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#9 好きこそ友を呼び込む
「マシロさんはどこに行ったんですか?」
「え? ああ、画家さんに話があるって、どっかの飲食店に連れてってもらってるよ」
外食か。珍しいな。画家さんも外食するんだ。
いつもは地下で、僕たち弟子より早めに食べて、夜の散歩の準備してるらしいけど。キャンバスとか絵筆とか、絵具とか。
「ほら、俺達もさっさと食おうぜ。ルラの飯はうまいしな」
ここでも好評のお母さん直伝の料理。『終わりの地』の皆にも好かれていたけど、すごいな。
「ありがとうございます」
マシロがいない食事。他の皆も悪い人じゃないけど、やっぱり一番仲がいいのはマシロだから、少し味気ない。
「ごちそうさま」
画家さんとマシロの話、良い話だったらいいな。
皿洗いをしながらそんなことを考えていた。
僕、あんまり人と仲良くすることってなかった。
ライカは例外として、向こうがぐいぐい来るから友達になったけど。
……もしかしたら、同じ好きなものを追っている人とは仲良くなるのかもしれない。それか、マシロもライカの派生みたいな性格か。
最後まで読んでくださりありがとうございます。