日米海軍衝突ス
ワシ、文章まとめるの下手くそだな…。
〇一〇〇 潜水艦の入電はそれ以降なかった。第三艦隊は航空母艦「飛鷹」「隼鷹」と駆逐艦二隻を残し第二艦隊と共に南下を行った。輸送船団はルソン島北部に接近。この地方の航空兵力はあらかた駆逐していたが油断は出来ない。
〇三〇〇 日本は偵察機第一号を出した。機体は九四式水上偵察機偵察機の改良型である。九四式偵察機乙型だ。偵察機は複座のため戦闘機より一回り大きい。速度は300キロが限界である。発動機は空冷星型複列9気筒「興」一型 離昇840馬力。
航続距離は二二〇〇kmあり、武装は九mm機銃×一(固)九mm機銃×二(旋)と意外と重武装で六〇kg爆弾×二または三〇kg爆弾×四が搭載可能で哨戒機としても使え、活用の幅が広い。
発動機新たにに替えたものだ。今回の作戦機の九六式戦闘機も「興」エンジンに切り替えられている。
だが九六式戦闘機は速度が十キロしか向上せず、最大速度が四九〇キロという速度でおちついた。だがこの余剰馬力は抜群の運動性能をさらに向上させる結果につながり、背面装甲と搭載機銃弾の増加を可能とした。
艦爆は九六式艦上爆撃機が搭載されている。三人乗りでなく二人のため偵察機よりは軽く小さい。発動機は同じものを搭載。最高速度は三五〇キロとやや高速だが急降下制限速度五四〇キロと軟弱なのが欠点だ。航続距離も一四〇〇と短い。
武装は九ミリ機銃が三挺あるが後方の旋回一挺以外は外している。爆装は二五〇キロ×一、又は三〇キロ×二
九六式艦上攻撃機は偵察機とほぼ同じ大きさで、発動機も共通の「興」一型を搭載。
最大速度は三〇〇キロで武装は九mm機銃×二(機首固定・後部旋回各一)、魚雷一または爆弾五〇〇~八〇〇kgとなっている。
そしてそれらの機体は以下の母艦に次のとおり搭載されていた。
「赤城」(九六式艦上戦闘機一八 九六式艦上爆撃機一八 九六式艦上攻撃機二七)
「加賀」(九六式艦上戦闘機一六 九四式偵察機乙一六 九六式艦上爆撃機二六)
「龍驤」(九六式艦上戦闘機一八 九六式艦上攻撃機一二)
「詳鳳」(九六式艦上戦闘機一八 九六式艦上爆撃機九)
「瑞鳳」(九六式艦上戦闘機一八 九六式艦上攻撃機九)
「龍鳳」(九六式艦上戦闘機一八 九六式艦上攻撃機六)
(補用は含まない)
計 二二九機 (戦闘機一〇六機 爆撃機五三機 攻撃機五四機 偵察機一六機)
「長官、偵察機より入電です」
〇六〇〇 六隻の空母から戦闘機五〇機、爆撃機二〇機、攻撃機二四機が出撃した。
日本の偵察機から発見された艦隊の上空にはF3Fが警戒にあたっていた。その下にはスプルーアンスが担当する空母レンジャー・サラトガ・レキシントンの三隻がいた。
F3F戦闘機は九五〇馬力エンジンを搭載し速力四二五キロで航続距離は一五七七キロである。武装は七,七ミリ銃一挺と一二,七ミリ銃一挺を備えていた。
〇六五〇 爆音が空から聞こえてきた。F3F戦闘機が一二,七ミリ機銃で日本機を一機残らず叩き落す事だろうと皆が思っていた。
だがその戦いは彼の予想を裏切るものだった。九六式式戦闘機抜群の旋回能力でF3Fは後ろを取られ九ミリ弾を叩き込まれバタバタと撃墜されていったのである。この時の迎撃機数は六〇機にも及んだが、日本側はほぼ同数の五〇機である。
F3Fは戦闘機同士の争いで肝心の爆撃機と攻撃機に銃撃を浴びせることが出来ず、アメリカ航空隊は艦隊への攻撃を許した。
