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#25 悪い人
僕たちは成人して、結婚ができる年齢になった。家の周りの木々たちは、相変わらず濃い緑で、ゆさゆさと風に吹かれている。
ルーンと僕は、初めて会った時より身長が伸びた。ロンバートさんは衰弱している。それでも平穏な人生を歩んでいた。今日だって、もう夜だ。
ルーンは隣のベッドにいる。
「ルーン。起きてる?」
「起きていますよ。どうかしましたか?」
「もしロンバートさんが無くなったら、荷物をまとめてここから出て、適当な街を見つけて、ルーンはいつも通り目に布をつけて生活するんだ。それを付けている言い訳は『全盲』にして。見た目は人間だし」
「その後は、どうするんですか?」
「結婚したらいいんだよ。この国には結婚の儀式があるだろう? 最終的には、みんなが僕たちの存在を見てしまうし、それにコソコソ生きているよりもずっと普通に見える」
「……本当にいいんですか? 私なんかと結婚して」
「ああ、いいさ。君は珍しいからね。僕の目に映る女性は、みんな同じだった。でも、君は違う。ずっと珍しく僕の目に映るもの」
「ありがとうございます。少し照れますね」
ルーンは褒めたら黙ってしまう。悪人に捕まってしまいそうで、心配だ。まあ、そんな心配する以前にもう悪人に捕まっているんだが。
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