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第一戦隊 帰還ヲ期セズシテ全艦突入ス

最終回。

 話を少し戻す。作戦課は年末に作戦を考えており一月五日は新規作戦の採決がおこなわれた。

「つまり第一戦隊を犠牲にするということですか」米内は言った。部屋の空気がヒリヒリとしており冬だと言うのに汗をかいている者もいた。だがそれは暑さからくる物ではなった。

「最悪の場合そうなるな」豊田はゆっくりとそう返した。

「戦艦二隻を犠牲にして…仮に作戦が成功しても例の交渉が絶対に成功すると言う保証はないのだぞ」少し荒げた口調で誰かが言った。例の交渉とはアレン・ダレスの事だった。 

「ソ連との衝突は将来的に避けられない」アレン・ダレスはそう考えていた。第二次世界大戦が始まると、ほとんどボランティア的に戦略情報局へ参加、金融問題担当大統領特別代表という肩書きでインテリジェンス合戦真っ只中のスイスへ赴任する。そこで日本の駐在武官に会い彼は日米の戦闘を終結させ、ソ連の防波堤と出来ないかと考えた。

 日本側がそれに関し乗り気になったのは年が明けて間もない頃だった。アレン・ダレスはソ連の飛躍を止めるためなら、天皇制の存続を確保しつつ終戦させることもいとわないと考えていたらしい。無論アレン・ダレスはホワイトハウスとも繋がっており、彼と話し合えばなんとか終戦に漕ぎ着けるのではないかと考えていた。日本はアメリカ国民が厭戦気分にあるとして、ここで一泡吹かせ、作戦を有利に進めようとしていたのだ。

 


「第一戦隊が絶対に犠牲になると言う可能性もない」これも豊田が返した。さらに言葉を

続けた。

「それに、時代は航空機の時代だ。ここに米軍の研究がある。我らは海と陸を占領し戦争を継続している。だが、米国は制空圏を前進させる事を第一としている」

 敵の次の占領予定場所はパラオ諸島。フィリピン・ボルネオ・硫黄島・沖縄そして本土にくると結論付けた。パラオ諸島には二個師団、レイテ島には五個師団、その他比島には一五個師団と想定し、パラオ諸島攻撃日時は二週間後と割り出した。

「つまり、敵は航空機を主力として攻めてくる。我々は前回戦艦を全滅規模に至らしめた。だが航空機主力を撃滅することはかなわず、逆に敗北した」

 会議室で話はなおも続いた。


 このとき連合艦隊司令長官豊田が出した作戦は次のとおりであった。戦艦部隊をボルネオから出港させ、ペリリュー諸島に向かう。米国はこれを航空機で攻撃してくるだろう。彼らがペリリュー諸島にひきつけられている間に機動部隊はマリアナ諸島の敵の航空母艦か輸送船を攻撃する。という曖昧な目的を掲げた作戦であった。

 

 最終的にこの案はなんと採用され、起死回生をかけた捷一号作戦と呼ばれた。




 一月八日 この日第三・四海兵師団の四万名近いパラオ諸島攻略軍団がマリアナ諸島から出港した。日本軍がこの地域に配置して良いたのは一個師団だけであり一五〇〇〇名だけだった。高速空母と駆逐艦で編成さ任務部隊と水上打撃艦隊の総称を第三艦隊としてサイパン島を出港した。



 「第一戦隊 帰艦ヲ期セズシテ全艦突入ス 皇国ノ必勝ヲ祈ル」その後第一戦隊は無線封鎖をした。敵に発見されるのを恐れたのである。だが潜水艦には「三〇隻出港」と既に発見されているのは周知の事実である。ただ、三〇隻とはいささか誇張された数字である。

 

本艦隊指揮官 栗田健男

 

戦艦「越後」「尾張」 大型巡洋艦「木曽」

重巡洋艦「摩耶」「鳥海」

軽巡洋艦「利根」「筑摩」

駆逐艦「浜風」「天津風」「峯風」「澤風」「白露」「時雨」「村雨」「夕立」


 

