!」号令とともに日本水雷戦隊は逆U字型の陣に突っ込んでいった。また比叡と金剛も接近し両側の敵艦を吹っ飛ばした。


 

 しかし米軍の無数の駆逐艦は高速で動き回り雷撃で攻撃。



 30分後にこの海域に残っていたのは第1/2主砲をひどく損傷した金剛と小破/中破した駆逐艦5隻が残っているだけだった。事実上この海戦に参入した米水雷戦隊と日本水雷戦隊はほぼ全滅した。6隻の駆逐艦のアメリカ水雷戦隊が遁走した。それ以外はみな海のそこか浮かべる廃墟である。


 その燃え盛る海の中で水兵が逃れようとする。重油にまみれながら仲間に救援を求めている。駆逐艦は傷ついたその体をうごかして居場所を失った水兵たちを救い上げた。しかし必死の救援にもかかわらず大量の水兵が死亡した。


 同時刻、突如潜水艦に襲われた轟水-2が沈没したが轟水-4がその潜水艦を撃沈した。米潜水艦は2隻いたためそのうち1隻が何とか逃げ切り新型の駆潜艇を日本が開発したという情報を本国に届けた。


 

「水雷戦隊が壊滅した…」艦橋から燃え盛る海を見て愕然とした。机上演習を大幅に上回る損害である。戦艦がついてきてありながらなんとも情けない。しかし勝ったのだからよしとするかと一人で納得した。


 

 「アイオワ」「ニュージャージー」「ミズーリ」「ウィスコンシン」の内ウィスコンシンは飛騨と越後の53口径の化け物長砲身から異常なほど早い初速で吐き出される約1トンの砲弾を5発受けてノックアウト寸前だった。防御区画も2箇所が破壊され右舷に3度のゆがみが発生していた。さらに火災が発生しダメコンが死力を尽くしていた。

 

 ウィスコンシンは新たに2発の命中弾を艦橋と右舷側に受けた。右舷側に受けた砲弾は走行をやすやすと打ち抜き艦内で大爆発を起こした。破れた舷側装甲部分から紅蓮の炎が吹き出てきた。艦橋は破壊されなかったが爆風と破片で構造物に多量の損害が出ていた。



 ウィスコンシンはいまや完全に沈黙状態となった。そこに精魂尽き果てながら死力を尽くす日本の水雷戦隊が決死の肉薄突撃を開始した。



 アイオワの砲弾が越後を捉えた。越後はまず右舷に砲弾を受けるが浮力を犠牲にしてまでつけている化け物のような500ミリ装甲に阻まれて海中に落下した。


 越後が狙いをウィスコンシンからアイオワに変更した。すると飛騨もアイオワに変更した。突如ウィスコンシンが駆逐艦の最後の魚雷を受けて沈没していった。防御部分は完全に破壊されていたのである。



 アイオワは戦況が不利になったとみて撤退を開始した。

「長官引き返すのですか!」スプルーアンスに聞くと

「水雷戦隊は壊滅、戦艦も1隻が沈没した。そして何より上陸部隊を護衛する駆逐艦がなくなったんだ。敵もこれ以上反撃は出来まい」

 そう日本海軍も壊滅的な損害を被っていたのだ。

 日本が資源不足でこの戦争は負ける。スプルーアンスは勝ち誇ったように笑いながら撤退した。



 さすがの鴨田も追撃は命じなかった。


 

 そして迎えた本国帰還の日。そこには悲惨な光景が広がっていた。 

 ミッドウェー海戦終了。上陸を防いだが壊滅的な損害を被った日本艦隊はどうなる?

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