#27 新天地
「初めまして」
ロンバートさんが、僕たちのために残してくれた金を麻袋に入れて、僕たちは「メルティ」という村に来た。畑と森に囲まれているから、人は少ない。だが、だからこそかなりお互いを助け合っているようだ。
「初めまして、わしはメイル。ここの村長じゃ」
ロンバートさんより、五歳くらい年上に見える男性が案内してくれた。足腰が弱いのか杖をついており、おぼつかない動きをしている。
「え~、ルーンさんと言ったかの」
「はい」
「その布はどうしたんじゃ?」
「ルーンは目が生まれつき見えないのです。だから、目を保護するために付けています」
「なるほどのぉ。大変じゃったな」
「いえ、この生活にも慣れたので」
「そうかそうか」
メイル村長は、納得したかのような声で笑っている。
「それなら、わしからみんなの伝えておくでの」
「あ、ありがとうございます」
メイル村長はゆっくり歩いて、どこかに行ってしまった。
「ルラさん、荷解きしましょう」
「そうだね」
大金の一部を使って買った家。ロンバートさんの家よりは狭いが、二人だけなんだから十分だ。そして、残った金は寝床の下に埋めた。
片付け終わって一段落ついていると、誰かが訪ねてきた。
「あら、かわいい子ね。わたしはアメリ。ここら辺で果物を作ってるんだ」
隣の人らしい。僕たちが行くより先に来てしまったようだ。
「これからよろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
「じゃ、わたしは果物の収穫に行くからここら辺で。ここら辺は雨が降るとぬかるむからね。ルーンちゃんは気を付けるんだよ」
「はい、分かりました」
「アメリさんもお気をつけて」
「はっはっは! そうだね、ありがとう」
最後まで読んでくださりありがとうございます。