 一月一〇日 第一戦隊が出港したのは白昼であった。一方機動部隊は昨日深夜に出港していた。第一戦隊の上空には曇天の景気が広がっていた。

 機動部隊はそれから二三ノットで航行したが何ら異変は起きなかった。


 だが第一戦隊はそうはいかなかった。偵察機に発見されたのは出港して二時間後だった。

 一三〇〇 炊飯兵が作った握り飯を頬張った兵士たちの耳には爆音が入ってきた。「敵機だ」防空指揮所は敵機を補足した。高角砲が唸ったが敵機はなんとかやり過ごすようにして東の空へと飛び去っていった。

 

 一四〇〇 「よし、敵は間違いなくこちらに来ている。レイテの陸上戦艦はどうなった」ハルゼーは陸軍に協力を得てB-29を発進させ、第一戦隊の動向を掴んだ。

 カーニー大佐は「例の要塞は仰るとおり戦艦だった模様です。ナガト型で主砲や副砲が残っていますが対空設備は大体破壊したようです。ただ航空隊の迎撃を受け被害も多かったようです」被害の度合いは報告書に書かれていた。

「はっ…八〇機だと!何て奴等だ!」帽子を部屋の片隅に投げつけると大声で第二次攻撃隊の発進を命じた。


 一五〇〇 ハルゼーの指揮下にある第三八任務部隊の攻撃隊がレイテ要塞攻撃に向かった。総勢一三〇機(F6Fヘルキャット八〇機、ヘルダイバー五〇機)からなる大編隊であった。

 第二次防衛戦が展開されるのはそれからまた後のことであった。結果として第二次攻撃隊は半分が未帰還となったがフィリピンの日本軍の航空兵力はこの日までに一五〇機がほ備蓄され続けてきたが、全機種含め五六機にまで減少してしまった。レイテ湾要塞はさらに探照灯・副砲・高角砲などを破壊された。さらに陸との電源ケーブルが切断されたため動力が無くなってしまった。主砲が空しく水平線を睨んでいた。

 

 第二次攻撃隊の損害の報告でますます機嫌を悪くしていたハルゼーだが動力が停止し、対空砲火もほぼなくなったと聞いて落ち着きを取り戻した。「とどめをさして来い」と第三次攻撃部隊(F6Fヘルキャット六〇機 アヴェンチャー雷撃機八〇機)を発進させた。

 

 一九〇〇 最後のレイテ要塞防衛戦が展開された。整備兵が死に物狂いで整備した機体に搭乗員が乗り込み再び迎激戦に入る。搭乗員も予備が徴収されており、三回連続で出撃して者はいないが二回目の出撃であるものが中にはいた。計三〇機が出撃した。

 

 「敵襲だぁ」海兵が叫ぶ。味方航空機が逃した敵機が迫ってきた。だが対空機銃も高角砲も、もう弾薬がない。それ以前に機銃がもう動かない。

「構わん!主砲を放て。目くらましくらいにはなる」照準なしに海面に弾丸を叩きつけ水柱を立てろというのだ。幸い主砲は俯角をとっていたため動力がなくても可能だった。

 既に陸奥からはゴマの様なものが点々と見えていた。

 「撃てぇ」かつて世界のビッグ7(セブン)といわれた戦艦の主砲が吠えた。目と鼻の先にまで迫ってきていた敵機の下にある海面めがけて放つ。後部主砲は無いが、前部主砲四門が咆哮した。

 雷撃機が雷撃体勢に入った。その時に海面が突如として飛び上がるのでたまったものではない。目くらまし程度に放った主砲だったが三機を水柱で撃墜させた。だが八〇〇キロ爆弾をかかえていた雷撃機もいたのだろう。上空から幾つもの爆弾が落下してきており、甲板を貫いて炸裂した。

 レイテ要塞はそれでも果敢に抵抗したが火薬庫をやられたのか火山のように炎を吐き出して、自らの上部甲板を吹き飛ばしメラメラと燃え始めた。甲板上にいた人間は全員死亡した。


 日付は一月一一日に変わった。


 〇七〇〇 カタリナ哨戒機が敵潜水艦を撃沈したとの、とても機嫌が良くなるニュースをハルゼーは聞いた。そして例の敵戦隊の動向を聞くために再び陸軍の協力を得てB-29での偵察を試みた。

  

