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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
壮絶なる消耗戦
32/115

反撃!アメリカ航空隊

ポート・ダーウィン爆撃のために4機が配備されていたのは既知のとおりである。その4機は60キロ爆弾を積んだものが3機だった。1機は特殊爆弾なるものをつんでいた。

 3機がつんでいる爆弾は石鹸や悪質ガソリンなどを入れて作成したものである。今回は多量にばら撒くのが作戦である。60キロ爆弾を20発積んだものが3機のため60発だ。

 4機は大きな水しぶきを上げ水面という滑走路より飛び立った。


 〇二〇〇 既に出撃して何時間がたつだろうか?オーストラリアの海岸が見えてきた。ポート・ダーウィンを目指し3機が向かった。1機は何故か他の機体と違うコースを進んでいった。


 〇二五〇 オーストラリア空軍のダーウィン基地を三機が見つけたのはこのころだった。60キロ爆弾といえど滑走路周りのものを破壊するなど造作も無いことである。爆弾がバラッと落とされたこの1分足らずで3.6トンもの爆弾を叩き込まれた基地は一気に炎上を開始した。


 昼のような明るさと共に滑走路や周辺で断続的にドン!ドン!と巨大な何かが滑走路を踏み潰すかのような音と共に周りのものが紙細工のようにメラメラと燃えながら吹き飛ばされた。基地内にあるものは徹底的に焼き払われた。すべて紅蓮の炎に包まれる。黒煙で夜空は汚れその中を悠々と翼の日の丸を見せびらかすかのように3機は飛行していった。

 これにより20機の軍用機が破壊され爆弾や機銃等の実に8割を消失した。オーストラリアのここの航空兵力は壊滅状態に陥った。


 さて航路を外れた1機はダーウィンの石油タンクの近くの町の上方にいた。

「特殊爆弾投下用意」

「投下!」一斉に特殊爆弾と命名されたものが投下された。金属で出来たその物体は上空100メートルで2つに別れた。すると紙がパラパラと降ってきた。


 この紙は戦局をより日本側に有利に進めることとなる。


 


 一方機動部隊は艦爆が3000メートル以内を9機が潜水艦に対する哨戒を行っていた。60キロ爆弾を2つ積んであたりを回っていた。

 すると哨戒機らしきものを発見したとの報告が入った。すぐさま艦爆は退避し夜間用の九六戦闘機が発艦した。


 カタリナ哨戒機は潜水艦より情報を受けたため駆けつけたのであった。しかしその潜水艦の情報もいい加減なもので、艦爆らしきものを10秒ほどみたというものであった。

 そのためおっとり刀で押しかけてきたのであった。カタリナ哨戒機は12,7mm機銃2丁、7,7mm機銃3丁という武装で速度290キロ、爆弾等裁量1,8トンという哨戒機は第二次世界大戦で救難などにも用いられた万能機である。さまざまな国でも使われ戦後は民間に払い下げられ、消防機や旅客機としても使用された。


 そのカタリナ哨戒機が九六式戦闘機に気づいたのは距離400メートルのことだった。機動部隊用の九六式艦戦夜間用は黒く塗られていた。そのため目視では発見しにくい。


 一気にエンジンを最大にしたが遅かった。日本の9mm機銃が唸った。初速870m/sにまで高速化させているため7,7ミリ機銃の運動エネルギーの2倍以上はある。右翼と左エンジンに被弾し火を吹いた。

 カタリナ哨戒機はさらに右エンジンも破壊され煙を吐きながら撃ち落とされた。


 

 さらに艦爆2機が潜水艦を発見し60キロ爆弾を4発打ち込み沈没させた。



 機動部隊はカタリナ哨戒機1機撃墜、潜水艦1隻撃沈という戦果を挙げた。しかし長官をはじめとして参謀などはいやな予感がしていた。


 その2分後艦爆、さらに4分後九六艦戦が帰還した。


 そして艦爆の交代をしようとしたときだった。


「3時の方向より 敵機!機数120機!」

「何!直ちに戦闘機を上げよ!艦上爆撃隊は上空へ非難せよ!」


 12機の戦闘機が上空を守っていたが120機が相手では話にならない。さらに20機がばたばた上がった。

「おいそこの整備兵燃料を抜け!もう間に合わない!」整備兵が燃料を抜き取る!爆弾をすばやく格納庫へ持っていく。

「対空戦闘用意」駆逐艦や空母が身構える。



 アメリカ機はF4F20機とダグラスTBDデヴァステイターが100機だった。

 

 

