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戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
TOTAL EDITING (REBUILDver) 
114/115

ドイツ参戦と新造計画

 この頃の欧州戦線ではヒトラー率いるナチス・ドイツが勢力を瞬く間に広げ、いつのまにかヨーロッパにはドイツの同盟国と中立国しか残っていなかった。さらにドイツはイギリスに航空機を一〇〇〇機単位で攻撃し、潜水艦で輸送船を次々撃沈していた。イギリス国内の物資は不足していた。このまま潜水艦の攻撃を受ければ軍どころか国民が不満を抱き戦争どころではなくなる。


 7月11日 日本陸軍は日中戦争を出来れば短期で終結させるために敵の拠点を潰していく作戦をとっていた。この時すでに十二万名で首都南京を占領していた日本軍の次の目標は重慶だった。

 上空では九七式重爆撃機が飛び回り中国共産党の軍事施設をしらみつぶしに破壊していった。


 7月15日 香港より日本軍はカノン砲と戦車を使い圧倒的な火力で重慶までの進撃路を開いていった。さらに台湾や朝鮮から徴兵した兵士を占領地区に駐屯させた。武漢へ主力軍を向かわせた。日本軍の攻撃に共産党軍は敗走を重ねた。

 一方北から南進を続けていたソ連軍は一度西安までに後退した。その三日後には成都まで圧倒的な火力で共産党軍をねじ伏せて進撃した。


 7月20日 ソ連が重慶二〇キロ地点までに到達していた。さらに日本航空隊の執拗な空爆により重慶は戦闘力をやや弱めていた。しかし米軍装備の新鋭共産党軍を三〇万人が重慶とその周辺地区に展開していた。


 7月22日 キャタピラ音がソ連軍陣地へと近づいてきた。中からは低身長の黄色人種が現れた。日本軍である。それはこの日重慶を日ソ両軍で取り囲むことに成功したことを意味していた。



 陸軍が中国大陸で目まぐるしい成果を上げる中、日本軍は潜水艦に対する聴音機の作成に取り掛かっていた。そしてこの日試作機を乗せた船が建造された。商船を二〇ノット出せる快速船に改造した後、試作聴音機を載せた。なんと一八ノットで聴音が可能だった。技術部は完成品の仕上げを急いだ。


 7月30日 重慶の周辺地区には兵士がズラリといた。それは中国共産党兵ではない。ソ連兵と日本兵の主力部隊だった。総兵力五十万名を超える両国の軍は8月1日に幾千発の砲弾の洗礼を受け、地上では戦車と歩兵が、空中では九七式戦闘機が共産党軍を次々と薙ぎ倒していった。

 逃げ場のない共産党軍は日本軍が指定した安全区へと逃亡した。安全区とは逃げ出すことも出来ない貧しい市民達が避難している場所である。ここでは武力を振るわないと宣言されている。が、降伏していない敵兵はその地区でも殺さなくてはならない。共産党軍は自らが軍とばれると殺されてしまうことを理解し、信じがたい行動に出た。

 市民を刺殺し衣服を奪い住民に化けたのだ。中国共産党軍は住民相手に強盗や言葉で表すことをためらう様な行為を普通に行う。三十万名の精鋭軍はいつの間にか市民の死と反比例し減少していった。

 無論そんな行為を起こす者ばかりではない。ソ連軍や日本軍に果敢に抵抗する兵士も多く見られた。

 町は数日で廃墟と化した。瓦礫と死体が増加し死臭や血、泥や排泄物の匂いが至る所から漂っていた。黒煙は消える事が無く、いつも靄がかかったように硝煙が立ち込めていた。 発砲の閃きや爆音、叫び声や怒声が周囲から飛び交う。戦車に蹂躙され板のように潰れた人間だった物がズブズブと腐る。やがてウジがわく。手足だけが転がっていることも珍しくなく、砲弾の爆風で体が裂けたのか、雨のように血が降り注いでくることさえあった。


 数で勝る日ソ両軍に共産党軍は追い詰められ、やがて制圧された。

 安全区に逃げた共産党兵士は日本軍から取調べを受けると、顔を蒼白くして一目散に背中を向け逃亡した。国際法でこの場合は射殺しても良いことになっている。日本兵は躊躇うことなく引き金を引いた。


 重慶を制圧する一週間前。8月12日の事。ソ連では、突如として国境を突破する軍を確認。戦車や装甲車、爆撃機、火砲により重要拠点を徹底的に叩く。そこに歩兵が突入し、またたくまに制圧した。

 スターリンは十個師団をこの地に配置していたが、雪崩れ込むドイツ軍の勢いと火力を前には適わず屍の山を築き上げるだけだった。

 ヒトラーは「ソ連が粉砕されれば、英国の最後の望みも打破される」とヨーロッパ全域制圧のため大々的な演説を行い三百万名の兵士をソ連に侵攻させた。

 

 スターリンは中国進駐軍を引き抜き西部戦線へ向かわせた。

 


 アッツ・キスカ・ミッドウェーの三島を占領した日本軍の次の目標はハワイだった。これの事前攻撃として伊十五型潜水艦で砲撃などが行われていた。一四センチ砲一門という貧弱なものだったが二回攻撃し燃料タンク一つと飛行艇二機を大破させている。また一回目の帰路時には商船一隻を撃沈している。

 

 一方造船所では新たな戦闘艦を起工し始めた。


 大型巡洋艦:概要

 排水量二五二〇〇トン 

 一二インチ二連装砲塔二基 八門  二五ミリ連装対空機銃一二基 二四門

 発動機 蒸気タービン  速力三一ノット  


 小型空母:概要

 排水量二〇〇〇〇トン 搭載機数 三二機

 五インチ連装高角砲二基 四門  二五ミリ連装対空機銃六基 一二門

 発動機 蒸気タービン  速力三〇ノット


 また下記の船舶は日向改装案である。まだ改装を開始していない。


 戦艦空母 日向:概要

 後部を航空甲板に改装し二二機搭載可能にする。前部の主砲は維持し戦艦機能も兼ねそろえるものとする。


 又水上艦だけでなく防空戦闘機、新型攻撃機案も出ており開発陣は寝る間も惜しむ研究を行う事になった。


 

 九月一日 日本海軍はセイロン沖のイギリス軍を完全に制圧するために航空母艦を進めた。

 8月から投稿再開。投稿期間は現状では不定期。

 

 

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