 栗田率いる第一戦隊はスコールの中を直進していた。そのためB-29は発見できなかった。 ニミッツ大将はハルゼーのレイテ島の地区の正体の判別、並びに壊滅を喜び、こちらに向かってきている艦隊の撃沈を命じた。

 ハルゼーが指揮するのは第三艦隊である。空母は一三隻にもおよび、ここにいるのは全て日米戦中に建造された空母である。米軍はこれを1年半たらずで建造したという。

 「ワスプ」「ハンコック」「ベニントン」「ボクサー」「ボノム・リシャール」「レイテ」「キアサージ」「レプライザル」「アンティータム」「プリンストン」「シャングリラ」「レイク・シャンプレイン」「タラワ」 その他駆逐艦二〇隻

 これらの空母は三三ノットの速力を誇り搭載機は九〇機にも及ぶと言う化け物のような力をもっていた。それらが一三隻もいるのだからたまったものではない。搭載機は一〇〇〇機を越える。だが先の戦闘の事もあるのに加え、甲板上に露呈して航空機を置いていないので総数は六五〇機だった。おまけに明日の午後にはマリアナ基地に護衛空母が補充機を運んでくれると言う。


 

 その日パラオ諸島は激しい空爆を受けた。さらに駆逐艦・巡洋艦からの砲撃も繰り返し行い、ペリリュー島の飛行場の奪取を決行した。パラオの航空兵力は全てフィリピンに集められており航空機の反撃は無かった。

 第三八任務部隊は偵察機を出して艦隊の捜索を行った。そして見つけた。


 第一戦隊は一〇〇〇キロ離れた場所にいたのだ。第三艦隊はパラオから離れて西へと移動した。

 

 アヴェンチャー雷撃機一五機、F6Fヘルキャット二三機を発進させた。


 一〇〇〇 第一戦隊は敵航空隊を発見した。

「回避行動開始」二五ノットに増速し機銃や高角砲を乱射しながら右に左にへと転舵して攻撃をかわしていった。練習をつみ重ねてきた第一艦隊は巧みに操鑑し敵弾を次々交わしていった。


 しかし、利根の第三砲塔真下に魚雷が命中した。続けて越後の中央部にも命中した。速度は二一ノットに低下した。

 続いて第二波が迫ってきた。総数五〇機。この攻撃で浜風の艦首に命中した。鼻先を吹き飛ばされた浜風はヨロヨロして戦列を落伍し始めたところにもう一発受け沈没した。巡洋艦摩耶は右から来た雷撃をかわしたが左からきた雷撃を避け切れずに三発が命中し沈没した。間髪いれずに第三波が来る。今度はヘルダイバーまで編成されており総数は六〇機だった。


 尾張の中部甲板に爆弾が命中。さらに鳥海にも二発が命中し白煙を吐き出した。戦闘機からも小型爆弾が落とされ構造物が破壊されていった。越後に小型爆弾が命中するも頑丈な装甲に跳ね返された。