アメリカ艦隊は必死に対空砲火で応戦した。運悪く当たった機体は海に落ちて悲しき水柱をあげるが、日本爆撃隊はひるまない。一糸となり乱れず六機が一斉にアメリカ空母レンジャーに爆撃を加えた。
一発目は前方に巨大な水柱 二発目も水柱、しかし三発目は甲板に直撃し、四発目と五発目はエレベータに直撃し六発目は至近弾で艦が身震いした。
空母レンジャーはエレベーターが陥没し、甲板に並べていた戦闘機がバラバラになった。
「戦闘機には燃料を入れてるぞ、海中に捨てろ」「消化ホースをよこせ!!格納庫にまで火が回るぞ」そこに雷撃隊が接近してきた。
八〇〇メートルまで接近し魚雷を投下すると機体はふわりと持ち上がる。この時投下したのは右舷に三本、左舷にも三本である。艦長は右に回ってかわそうとしたが不可能だった。結果左舷後方に二本、左舷中央部一本、右舷艦首付近に一本が直撃し高々と水柱をあげた。レンジャーが見えなくなるほどの水柱が竜のごとく立ち上がる。それが崩れるとレンジャーは左に徐々に傾斜していった。艦長が総員退艦命令を出したときには甲板上から既に数百名が海中に投げ出されていた。
全員が退艦する暇も無く、あっという間にレンジャーは海のそこに引きずり込まれた。
だが、日本攻撃隊の攻撃は収まらない。今度はレキシントンを日本攻撃隊は狙ったのだ。
九六式爆撃機一二機、九六式攻撃機が一四機襲い掛かっていった。
「くそっ。落ちろジャップ」アメリカ兵が機銃をふりかざし呪詛をはきすてた。赤く太い弾がするどい発射音を立て吐き出される。
しかし当たらない。右から爆撃機が攻めてきた。左から雷撃部隊が突入してきた。ここにエンタープライズの運命は決した。高射砲の爆発が横で爆発したのも気にせず、赤い弾が両弦から吐き出されている。が、突如として赤い炎が甲板上で爆発し暗い海面を明るくともした。実に一二発中の八発が命中したのだ。
火が艦内を覆いつくし消化の希望は消えかけた。甲板を貫通し格納庫に入り込んだ。刹那。キラリと光が輝いた。それは夜空の星とは違い死神が送ってきた星だった。
轟!!爆風が艦内を襲い乗員が壁や床にいやというほど叩きつけられた。そこに雷撃隊が止めを刺しに来た。これをとめる対空砲は静止していた。
強い衝撃と甲板を越える高さの水柱が六本立った。レキシントンは艦底が見え十秒ほどした後に、大爆発を起こし急速に沈んでいった。轟沈だ。
随伴していた駆逐艦バルチは三発の小型爆弾を受けた。それでも必死に航行したが爆装した九六式攻撃機から六〇〇キロ爆弾を受け艦内で大爆発を起こし、誘爆を次々起こし海に引きずりこまれた。
空母二隻撃沈 駆逐艦一隻撃沈 確実
撃墜及び破棄 F3F六三機 TBD雷爆撃機四〇機
日本側
九六戦闘機 一九機 九六式爆撃機 四機 九六式攻撃機 五機が使用不可になったあくまで使用不可なので撃墜数はもっと少ない。
アメリカ海軍はいきなり空母二隻を失ってしまった。
〇七三〇 時間を空け第二時攻撃隊が日本側から飛び立った。
日本軍の第二次攻撃隊は戦闘機三〇機 爆/攻撃機各三〇機で編成された。
だが攻撃海域、並びに周辺海域に航空母艦は見当たらなかった。その海域にいた駆逐艦二隻、巡洋艦一隻はなぶり殺されるように、大量の爆弾と魚雷の火力の前に鉄屑のようになり沈んでいった。
〇九〇〇 キンメルの戦艦部隊とスプルーアンスの機動部隊は東に一度離脱し、作戦をたてなおしを図った。
〇九三〇 戦艦部隊が北に向け突撃を開始した。
戦艦 「テネシー」「アリゾナ」「ペンシルベニア」「ネバダ」