 九六艦戦は32機で迎撃した。F4Fは熟練者を選抜しておりいつも以上より手ごわかった。そして隙間をとおり攻撃部隊は進んでいった。


「対空戦闘用意!」距離2000メートルをきると開始された。駆逐艦や空母が必死に対空戦闘を行う。運悪く当たった機体が空中で爆発したり墜落した。また速度が遅いので隙を見て96式艦上戦闘機から攻撃され墜落された。



 しかし実に60機が襲い掛かってきた。TBDは250ポンド爆弾を積んでいた。そして赤城をまるで無視するかのように蒼竜に襲い掛かった。


 蒼竜は最初右に思いっきり旋回し二機の爆撃をよけた。さらにそれから4秒してまた右によけた。それから左に回った。この時10発の爆弾をよけていたがここで命中した。

 1発目はメインマストに命中した。2発目は甲板に命中。3、4発目も相次いで中央甲板に命中した。5、6、7発目はなんとか回避できた。しかし8発目はエレベーターに直撃した。

 このエレベータ下には先ほどの艦爆用の爆弾が積んであった。蒼竜はエレベーターとえぐられた甲板から爆風と炎を吹き出した。

 そして甲板はそのまま吹き飛んだ。木工甲板のため砕け兵士達に襲い掛かった。缶室に大量の海水が流れ込み使用不可能となった。


 それに加え蒼竜が戦闘能力を失うと見ると赤城にも襲い掛かる。赤城は必死に避け対空戦闘を行い、3機を墜落させた。

 

 しかし2発が命中した。1発は艦橋に命中し寺岡謹平中将をはじめとし参謀らを全滅させた。さらに艦首に命中した。そして至近弾が致命的だった。なんと艦尾すれすれで海面に降ちた。

 すると軸がへし曲がった。そのまま軸は回り続け自らの艦を破壊した。機関室が浸水した。さらに舵が破壊された。すると赤城はただ左に回り始めた艦載機がズルズル落ちていった。


 水兵が決死隊を作成し舵の向きを換えこれを阻止した。アメリカ攻撃隊は他には駆逐艦荒霜が6機から

攻撃を受け主砲は空を睨んだまま中央に爆弾を多量に受け2つに裂けながら轟沈していった。


 赤城は駆逐艦が曳航していった。艦爆はなんとか着艦できた。また戦闘を行った九六式艦戦は32機中19機が戻ってきた。内2機が着艦に失敗した。その2人は駆逐艦から救出された。


 機動部隊は壊滅的な損害を被った。この攻撃はホーネットからの攻撃であった。アメリカには空母があるが戦艦などが無いのである。しかしそれも来年になれば解決する。


 この事態を受け連合艦隊は米軍が数月以内に攻めてくると確信した。いかなる対策を採るのだろうか。



 また戦艦越後と飛騨を南方地方に派遣することを決定した。さらに対潜水艦として「轟水」を作成した。

 全長60m 全幅7,9メートル 

三式爆雷投射機12基 爆雷投下軌条1基  爆雷120個 97式水中聴音機 9ミリ単装機銃20丁

 ディーゼルエンジン4000馬力 速度18ノット 14ノットで4500海里 乗員125名


 97式水中聴音機は自艦の速度が18ノットまでなら聴音可能なものである。主砲などを装備していないが対潜なのでこれで十分である。


 海防艦の改造したものである。

「轟水」は潜水艦のように「轟水-1」と名をつけられた。現在「轟水―8」まで作成されている。これを輸送船護衛に使用する。高速輸送船と共に行動すれば水雷艇くらいなら大丈夫である。


 高速輸送船は金剛の副砲を流用しており2門装備しており1門あたり30発用意されている。ただ照準機が構造が悪く(船体と格納庫などの関係で)5000メートル外は絶望的である。ただ二機の水上機がつめるためなんならそれで爆撃すればいい。おまけに5ミリ装甲が付いているため遠距離からの機銃掃射などなら大丈夫だ。


「轟水-5」までは第一戦隊と編成され、「轟水-10」までが第二戦隊である。これからは5隻ごと作成し第一戦隊、第二戦隊に順番に振り分けていき最終的に両戦隊に80隻づつ配備する予定である。

 

 アメリカ攻撃隊がドーントレスを使用しなかったのは温存していたためである。

 ルーズベルトは翌日旧式機を使用した作戦でありながら大戦果を挙げたため大変喜んだが、国民はやや厭戦気分であった。爆撃のせえだろう。アメリカ軍は次の作戦を練り始めた。

 アリューシャン諸島の機動部隊壊滅!日本海軍は驚愕する。


 そして越後が出撃する!対潜水艦も配備を始めた日本海軍はどのようになっていくのか?


 米軍の反撃は?ポート・ダーウィンに落とされた特殊爆弾とは?


 次回戦況が動く?

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