 駆逐艦時雨、村雨は左右から雷撃を受けた。時雨には右舷に二発、村雨には左に一発、さらに爆弾が双方一発ずつ命中し沈没した。


 一二〇〇 第四波攻撃隊がやってきた。総数一一〇機でヘルダイバー三〇機、アヴェンチャーが六〇機と攻撃機に編隊がよっていた。

「方位二一〇度 四機急降下」見張り員が声をあげる。尾張が取り舵をいっぱいにきりかわすが、「右舷から雷跡多数」また甲板の見張り員が叫ぶ。

「取り舵一杯」艦長が操舵士に行ったが「駄目です、間に合いません」と返答が来た。

「総員、何かにつかまれ!!」直後激しい衝撃を受け艦長は壁に叩きつけられ六つの水柱が直立した。

「尾張多数被雷、傾斜していきます」尾張は急速に右舷に傾いた。傾斜は一二度にも達した。

 制空権の無い艦隊がいかに悲惨な運命を辿るかを語っているようであった。傾斜はいよいよひどくなっていった。

「総員退艦」艦長はそう言って部屋に入り鍵を閉めた。一〇秒ほどした後、部屋の中で拳銃の音がした。

 また中破していた鳥海には雷撃隊が殺到し最終的に四発を受け沈没した。筑摩には爆弾が一命中し機関室を破壊され、航行不能となった所を雷撃され沈没した。



 一三〇〇 第一戦隊の上空からようやく敵機が消えた。敵に発見され一〇〇キロほど進んでこの有様であった。

「我らがこうしている間に、航空隊が敵を討つのだ」と部下を励ました。

 しかしながら現状は決して芳しくない。


 戦艦尾張も沈没いた以上、この世界に不沈戦艦など有はしないと証明することとなった。

 それでも第一戦隊はただただ東へ進んだ。ここで第一戦隊に幸運が訪れた。雨雲が発生し上空と海上に蓋をするような形で第一戦隊を隠したのだ。

 

 日が出ている内はこの雲は第一戦隊を守り続けた。夜になって第一戦隊は雨で洗われた甲板を夜空の下にさらけ出した。


 二〇〇〇 ハルゼーは苛立ちを隠せないでいた。こちらに向かってきている戦艦部隊を発見できないのだ。下手すればこのまま上陸部隊を叩き潰されるかも知れない。そんなことをすれば指揮官を辞めさせられるどころでは無くなる。

 

 二三〇〇 第三艦隊所属の夜間航空隊が第一戦隊を発見した。こんな技量を備えた搭乗員たちを米軍は持っていたのかと驚愕した。さらに機数は約五〇機だった。

 対空砲火を放つ艦が真っ先に的となって襲われた。雷撃隊に狙われたのは木曽だった。続いて利根に爆撃隊が襲来。

 利根は対空砲火で数機を瞬く間に撃ち落した。さらに歴戦の勇士を見せ付けるかのように二回の爆撃隊の攻撃をかわした。だが三回目に二発直撃段弾を受けた。右前部甲板・左中央甲板に五〇〇キロ爆弾が命中した。

 鋭い衝撃音と共に熱を帯びた爆風が甲板上を掻き回した。だが火柱は一つしか上がらなかった。前部甲板に落ちたのは不発弾だった。悪運が強い船である。火災を起こしたようだが航海に支障は無く、東進を継続した。


 木曽は対空防御艦として使えるように設計されているため、利根のように数機を撃墜しつつ雷撃隊の攻撃を軽やかにかわしていった。

 だが何度もそれが続くわけは無く、遂に右舷に魚雷が命中した。舵をやられたらしく左旋回を永続的に始めだした。木曽では決死隊が組まれ舵を人力で動かそうと努力していいたが、雷撃隊の攻撃は続き今度は左舷に一発命中した。爆撃隊も木曽の攻撃に加わり爆弾を投下していき五発を命中させた。大火災と浸水、操舵不可能という致命的なダメージを追った木曽は次第に艦尾から沈んでいった。木曽を脱出した者は誰一人といなかった。


 日付が再び変わった。パラオ諸島まで半分と言う距離まで来ていた。ここにきて戦艦ニュージャージーと駆逐艦八隻が、「戦艦とやらせてくれ」とハルゼーの高速空母部隊に直訴してきた。これ以上の損害を防ぎたいハルゼーはこれを許可した。パラオに対して砲撃をやめ水上打撃部隊は西へ二五ノットで進んだ。ニュージャージーは本国で改修時に対水上用レーダーを備えつけてもらっていた。


 

 深夜と言う時間が過ぎ〇四三〇になった。第一戦隊の水兵は、このままパラオまでいけるのでは無いのかと希望が見え始めていた。

 だが越後の手前の海面で閃光がひらめき何かが飛び出した。周囲の海域と越後前部甲板に紅蓮の炎が立ち昇った。これはかつて飛騨を焼き払ったファイア・ズーム弾だ。

 この時になって測距儀の兵士が「敵戦艦発見、距離二六〇〇〇」と報告した。越後の主砲は照準を敵戦艦につけた。同時に利根と駆逐艦が敵の駆逐艦に進んでいった。敵の駆逐艦も対水上用レーダーを装備していた。