巡洋艦「サンフランシスコ」「ニューオリンズ」「ポートランド」
「インディアナポリス」「ニューオーリンズ」「アストリア」
駆逐艦「ショー」「カノン」「ダウンズ」「カミングス」「ドレイトン」
「フラッサー」「リード」「カニンガム」「カッシン」「タッカー」
「ポーター」「マクダガル」
一一〇〇 「嶋田長官、距離四〇〇〇〇メートルに敵艦隊です」「来たか」嶋田は、うなずき外を見渡した。
キンメル指揮官はテネシー アリゾナ ペンシルベニア ネバダの四隻をはじめとし巡洋艦や駆逐艦で突撃してきた。
日本艦隊は第一戦隊と第二戦隊を水雷戦隊として敵艦のやや斜め前方に向かわせて戦艦部隊は敵の進行方向左七〇度の方向で進んでいった。
一一二〇 「日本艦隊を発見!水雷戦隊の模様。距離三〇〇〇〇」
「巡洋艦で突っ込んでくるとは正気か?恐らくとても勇敢なやつかクレイジーな奴だ」
「主砲射撃用意、目標ジャップの巡洋艦」
「ネバタ射撃開始!!」「ペンシルベニア射撃開始!!」「アリゾナ射撃開始!!」「テネシー射撃開始!!」キンメルの命令により四隻の戦艦が咆哮した。
しかしその瞬間クルリと巡洋艦と駆逐艦部隊は反転してしまった。
「やはり奴らはクレイジーだ。撃った瞬間逃げ出した。最初から来なければよかったのにな」キンメルが軽く鼻で笑うと後ろのアリゾナで爆音が鳴り響いた。
キンメルのは何が起こったのかわからなかった。
キンメルが驚いていると「アリゾナが右舷に四本被雷しました」通信係のものがそういうと「何?四本魚雷を食らっただと!」キンメルはまだ若い通信員に怒鳴るように聞いた。「…はい」「潜水艦にでもやられたのか」とキンメルは早口で聞いた。「いえ、先ほどの巡洋艦と思います」キンメルは声も出せず艦橋から外の風景をみていた。
アリゾナは中央部に三本、艦尾に一本受けダメージコントロールがあわただしく働いていた。しかし三つの缶室に浸水し、艦尾のほうの浸水は隔壁を次々と突き破りだした。右舷に傾きだしたアリゾナには総員退艦の命令が出され乗員は駆逐艦で救出された。
一方日本機動部隊は九六式戦闘機の援護を出していたため、上空ではF3Fと死闘を続けていたが無駄に死者を米軍は出すだけと悟ったのか戦闘機をさげてしまった。
「巡洋艦を近づけるな」キンメルは駆逐艦に艦隊の周りに円を描くように配置した。「ジャップの艦隊を消滅させろ」「敵艦隊と距離3万です」「よし再度射撃!目標敵戦艦」
「敵が砲撃を始めたようだな。こちらも射撃を開始しよう」嶋田は艦橋で報告を聞きその時その時で判断していた。「撃ち方初め!」越後の九門の主砲が咆哮した。
双方の艦隊の近くでは水柱がたっていた。
サンフランシスコ ニューオリンズ ポートランドの三隻の巡洋艦が右側から味方駆逐艦と交戦を始めた。
日本駆逐艦隊は自在に魚雷を発射し寄せ付けなかった。また一二,七センチの豆鉄砲でも進路妨害などには役立つ。
戦艦長門がその時、接近してきた巡洋艦アストリアに直撃弾を出した。距離は2万をきっていたため威力は戦艦が受けても無事ではすまない。それを巡洋艦が受けたのだ。たちまち甲板上の構造物が跳ね飛ばされ血糊で汚れあっというまに沈んでいった。さらにほぼ同時に今度は陸奥がペンシルベニアから直撃弾を受けた第2主砲を砕かれ火災が発生した。後部の3番4番主砲で陸奥は反撃した。
一方米軍駆逐艦は戦艦部隊より前方にグイグイでて雷撃を敢行しようとしていた。カッシン タッカー ポーター マクダガルが左からショー カノン ダウンズ カミングスが右から突進してきた。
