表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦艦越後太平洋戦記  作者: 賀来麻奥
栄光の海戦
10/115

戦艦越後咆哮セヨ

 96式陸上攻撃機の爆装部隊9機はすべて空母を攻撃、魚雷装備はもちろん戦艦狙いだ。対空気銃が唸る。九六式戦闘機が機銃掃射で駆逐艦に襲い掛かるが9ミリ機銃ではかすり傷程度しか負わせられない。

 

 ネルソンに近づいた雷撃部隊が1機まともに機銃を受けて黒煙を吐き出した。「ジャップの機体はさっさと海に墜ちろ」その陸上攻撃機の乗組員は「いんですよね」操縦士が言った「当たり前だもう帰れないだろう。皆もいいよな」「はい。天皇陛下万歳」陸攻はネルソンに近づいてきた「何をする気だ」ネルソンの乗った艦長は驚きで声にならないような声を出した。もう一度陸攻で万歳との声が聞こえたが、家族の名前を呼ぶものもいた。魚雷を積んでいるため200キロという低速で陸攻はネルソンの艦橋部分に突っ込んでいった。

 轟!!それは何が起こったかわからなかった。艦橋がそのまま吹き飛ばされたような感じだ。船員は閃光で目を痛め爆風で吹き飛ばされた。火災が起こった。「何なんだ?クレイジーな猿度もめ!!」「突っ込んでくるなんておかしいだろ!!」ネルソンの船員は地獄の火に燃やされないように水をかけた。しかしさらなる危機が迫ってきた。艦橋が吹き飛ばされて操舵など出来たものではない。

 2機が迫ってきた。1000メートル前方で魚雷を放すと急速に機体が浮き上がった。

 白い尾を引いて魚雷がネルソンに迫った。轟音を立て水柱があがる。命中した場所は左舷艦首と第2砲塔の下部だ。艦首はどの船でも浸水に弱い。たちまち大量の海水が入ってきた。「おいなんでもいい。もってこい浸水を止めるんだ」一致団結で毛布などが運ばれて防ごうとする。

 しかし上で火災艦首から浸水し左に傾いている。こんな状況でまともな対策など出来ない。とどめを刺さんとばかりに6機の陸攻がネルソンに雷撃を敢行した。4本の水柱がネルソンのマストの高さを超えると急激に左に傾き爆発しながら沈んでいった。



 アーク・ロイヤルは現在2発の爆弾を交わしている。しかし3分前に受けた至近弾でスクリューが痛んだらしく速力が30ノットまでに低下した。「右舷 斜め方向より爆弾です」「取り舵40度」アーク・ロイヤルは華麗にその爆弾を交わしたがそれは罠だった。「そうくると思ったよ」日本軍は先読みをしていた。5機が一斉に爆弾を投下した。800キロ爆弾が2発甲板に命中した。飛行甲板はめくれ上がりそこから炎が噴出した。「誰がこんなところに火山を作れといったんだ」エレオンがジョークをいったがこんなパニック時に受けるはずが無かった。「格納庫が危ないです」「くそ火薬庫に注水だ。急げ!!」火薬庫に水が入った。アーク・ロイヤルは沈没こそ免れたがまともな作戦は不能となった。


 そして20分後、魚雷や爆弾を全て使用した日本は帰路に移った。


 日本側の被害は九六式戦闘機4機撃墜破 九六陸攻は5機が未帰還で4機がひどく損傷した。


 イギリス側はネルソン轟沈  アーク・ロイヤル大破  駆逐艦テネドスが機銃掃射で12人が死亡7人が重傷を負った。アーク・ロイヤルとテネドスはシンガポールに向かった。


 レパルスと駆逐艦3隻はシンがポールに向かわず単独で侵攻した。


 そして〇九〇〇 「敵戦艦発見 恐らくレパルスと思われる」越後の則距儀で確認された。「距離は3万6000と方角は右30度」「うむ」艦長はうなずいた。この艦長はそう嶋田である。


 「3万2000をきったら撃て」「了解しました」越後の16インチ砲が30度方角を向いた。「距離3万2000です」「よし仰角35度撃て」閃光が甲板を覆った。長門より強力な火砲が放たれた。


 レパルスの艦長フィリプスはこの砲撃に驚いた。何しろ敵の主力艦艇はいないと思っていたのである。レパルスの43口径38センチ砲では対抗できないが艦長は長門クラスでも40センチ砲だ。ロイヤルネイビーの力はその程度の溝は埋めてしまう。「よしこちらは距離3万をきったら撃て」

 

 「近弾300メートル」「照準やり直せ」「砲術長次は当ててみせよ」嶋田の声に応えるように砲術長は指揮を行う。「仰角36度撃て」各砲塔から3連中2発が撃たれた。しかしこれはレパルスのはるか後方に行ってしまった。「35度に修正だ。撃て」3発の弾が放たれた。レパルスは何度か射撃をしていたが一向に当たらなかった。「糞、何故黄色い猿どものほうが正確なのだ」フィリピスはあせりを感じていた。そのときだった。強い揺れを感じた。「直撃だ!」ほぼ反射で言葉が出た。甲板に直撃したのだ。レパルスは巡洋戦艦だ。つまり攻撃力は戦艦だが防御力は巡洋艦と大差ないのだ。レパルスの甲板は76ミリこれでは話にならない。大火災が起こった。そして1度捕らえた艦を日本が逃すはずが無かった。9門の砲弾が放たれた。もちろん弾は拡散していくので全てが命中するわけないがそれでも4門が命中。距離は2万3000だった。この距離なら45センチ以上の装甲が突き破られる。レパルスは主砲が300ミリでそれ以上の装甲はない。弦側に次々砲弾が命中した。たやすく突き破るとそのまま火薬庫に入り込んだ。


 近くにいた駆逐艦の話によるとまず砲塔が吹き飛びながら凄まじい音を立て粉々の破片となり飛び散ったそうだ。



 その日ラジオでは大本営がお祭り騒ぎしたのは言うまでもない。

 なかなか時間がとれず更新が遅れ不定期になっています(いや元々不定期だけどね)。


 とりあえず読んでくださった方々ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