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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
侵攻と暗雲
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講和なるか?飛騨起工

 3月31日

 日本軍はこの日までにスマトラ、カリマント、ジャワ、ニューギニア、ラバウル、ウェーク島、マーシャル諸島、ギルバート諸島にまで上陸し有利な戦いをしていた。

 アメリカ艦隊がまともに動けない状況下で3000隻の輸送船を使用した補給作戦を実行していた。大西洋方面の燃料も少なくドイツが戦闘状態に入ったため太平洋だけには艦隊が振り分けられない。さらに太平洋方面での燃料が開戦前の10パーセントも無いのだ。扶桑が突入したおかげだ。そのためアメリカ艦隊は駆逐艦や巡洋艦などの作戦しか出来なかった。

 しかし、水上部隊ではない艦隊が動いていた。


 竜の鳴き声のごとく巨大な音が聞こえた。水柱が高く舞い上がった。日本輸送船が右に12度傾斜した。そうアメリカ軍は潜水艦による通商破壊作戦を行っていたのである。オーストラリア方面に20隻、太平洋方面に30隻を配備した。

 その攻撃された輸送船と共に行動していた輸送船が慌てて9ミリ機銃~20ミリ機銃×1~4丁で海中に射撃を加える。再び艦が振動した。ついに航行不能となってしまった。

 突如他の輸送船めがけて8発の魚雷が連続で発射された。ドンドンと衝突音が聞こえた。だが、それだけだった。魚雷はことごとく不発であったのだ。これでは「魚雷」ではなく「魚棒」だ。アメリカの魚雷は不発が多かったのだ。さがて航行不能だった船も6ノットの鈍足で動き出した。アメリカ潜水艦の艦長は一時期自殺を考えたが無理も無い。


 合計で50隻を配備したのにもかかわらず大小17隻の輸送船が沈められたに過ぎない。水兵800名や燃料そして機関銃、大砲などが海のそこにずんだが、全体として0,6パーセントにも満たない損害しか出してないのである。

 

 

 アメリカ海軍がこうしたことをしているさなかフィリピン方面のアメリカは追い詰められてコレヒドール要塞に立てこもっり戦闘を続行し日本軍に多大な損害を与えたがついに4月2日降伏した。指揮していたマッカーサーは「アイシャルリターンン」と言葉を残して潜水艦で逃げた。もっともフィリピンはアメリカが勝手に植民地化したものであり現地住民がこれを聞いていたら戻ってくるなと思われたであろう。

 

 4月7日

 この日高速輸送船が今あるのを含めて7隻が建造された。これにより合計で1万4000名と重砲70門と機関銃1000丁と分解されている96式戦車が20両運べる。つまり火力が少し少ないが1個師団の戦力が送り込めるのだ。

 海軍はさらにこれの建造を求めたが需要大臣の村山などコストの面で不可能とされたため新たな建造は未定である。

 さらに新たに勃発した日中戦争で実に25パーセントほどの物資を割かねばならず戦線の拡大に基づき現在マレーなどから多量の物資が輸入しなければならなかった。村山は陸海軍の計算で使用される物資では、補給が追いつかないことは無いが輸送船が20パーセント破壊されれば難しくなると判断した。


 それをきき陸海軍はアメリカ艦隊が動けないということを利用して講和作戦を図ろうとした。


 内容は、領地は北満州を放棄しそれ以外は戦前と同じもので、貿易は前回と同じもとし5年は新たな戦艦を止める。おおざっぱに言えばこんな感じの文章を突きつけた。


 時差の関係で4月8日ワシントンのルーズベルトの下にこの文書が届いた。


 果たしてどうなるのか?



 4月10日 ニューギニア

 「敵襲だ アメリカ軍だ!!」それは平和の合図とはまったく異なるものだった。



 そのころ戦艦越後の2番艦が長崎の造船上で建造された。その名は「飛騨」。

 「アメリカは平和を望まず戦争を好んだ」などという文が国外に出され「ソ連」と「ドイツ」がこれに同調し猛烈な批判を行ったが、効果はあまり無かったようだ。


 戦艦飛騨は後1ヶ月で前線に送られる予定だ。

 講和を求めたがアメリカはこれを拒否した。そのさなかで越後の2番艦に当たる「飛騨」が完成した。

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