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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
侵攻と暗雲
17/115

米軍爆撃機を撃墜せよ

 この日、日本陸軍では新たな新型戦闘機の完成で盛り上がっていた。

 

 九七式戦闘機。

 今までにない引き込み足、そして新型機銃九七式9ミリ機銃。

 九七式9ミリ機銃の弾は中に爆薬が入っており、12,7ミリ機銃には及ばないが9ミリ機銃の威力の1,5倍に及んだ。また弾の質量を重いものにして重量を増やしていたため威力は大きい。


 それを機首に2丁ずつつけられていた。また機体下方に携行弾数180発の20ミリ機銃が装備されている。

 

 そして夜間型としても使えるように発動機排気口のやや後方に前向きのライトが装着できるようになっていた。


 その発動機は「興」発動機の最終型になる「興」33型だった。空冷星型複列14気筒の1100馬力が発揮でき、前のと比べて燃費がよくなった最新の発動機で速度が515キロ、航続距離がタンク有りで2400キロにも及んだ。

 

 防弾対策もしてあり背後に13ミリ鋼板と操縦席の翼の付け根に5ミリ鋼板が備え付けられ鉄線や電気溶質などで翼周辺の剛性が増している。

 風防は涙滴で背後からの奇襲を避けることができる。その風防は前と後ろが2重の20ミリ防弾ガラスとなっている。

 防弾燃料タンクとなっており、翼内にしか燃料タンクを置かないことにより操縦席に火が回りにくくしている他、炭酸ガス排出が機体の下についている。

 爆弾搭載量は攻撃力並みの60キロ~250キロ爆弾が2個ずつ積める。



 また都内の96式戦闘機ほぼすべては従来の9ミリ機銃から新型の9ミリ機銃に切り替えられていた。


 

 この日Bー10/2型が15機東京に向かい不気味な爆音を立て日本海に侵入した空母の甲板をけって飛び出した。


第18任務部隊

ウィリアム・F・ハルゼー中将

空母 「ホーネット」 重巡洋艦:ノーザンプトン

重巡洋艦:ヴィンセンス

軽巡洋艦:ナッシュビル


第52駆逐隊 駆逐艦:グイ、グレイソン、メレデス、モンセン 給油艦:シマロン


さらに付属


重巡洋艦:ソルトレイクシティ

重巡洋艦:ノーザンプトン

駆逐艦:ヴァルチ、ベンヘン、ファニング、エレット 給油艦:サビン


 米軍はB10/2で本土空襲を企てたのだ。B10/2型はエンジン転換で速度・航続距離を延ばしたものだ。


 これを日本の哨戒艇が発見した。


 この哨戒艇は漁船改造のオンボロ改造艦で戦闘となれば8ノットの速力で逃げれないし、武装も9ミリ機銃1門とまともな戦いはできない。

 あっという間に沈没させられた。


 しかし日本側に連絡は行き届いていた。



 九六式戦闘機24機と最新鋭の夜間用九七式戦闘機12機が滑走路より慌しく飛び立った。また96式攻撃機が12機雷激装備で6機の九六式戦闘機護衛を従えて当海域に向かった。



 B10/2型が15機編成を組んで東京に向かっていた。速度300キロで飛行していた。


 突如3番機の右側エンジンが火を吹いた。外部の装甲がバラバラに吹き飛んで速度を落とし、機首をガクリを下げて海中に降下して行った。


 「ジャップ!」

 7.62mm機銃計42丁がバラバラに放たれた。


 上から下から日本機が乱舞して機銃を浴びせてくる。

 九七式戦闘機の20ミリ機銃は1発あたってだけで致命的な損傷を負う。20ミリ機銃が当たった機体はでっかい風穴を開けられ砕け、幾百の破片になり海に降り注がれた。


 最高速度400キロにも満たない機体がしょうがなく作戦を中止して空母に帰還することにした。しかしそれを上回る速度の日本機がみすみす逃すわけがない。

 ちなみに作戦立案当初は中国に着陸する予定だったがソ連の進撃の影響でそれができない。



 命からがら逃げれたB10/2型は3機だけだった。


 

 一方そのアメリカ空母は日本軍の攻撃を受けていた。


 「右からジャップの機体が3機突っ込んでくるぞ」「面舵一杯」「よし戻せ!速度最大」


 慌しく艦橋では命令が出ている。しかし遂に 駆逐艦グイに1本と重巡洋艦ノーザンプトンに3本が命中し両方とも数分で沈んでいった。

 

 空母は沈まなかったがまったく無駄な作戦だった。

 この戦いでの日本の被害は哨戒艦3隻撃沈 戦闘機1機破損 攻撃機1機大破



 アメリカはまたも海軍力を削ったのであった。


  


 

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