しかし高雄 愛宕 摩耶 鳥海が目の前に立ちはだかり、砲撃戦となった。距離は一〇〇〇〇メートルであったため米軍はおかまいなしに魚雷は発射した。しかし高雄以下四隻は急停止し、その魚雷を交わした。二〇センチ砲が駆逐艦に向かって放たれた。さらに高雄級は連装魚雷管が四基ついていた。そのため八本の魚雷が撃てた。合計で三二本が発射された。日本軍の酸素魚雷は五〇ノット(九〇キロ)近い速力が出せる。さらにその時九六式戦闘機が駆逐艦の前進をとめようと艦首に銃撃を開始した。九ミリ程度では威力が無いのだが心理的には結構きいた。カノンが魚雷を受け大破した。またカミングスは魚雷発射管に二〇センチ砲が直撃した。ちょうど再度発射前だったので誘爆を引き起こし自らの魚雷の爆発で沈んでいった。さらに高雄以下四隻に気をとられていると八隻の駆逐艦が回り込んで横にいるのが分かった。七隻の駆逐艦は突進したことを後悔しながら回避行動をとったが縦横から迫る魚雷や砲撃はかわせるものではなかった。
戦艦越後が遂に戦艦ネバタに砲弾を三発叩き込んだ。越後は砲身が長いため威力は三〇〇〇〇メートルで四〇センチ装甲が貫ける。ネバタの弦側装甲を突き破ると爆発した。ネバタは一三度傾き射撃は不可能となった。
陸奥は反撃に出て1番主砲まで破壊されていたがここに来てようやく敵に直撃弾をだした。四一センチ砲が対三五センチ装甲しかされていないペンシルベニアに吸い込まれた。このとき双方の距離はわずか二三〇〇〇メートルであった。距離が近い分相手に与えられる損害が大きくなる。陸奥はペンシルベニアに再び射撃を行い四発きれいに叩き込み完全に沈黙させた。その後も直撃弾を出し一二発打ち込むと大爆発を引き起こし燃える鉄の城は沈んだ。
越後の砲弾が艦橋に直撃した。キンメルは壁に体をたたきつけられ血をダラダラ流しつつ自身が乗船している船が傾斜しているのを感じ取った。
越後はテネシーに狙いをつけると二九〇〇〇メートルまで近づき砲撃したのだ。結果二発が命中したのだ。越後は斉射を開始するとテネシーを海の底に沈ませていった。
アメリカ艦隊は大破しているものは魚雷で止めを刺されてたりした結果戦艦は全滅した。また巡洋艦アストリア沈没 ポートランドが大破しサンフランシスコ ニューオリンズが甲板を破壊された。
さらに駆逐艦は九隻が沈められ、一隻大破炎上中であり、実質戦力的に残っているのは二隻という有様である。アメリカ艦隊はジリジリと撤退を開始した。このとき機動部隊が戦闘機で機銃掃射を行い日本の戦艦の追撃をとめることに成功した。
嶋田は不満そうだったが戦果は悪くない。駆逐艦白雪、初雪、白雲、磯波が沈没したがこれだけで損失はすんだ、と思っていたが帰還時に陸奥が潜水艦による雷撃を受けた。
なんとかレイテ湾にたどり着きそこで座礁した。以後レイテ要塞として扱われるのだがここはまだ日本軍が上陸していない。そのため皮肉なことに砲戦であまり撃てなかった金剛型戦艦がふんだんにレイテ湾に艦砲射撃を開始した。
さらに高速輸送船2隻と護衛艦六〇〇〇名の兵力をまわしてもらいレイテ島占領を始めた。島のアメリカ軍は度肝を抜かし一週間足らずで日本兵に降伏した。
大本営はいつもは誇張している戦果報告をそのまま話した。完全勝利フィリピン海戦と騒ぎ始めた日本国内をみて「この戦争は日本の大勝利で終わる」と思う人が大半だった。