「撃ち方初め!!」越後は敵戦艦めがけて主砲を放った。

 敵駆逐艦は盛んに利根と駆逐艦に発砲する。敵の射撃が正確なのに驚きながら、応戦する。

 越後は前部甲板で火災を起こしながら戦闘を継続した。しかし先手を取られたのに次いで、水上レーダーを装備している戦艦に対し劣勢なのは覆せなかった。

 再び越後周辺海域に砲弾が着弾し焼夷弾が艦橋周辺にばら撒かれる。中部構造物はたちまち煙に覆われた。

「撃てぇ」そんなことに構うかと越後は発砲し続けた。

 

「敵駆逐艦一隻大破させるも、利根も大破しました。澤風・白露も中破しています」越後の見張り員から伝達された。彼は汗をダラダラと流していた。ファイア・ズーム弾による火災である。


 「副砲撃てぇ!目標的敵駆逐艦」越後の副砲が咆哮した。これは見事初弾で命中した。

「敵駆逐艦に命中しました!火災発生、大破した模様。戦列から落伍していきます」それと同時に「主砲命中しました」主砲の命中報告もこのとき来た。


 

 〇五〇〇 「艦長消火作業行うも鎮火できません。副砲が誘爆の危険にさらされています」越後はこの時になると火災は中部構造物にまで燃え広がっており遠目からでも目視できた。

「弾種変更、徹甲弾だ。ジャップの戦艦に止めをさしてやれ。ん、ジャップの巡洋艦が沈みだしたぞ」ニュージャージーの艦長は愉快そうにそういった。利根は集中砲火を浴び沈没した。また白露が沈没していた。だが敵二隻の大破していた駆逐艦を撃沈に追いやり、他一隻も撃沈していた。


 越後は盲目の状況下で砲撃を続けた。双方の距離は二万メートルにまで近づいていた。 悲劇は直後起こった徹甲弾が越後の第一主砲と艦橋上部を破壊したのであった。反撃の越後もニュージャージーに一発の命中を見舞うもそれが最後だった。

 レーダーの技量には適わなかったのだ。越後は盲目の状態で砲撃を続けていたが火災の広がりにより副砲が誘爆した。すると徹甲弾が上部甲板を貫き越後の主砲火薬庫に到達した。火災はたちまちそこにまで広がった。

 直後、辺りが昼間のように明るくなった。越後の艦橋が一瞬裂けたように見えた。それはすぐに炎で見えなくなったが大木が砕けるような音を立て巨体は海に沈み始めた。

 戦艦越後は沈没を開始したのだ。日本駆逐艦はこれをみて涙を浮かべつつ最後まで交戦したが最終的に全滅した。第一戦隊は全滅したのだ。


 

 翌日、日本機動部隊がマリアナ周辺海域で護衛空母を発見した。機動部隊はこれを猛襲した。結果護衛空母八隻を撃沈し、周囲にいた輸送船四〇隻も撃沈した。これにより二〇〇機の航空機が海の底に沈んだ。さらに油断していたのだろうマリアナ基地の空爆にも成功しB-29の大編隊を壊滅させた。人的被害も多く輸送船にはフィリピン戦用の兵士三万名が乗っていたが六割が武装を失い、四割が溺死した。

 機動部隊はこの後敵の追撃を振り切り無事帰還するという奇跡を成し遂げた。



 ルーズベルトはこれを見て激昂した。それからしばらく考えアレン・ダレスと連絡を取った。


 

 一九四〇年 二月一日 米英両軍は日本と講和した。中国には米軍は無支援を誓った。ソ連はこれに対し「遺憾だ」と発言したが特に武力出ることは無かった。

 ドイツ・イタリアは結局その後半年後に首都を占領され降伏した。中国共産党軍は日本に対し講和を持ちかけた。

 世界に平和が訪れたのだった。だがその平和の裏に多大な犠牲がある事を忘れてはならない。

 今回こういう終わり方にしたのに関しては後悔がやはり残りますね。まぁ正直航空支援が無いのに水上艦が航空機に勝てる訳が無い。レーダーを持つ船に対してはやはり不利だという風に書きたかったんですよね。

 「にしても若干投げやりじゃない?」と質問に関しては何もいえません。スイマセンしか言えません。


 反省点については風呂敷を広げすぎたのと史実と違わせすぎたという事でしょう。まぁ他にも色々とありますが、物語の構造がはっきりしなかった事ですね。



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